貧困削減ファンド初募集 | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

 貧困削減ファンドが日本国内で初募集されるというニュースを読みました。以下のような記事です。
 
「発展途上国などの低所得の人々に少額資金を無担保融資して貧困削減を目指すNPO法人企画のファンドが、月内にも日本で初めて募集されることが22日分かった。ノーベル平和賞受賞の経済学者が始めた「マイクロファイナンス」の手法。主にインターネット上で1口3万円、最大約5千万円を集め、カンボジアのプノンペンにある専門の金融機関に出資。同社が同国内の農民や事業主に融資し返済を受ける(ロイターより転載)」

「マイクロファイナンス」とは、2006年にノーベル平和賞を受賞したバングラデシュの経済学者ムハマド・ユヌス氏が始めた手法で、簡単に言えば「低所得者向け小規模金融」のこと。不良債権比率を低下させる手法として、たとえば、銀行員が毎週集会を開き、お金の使い道や返済の計画について個別にアドバイスしたりします。こうした取り組みで、低所得者は融資を元手に家畜飼育、工芸品製作、 食料品販売などで生活していくとともに融資返済能力を持つことができるというもの。

 募集会社はミュージックセキュリティーズで、主にインターネット上で1口3万円、最大約5千万円を集め、カンボジアのプノンペンにあるマイクロファイナンス専門の金融機関「CHC」(11月からサミックに名称変更)に出資するとのこと。「CHC」が同国内の農民や事業主に融資し返済を受ける役割をします。

「CHC」の向こう3年間の事業が08年並みの収益を上げた場合、年2.8%程度(税引き前)の予想利回りになるとのこと。一方、業績や為替変動によっては元本は保証されません。

 ドイツ銀行によると、「マイクロファイナンス」の市場規模は250億ドルに達し、融資額は毎年15億ドルづつ増えているとのこと。現在の成長が続けば、市場規模は2015年までに現在の10倍になると予想されています。

 果たして実際に「マイクロファイナンスが機能(work)するのか」。「3年後にどういう結果になっているのか」、興味があります。

 ニュースを読んだのみでまだ何も情報がないのですが、できれば、次回、カンボジアを訪問したときに時間が許せば、マイクロファイナンス専門の金融機関という「CHC」を取材できればと思っています。