ゴマダラカミキリ
「また出てきやがった。この胸のあたりに獣が棲んでいやがる。」

老スズムシ
「才能がありすぎても辛いのだな」

ゴマダラカミキリ
「月も星もない闇がつづいておる」

老スズムシ
「いつになく詩をたれおって・・」

ゴマダラカミキリ
「いつになったら日が上がる?」

老スズムシ
「虫の心は弱いのう」

ゴマダラカミキリ
「いくらなんでも、もう夜明けでも良いではないかっ!!」

老スズムシ
「小僧めっ!!葉に包まれて休みたいか?甘えやがって!!」

ゴマダラカミキリ
「無明長夜の果てにいったい何が待っている??」

老スズムシ
「不安か!?叫びたいか!?」

ゴマダラカミキリ
「グッギギギギ!!」















老スズムシ
「どんなに闇が深くても、開けない夜はありますまい。」

ゴマダラカミキリ
「ついてこれるのか?今にも増して心労をかけるぞ!!」

老スズムシ
「なんの事で?わしはただ、気の向くままに面白おかしく毎日を過ごしているだけじゃよ。」