一番大きいことは合格者の再現答案のご威光が消えたことでしょう。得点開示前までの合格者答案は、それはありがたいものでした。どんな内容の答案であっても「合格答案」という印籠をかざされれば、「おっしゃるとおりでございます」といわざるを得ないのが得点開示前の状況でした。
この試験は主催者から模範解答が示されないので、全てが闇の中でした。いわば、合格者の言った者勝ち、ひいては、受験対策校の言った者勝ち、みたいな状況でした。なぜなら、判断基準が合格者答案と不合格者答案しか存在しなかったからです。
そんな夜明け前の状況を、得点開示という名前の黒船が来航し、中小企業診断士二次試験の受験界を一変させました。
一部の合格者(超優秀者は実在します)を除き、実は合格者も不合格者も五十歩百歩、ということが白日の下に晒されたのです。意味もなく恐れていた壁が消えました。運の要素が大きいことがわかりました。ともすれば、合格者が再受験した場合50%くらいは不合格側に転じるかもしれません。
そして、戦術が明確になったのです。夜明け前では合格者の答案は神格化され、実はC答案であっても合格答案となってしまっていたため、玉石混淆の状態であり、正しい分析が出来ませんでした。しかし、A答案は「このようなもの」と分析できるようになったため、夜明け前に跳梁跋扈していた〇〇メソッドや△△解法などが姿を消すことなり、明るい日差しの中、受験者自身で冷静に合格答案に向けた戦術を立てられるようになったのです。運の要素は今後どんどん減少していくでしょう。
そんな状況の中、合格確率を挙げるには、地道な訓練が一番でしょう。ここでいつものやつを失礼させていただきます。
「二次試験は料理コンテスト。与件文は冷蔵庫、冷蔵庫にある材料で、一次知識という料理法を駆使し、おいしい指定料理(回答)を作りましょう」。
追記
「模範解答が示されない」と書きましたが、この試験の性格上模範解答を示すのは困難であると思います。ビジネスにおいて正解をひとつに絞るのは困難ですからね。
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