タイのセブンイレブン経営をしているCPオール[CPALL]について | ホーチミン市(旧サイゴン)在住・証券アナリストのタイ株、ベトナム株、日本株ブログ

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ホーチミン市(旧サイゴン)在住の証券アナリスト・竹内浩一が、ベトナムを中心に世界の金融市場を見渡すブログです。

 J-Channnel(ラジオ放送)で昨日、簡単に触れたCPオール[CPALL]の追加コメントを書きます。また、株価チャートもアップさせていただきます。

 では昨日の原稿が手元にありますので引用します。

「タイの大手財閥CPグループ傘下の流通大手CPオールは2008年の総売上高が前年比12.2%増の1294.6億バーツ、最終利益が126.1%増の33億バーツだった。売り上げはタイのコンビニエンスストア、セブンイレブンが929.6億バーツ、中国で展開するスーパー、ロータススーパーセンターが277.3億バーツで、中国事業は11.1億バーツの赤字・・・・」(出所:ラジオNIKKEI)というもの。

 まず、業績の足を引っ張っていた中国・上海のスーパー事業からは原則として撤退方針でこれは同社の将来の業績に好影響を与えると思われます。
 08年末でタイのセブンイレブン店舗数は直営2671店、FCが1813店の計4778店で年初から499店増えました。今年は400~450店を出店する計画。
 今後、BTS(高架鉄道)やMRT(地下鉄)の路線拡大で沿線部分へ積極的に出店を展開すると思われます。特に、リスクの少ないFC店の増加が期待されます。

 売上構成では、利益率の高い食品の売上割合が07年の49%から52%に上昇したのは好材料です。「日持ち」のしない生鮮食料品を扱わず、「日常用品」を「小商圏」で販売し、「物流センター」を中心に「集中出店」するコンビニのビジネスモデルは先進国での成功で証明されています。
 不況で高級家具、高級家電、高級オートバイなどの贅沢品の販売が落ち込んでいますが、奢侈品ではなく日常品を扱うコンビニが不況に強い業態なのは、1990年のバブル崩壊を経験した世代の日本人なら経験的にわかるはず。

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CPオール(CPALL)の株価推移(グラフをクリックすると拡大します)

(付記)
 せっかく株価チャートをアップしましたので簡単にコメントさせていただきます。

 株価チャートをみると、同社が底値(7.00バーツ)を付けたのは昨年10月29日。SET指数と同時に株価は底値を付けています。これはJ-Channelでも言及したように外国人による「換金売り」がSET市場の大型株に向かったことによるもの。

 しかし、その後、SET指数が11月下旬から12月にかけて下値調べをしている頃、すでにCPオールの株価は上昇に転じています。これは「強気シグナル」です。こういう株は「強気」でいいのです。

 また、同社が底値を記録した3営業日後の11月3日には「窓」(窓①)を開けて株価は急騰しています。こうした急騰をみせた場合は、通常はその後のモチアイで「窓を埋め」にいくはずなのですが、同社の場合は窓埋めをせずにそのまま新高値を更新しています。これも株式チャートでは「強気のシグナル」。

 現在はグラフの赤の点線で囲まれた部分「11.00から13.00バーツ」のゾーンでモチアイをしている最中。仮に、13.00バーツを抜けてくるようなら株式チャート上では「買いシグナル」となります。

 同社株の「買い推奨」をしているのではなく参考までにコメントをしているのみです。どうかその辺を宜しくお願いします。投資は自分の判断でやるものです。

 参考までに、現在、同社の配当利回りは4.84%(3月9日)、PERは16.88倍(同)となっています。