野口健さんがこんなことを書いている。

驚いたのはウクライナ人の一歩も引かない気迫である。軍事力では決定的な差があり、瞬時にウクライナは落とされると感じたが、ロシア軍は苦戦している。ウクライナでは多くの民間人が志願し、武器を手に最前線に向かった。海外に住んでいるウクライナ人もが祖国へ戻り、戦っている。

しかし、日本国内では「ウクライナは妥協すべきだ。退くべきだ。」といったコメントをテレビで耳にする。そしてとってつけたように「命は大切だ。」と。それらの意見に対し、あるウクライナ人は「日本人はアメリカにしか占領されたことがないからわからない。」と反論した。まさに正論。仮に日本がソ連(当時)に占領されていたら今日の日本はないだろう。ロシアに支配されたら絶望的な運命のみが待ち構えている、ということを彼らは過去の体験から体に刻まれるほど理解している。

「命は大切だ。」それはそうだろう。そのために戦っているのだ。それを上っ面だけの平和主義を掲げてみても意味がない。まるで「憲法9条さえあれば国や国民を守れます。」と言っているに等しい。

果たして日本が同じ事態に陥った時、ウクライナ人のごとく立ち上がれるだろうか、、、。

野口さん、よくぞ書いてくれました。

「ウクライナは妥協すべきだ。退くべきだ。」とか「命は大切だ。」と言っているそのコメンテーターは、ロシアに支配された後、ウクライナの人々に今まで通りの生活が待っているとでも思っているのだろうか。人格を否定され奴隷のように生きることを強制される事がわかっていてもそれを甘んじて受け入れるのか。

26日の新聞には、「マウリポリの住民をサハリンに強制移送か」と書いてあった。だから「大切な命」を懸けて戦っているのだ、と思うのは私だけではあるまい。