今日(8月22日)、ネーション(The Nation)紙をふとみてみると、なんだか見慣れた顔が「マネー面」に大きく掲載されていた。一瞬「あれ? 誰だっけ?」と思ったが、写真下の見出しを読むと、先日弊社がシンガポールでインタビューしたジム・ロジャーズ氏だ。(WEB版の記事はこちら )
ネーション(The Nation)紙はタイのリベラル系英字新聞。大見出しには、
「インベストメント・グル(投資の教祖)はタイ・農業セクターに強気」
と書いてある。どうやらジム・ロジャーズ氏は昨日、バンコクで講演会を開催したらしい。
記事には、「ロジャーズ氏はバンコクに23年ぶりに来た」と書いてある。それはそうだろう。タイには、1997年7月にはじまった「アジア通貨危機」で破産・没落してしまった元金持ちファミリーも多い。ジム・ロジャーズはジョージ・ソロスとともにアジア通貨危機のきっかけを作った、「クォンタム・ファンド」の設立者の1人。当時は、「『クォンタム・ファンド』の関係者がタイの国土に足を踏み入れたら命はないと思え!」と憤っていたタイ人もいた。
護身のためにも、バンコクへ行くのは避けていたのだろうか。次回、会うときに聞いてみようと思う(笑)。
ネーション紙によると、彼はタイの「商品(コモディティ)」なかでも「穀物(アグリカルチャー)」を推奨したようだ。砂糖、綿花、コーヒー豆など。
推奨理由に
・これらの商品価格は過去30年間ずっと、史上最高値より60~80%ディスカウントの水準で推移していること
・また現在、在庫水準が最近10年間で最低水準にあること
つまり、需要は伸びているのに供給が追いついていないことを挙げている。さらにネーション紙から、彼の言葉を翻訳・引用してみる。
「現在、農業従事者のほとんどは老人だ。若者は農業を嫌いインベストメントバンカーやジャーナリストにばかりなりたがる。農業をやりたい若者は少ない。こうしたことが今後も続くなら、穀物相場には値上がり妙味が出てくる」
他には、我々が取材したときと同様に、
「ドルに弱気」
「債券は長期では妙味無し」
「コモディティ株よりもコモディティ(商品)そのものを買った方が良い」
「石油・ゴールドは下がったら買い増しする」
などの発言を講演会でしたようだ。