ロボットが手術を担当 | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

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手術の現場で、医者とロボットが協力し合う時代がやってきた。ロボットは疲労もせず、精密な作業をするのが得意である。医学における手術支援ロボットの導入は、まさに医学と工学の完璧な結合と言えるだろう。アメリカの手術支援ロボット「ダ・ヴィンチS」がそのさきがけだが、日本でもそうしたロボットの開発に力が注がれている。

難治性の疾患が多い脳神経外科の分野では、超小型の手術ロボットが注目を集めている。例えば、名古屋大学医学部附属病院の手術室に、そのようなロボットが設置されている。このロボットは日立が製造したMRI(磁気共鳴画像)ユニットを中心として、術中ナビゲーションシステムや手術用顕微鏡などの周辺機器が一体化されている。精密に測定された脳の中の目標位置に機械アームが自動的に移動して、大脳組織に精密機器を挿入し、遺伝子治療薬などを注射するロボットも結合されている。また、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と九州大学は先ごろ、3D画像を見ながら手術器具を操作できる手術支援ロボットを開発した。制御装置が共通なものは世界初で、手術器具を交換することによってさまざまな分野でこのロボットを応用することができる。脳外科手術では、正面に一台、側面に二台あるカメラで立体的に撮影し、視野が広く、器具も小型で操作しやすく、病変組織の切除の効率が高く、正常な組織を傷つけることが少ない。


日本では、心筋梗塞などの心臓疾患が癌に次いで死因の第二位になっている。冠状動脈バイパス手術を初めとする胸部外科手術は、一般に大きく切開することが必要で、入院期間も長く、傷跡も大きいなどの欠点があり、特に高齢の患者には負担が大きかった。その解決手段となったのが、内視鏡手術である。これは身体の表面にいくつかの穴を開け、医者の「目」としての内視鏡と「手」としての器具を体内に入れて手術を行う。ただし、肋骨の向こうにある心臓に対して手術を行うのは非常に難しく、患部が心臓の裏側や側面にある場合はさらに難易度が高くなる。東京大学とオリンパスが共同で開発した「胸部外科用インテリジェント手術支援ロボット」の試作品が完成したことは、患者にとって大きな福音と言えるだろう。このロボットは、人のひじに相当する関節によって障害物をうまくよけ、対象部位に到達して手術操作を可能にする。


また、通信技術によって遠隔手術を行う研究も進められている。九州とタイという4000キロ離れた場所で、ロボットを使った遠隔手術が成功を収めたケースもある。医者がスクリーンを見ながらロボットを操作して、地球の裏側にいる患者の手術をする。そんなSF映画のようなシーンが、いつか現実のものとなる日が来るだろう。














新エネルギー・産業技術総合開発機構/プレスリリース http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100145.html