放射性物質を撮影するカメラ | 「週刊・東京流行通訊」公式ブログ

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放射線物質に関する話題が、去年の東日本大震災以来ずっと続いている。福島第一原発で起こった数回の爆発のために、放射性物質の人体への影響が改めて全世界の注目の的となっているのだ。この一年の間、震災後の復興に力を尽くす一方で、放射能汚染の深刻な地区で、いかにして迅速かつ効果的に大気と土壌の放射線の値を検出して人々にわかりやすく伝えるかについて、各界で討論と研究が重ねられている。

被災地だけでなく、あるいは福島の放射能汚染事故だけでなく、実際我々の日常生活の中には、大小様々な放射線源が存在している。例えば病院で使われているX線やCT、飛行機、工場の大型機械などである。日常生活でもコンピュータ、携帯電話、さらには冷蔵庫までが放射線を放出している。そのため、大都市の放射線指標は農村に比べてはるかに高くなっている。


震災以後、秋葉原などの電器販売店では様々の携帯式放射能検出器が販売されるようになり、最小のものでは万歩計程度のサイズのものまである。だが測定の誤差などの問題だけでなく、放射性元素の成分は非常に複雑で、一般の検出器ではどれが福島第一原発から漏れた放射性物質なのかわからない。その土地の放射線データを正確に知りたければ、巨大な専門機器を使うしかないのだが、こうした機器は大きくて重い上に、一つの家の南側の塀と北側の塀を正確に区別するのも難しい。正確に検出することができないのならば、住民にとってそのデータは実際に参考にする価値を持たない。


先ごろ、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、ある広角カメラを発明し、この難題を基本的に解決することができた。この「コンプトンカメラ」を使って撮影すると、放射線のある場所が一目でわかる。また、「ガンマプロッターH」という装置を使うと、地表5cmおよび100cmの位置から放射性物質がある場所を検出し、色づけしてはっきり表示することができ、異なる放射性物質は異なる色で表される。またGPS機能も備えており、放射線量を地図上にプロットして周辺の放射線量を俯瞰する形で表示し、周囲の放射線の具体的な状況が一目でわかるようになる。













(C)2012 Japan Aerospace Exploration Agency

宇宙航空研究開発機構プレスリリース http://www.jaxa.jp/press/2012/03/20120329_compton_j.html (日、英)