序章
私は昭和16年12月18日(1941年)に東京都江東区砂町銀座の近くで生まれた。
正に太平洋洋戦争が始まり10日後であった。この時期に腹を大きくし出産をした母親の心中はどれほどのものであったろうか?母から聞いたこともない。
やがて戦火は激しくなり防空頭巾をかぶり防空壕に逃げ込んだ記憶がある。
そして疎開をする事になった。疎開先は母の実家のある(福島県相馬中村)から少し山間の廃屋に近い所であった。
ある時母親と町まで食料を買い出しに行った時右方向の空から左方向に真っ黒な戦闘機(B29)が編隊を組んで轟音と共に飛んで来た、母と私は傍の空堀に身を潜めた。
やがて終戦となり母の実家に居候することになって弟が生まれた。
地元の小学校に入る前に近くに住んでいた一つ上の女の子に性的関係を迫られ彼女の家でその行為をしていた。と言っても幼児のこと大人の性交とは全く違うもので局部をあてがう程度のものであったろう。
そんな事をしていた時にざわざわと玄関で子供たちの声がした、彼女の兄とその友達だった。私と彼女はお尻を出したまま押入れに逃げ込んだが時遅く見つかってしまった。その後皆に馬鹿にされ罵られて5歳児ながら「俺はもう駄目だと思った」
やがて地元の小学校に入学し1学期までいた。
担当は女性教師でヒステリックな記憶がある。
ある時腹の具合が悪くなかなか言い出せずギリギリのところでトイレに行くことを決意しそれを伝えトイレに向った。
だが時遅く廊下で漏らしてしまったそれも大便であるーーああ何たることかまたまた皆に馬鹿にされる殊になった。
そんなこんなで早くここから東京に逃げ帰りたっかった。
やっと東京に帰ることができホッとした。
この時私の潜在意識に深く逃避行動が刻み込まれた。
つづく