鉄馬徒然日記

鉄馬徒然日記

全く何の予備知識もない男が、ただ勢いだけで腹に溜めたモチベーションの発露先としてブログなるものを選んでみましたっ

我が鉄馬と共に眺めた風景や出会ったもの等の事を、とつとつと書き連ねてみようと思ってます。

Amebaでブログを始めよう!

ここに文章を綴るのも随分久しぶりである。

どれくらい久しぶりかと言うと・・・・・・・それはもう随分久しぶりなのである。



っとのっけからイキナリ阿呆のような書き出しであるが、まあなんせ久しぶりだ。



長い間このブログを見ていなかったのだが、それには立派な訳がある。














・・・・・・・・・というのはだ(泣)














何となく面倒くさくなってしまっただけだったり・・・・

・・・とまあこんな事を書くと真面目に更新されてる方々からヒンシュクを買いそうだが、事実なのでこりゃどうしようもない。

何事にもモチベーションというのは大事であると常々思っていたのだが、どうやら思ってただけのようであった。



日々の雑事に追われ、暇を見つけては愛鉄馬に跨り、見知らぬ土地 まだ見ぬ風景へと出会いを求める・・・・・・





ハッキリ言ってブログを更新する間等なかったのである。







・・・・・うむっ もちろん言い訳だっ





では何故また こうやって書き綴りだしたのか・・・



それは本当に何気ないきっかけであったのだが、ある日ふと久しぶりにこのブログの存在を思い出し「どれ 腐り具合でも見てやろう」とPCを立ち上げたところ・・



更新を停止した状態のまま 今だそこに存在していたのである。

もちろんそれは当然の事で その事自体十分に納得のいく話なのであるが・・・・


時を隔てても変わらないもの


どこかで使い古された言い回しの言葉が頭をよぎり、こちらの変化などはお構い無しに劣化せずあり続けるデジタルデータというものに若干の嫌悪感を覚え、たじろいだ。















で、スキンを変えてみた(笑)


















私も変わるし私を取り巻く環境も変わる。

そしてその環境は、さらに多くの最小単位である個で形成されており、その個も変わっていく事で世をデザインしていく。



うむっ その方が気持ちよい事幾万倍であるっ



このスキンの変更は また何かに影響し その影響の連鎖が新しいデザインを生むであろう。

・・・・等と一人悦にいって得心し とても晴れやかな気分で その日はPCの電源を落とした。










                            数日後




仕事場では常に脱力感に見舞われるという特異体質の私は それ故にある種のヒラメキや思考整理等を勤務中に行う事が多い。



仕事:ある種のヒラメキや思考整理等



ぐらいの割合である。













・・・・・・・













・・・・・・・・・・・・・・・・・・・









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、いや 自分で書いてて情けなく(泣)









とまあ本音冗談はさておき そんな折ふと ある種の疑問が頭をよぎったのである


つまり スキンを変更しただけでも「更新!と表示されるのかどうか?


慌てて他の妄想を中断し職場のPCからアクセス 

何故だか妙な緊張を覚えながら自分のブログをひらく・・・・・もちろんスキンは変更されたままだ。


無論自分のブログを確認しても「更新の表示があるかどうかはわからない。

お気に入りに入れてくださっている方のブログを見に行かねばならないわけだが・・・

何故だろう。

不思議と私は迷いなく管理画面に入り訪問者数を確認したのである。



・・・・ずっと 訪問者数0で横ばいのグラフがスキンを変更した日だけ幾人かの訪問者がいた事を示している。





























・・・・・・・・・・・・また書いてみようかな。







何となく自分が自分に隠していた部分を露骨に悟った気がして妙に素直な気持ちになったりした。



おそらくは おそろしい程の不定期更新になるのであろうが そこはそれ 個人のブログのお気楽な点と言う事で納得し のんびりとつとつと書き綴っていこう。












































温泉にて、心身ともにリフレッシュをし(一名省く)気力を充実させた我々一行は一路国道168号線 通称五新線(五条市と新宮市を結ぶ為こう呼ばれる)を意気揚々と北上していた。

 

タイトなコーナーの連続である為、速度が出せずなかなか距離が稼げぬ状態が続き若干辟易していたが、そこはそれ、コーナーを一つクリアする度に我が愛鉄馬との一体感を深め「あぁ これが人馬一体の爽快感なのであるな。」等と一人悦に入ったりして楽しんでいた。

そんな一人遊びもつかのま・・・・・

 

 

 

                    

                      「谷瀬のつり橋」到着の図。

 

ちなみに向かって右が、衰弱気味のオガッチで左がノンキなヒーちゃんである。

背後に見えるのが勿論名高い「谷瀬のつり橋」であるが、残念ながら、私の撮影技量ではうまく全貌を捉えるには至らなかった。

 

しかし、実際その全貌を見るにつけ圧巻の一言である。

もはや異様と言わざるを得ないであろう。

高いわ長いわ、そりゃもう大騒ぎなのである。

阿呆の用に口をあんぐり空けて、その異様な構造物を眺めていると何だか自分が変に矮小な生き物の様に思えて来ると同時に、ふつふつと腹の底に熱気が沸いてくるのを感じた。

 

 

 

 

         渡ってやる!!

 

 

 

 

 

 

漢であるなら、そう思うのは必然であろう。

そう、この余りにも自己主張の強い構造物を征服せねばなるまい。

同志二名と共に、おもむろにつり橋を渡りだす・・・・・・

 

 

 

                   

 

一番最後尾を歩いてはいるが、決して他二名に遅れをとっている訳ではない。

単に撮影の為である事を付記しておく。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや、しかし・・・。

 

 

 

 

 

                       

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  やっぱ怖え~わっ これ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見ると、真ん中辺りにさしかかった所で、同志二名も少々たじろいでいるようだ。

「ふむ、私ですらそうなのだから、あの二人がたじろぐのは是非も無しであろうな。」

・・と自分の恐怖心を忘れ満足げに前で立ちすくんでいる二人を眺めていたのだが、次の瞬間到底信じられぬ光景を目の当たりした。

 

 

 

 

 

・・・・トットットットトトット・・

 

 

 

 

 

・・・・・我が目を疑った・・・・なんと目の前から軽やかな原動機の音を響かせてカブが走ってきたのである!

確かに幅的には問題はあるまい。それなりに大きい橋には違いない。

・・がっ この橋は普通の橋とは違う。

そう、吊っているのである!

当然風が吹けば揺れるし人が歩けばやっぱり揺れるのだ。

なのに・・・なのに・・・・「原付とはいえバイクで渡るってあんた・・・・・・・」

ただでさえ、私などは揺れるつり橋の安定を図る為に極力真ん中に重心を置きながら移動しているというのに、このままでは後何秒とかからぬうちに第一種接近遭遇の運びと相成ってしまうではないかっ

見ると、私より少し前でたじろいでいたおっさん同志二名が、まるで雨上がりの水溜りで遊ぶ園児のようにキャーキャー狭い範囲で騒いでいる。

 

 

ふむ・・・・ここは彼らがカブを足止めしているうちに戻るのが得策であろうな。

と、至極当然の解答に考えいたり、私はきびすを返して歩き出した。

何やら背後から私を呼び止めるような声が聞こえたり聞こえなかったりするのだが・・・・うん、聞こえなかったように思う。

 

無事出発点に戻った私は、難なくカブをやりすごしたのであるが、そのカブを運転していたのが年老いた老女であった事が私をさらに驚かせた。

おそらくは地元の住人であろう。生活道路として普通にこのつり橋を使っておるに違いあるまい。

人とはおそろしく環境に適応してゆける生き物であるのだな等と私如きでは計り知れぬ生命の秘めたる逞しさに、しばし思いを馳せ寛大な気持ちになり続いて到着の同志二名の労をねぎらってやったりした。

 

さあ、これで今回のツーリングで立ち寄る予定の目的地は全てクリアした。

ここからは、ひたすら北上し五条市にぶちあたった所で進路を一路西にとり我が街和歌山へと至るのみである。

見上げると、すでに夕闇が迫ってきており、山間の風景も若干朱に染まりつつある感じだ。

ただでさえタイトなコーナーの連続する山道である。

出来れば夜間走行は避けたいところであった。

 

少しペースをあげ追いすがる夕闇を振り切るように、低い咆哮をあげながら縫うように山道を走る我々・・・・・

車もほとんどなく順調に進路を走破していたのであるが、大塔村にさしかかった時、ついにその足を止められる事となった。

ズラッと並ぶ車の列、ぼんやりとテールランプの明かりが迫る薄闇に滲み出し何か最悪の事態を予感させる・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

土砂崩れの為、通行止め 大変ご迷惑をおかけしております。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思わずヘルメットを脱いで、何度もその文字を目でなぞった。

何という事であろう・・・そういえば、つい先日まで随分と降り続く雨で各地に土砂災害の被害が出ているとか何とかニュースで言っていたのを思い出した。

全くの誤算である。私は背中に冷たい汗が伝うのを感じた。

 

オガッチ「いや、大丈夫みたいやで 迂回路って書いてあるわ」

 

私「マジで? ・・・・・あっ ホンマやっ くぅ~~よかったあ~ 一瞬なぜか強行突破する事を考えてました(笑)」

 

ヒーちゃん「なんでやねん(笑) ほら見てみ ちゃんと迂回路ってかいてあるで」

 

私「知ってるって、今 オガッチに聞いたって(笑)」

 

思わず皆の顔にも安堵の笑みがこぼれたのは言うまでもないであろう。

迂回路の立て看板のそばには交通整理のおじさんがたっており、何やら迂回路への案内をしているご様子、私にはこの警備服のおじさんが天使のように思えた。

・・・・随分浅黒い天使ではあるが。

 

おじさん「すいませんねえ 土砂の撤去作業でこっちからまわってもらえますか?」

 

おじさんの指差す方に、なるほど確かに細い道が伸びている。

しかし、バリケードで塞がれているが、その真逆方向にも一本道が伸びていた。

 

私「あっちの道も土砂で?」

 

おじさん「いや、あっちは高野山方面への道なんですけどね。高野山方面に抜けたいですか?」

 

一瞬皆顔を見合わせた。

案内通りの迂回路なら五条市に出るであろう。

高野山方面に抜けられるなら、和歌山市に帰るのに幾分ショートカットできるのではないか?

我々は一様にそう考えたのである。

 

オガッチ「どうする?」

 

私「そうっすね 高野山方面抜けられるなら、そっちのが近いかも」

 

ヒーちゃん「俺はどっちでもええよ。」

 

かくして我々は、高野山方面の抜け道を選んだ。

しかし・・・・・これこそまさしく、このツーリングを伝説のツーリングへと替えた悪魔の選択であった事を、この時の我々はまだ知らない。

おもむろにバリケードをどかすおじさん・・・・・ってか通れるのならば、何故バリケード等置くのであるか?

理不尽な疑問が頭に沸くが、この際どうでもよかったので口にはしなかった。

 

浅黒い天使に礼を言い狭く暗い山道へと鉄馬を進める一行。

それはまるで、小さく口を開けた蛇の体内に飲み込まれていく様にも似て、何だか身震いしたりした。

 

今思えば、この時の身震いが少し先の未来を暗示して体が発する警告だったのやもしれぬ・・

静かに闇が昼の世界を侵食し始め、鉄馬の放つヘッドライトの光の収束がくっきりと視認出来るようになりつつある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・彼は誰とき・・・・・・・ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は頭の中で昔祖母から聞いた夕闇迫る時刻の呼び名を思い出しながら、先行するオガッチの後をトロトロと離されぬように追従していた。

ふと、後ろをついてきているヒーちゃんの姿をミラーで確認し・・・・・・・・・・・ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・居ない!? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                         風雲急を告ぐ完結編 下 へ続く・・・・

 


 



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブログなるものを始めてボチボチ一週間が経過しようといている。

自分なりに試行錯誤しながら、いくつかの記事をアップし内容的に不満は残るものの何とかブログなるものの体裁を整えつつあるつもりである。

 

記事を読んでくれている奇特な方の中には、「何て突っ込みどころが満載なブログなのだろう」と素で感じている方も多い(多いと言う程閲覧者はいないが)と思うが、とりあえず今の自分に出来る精一杯が、これなので海よりも広い心でご容赦願いたい。

 

・・・・・しかし、ここにきてランキングも訪問者数も全く上がらなくなってしまった。

 

何の事はない、他の方がそれだけ魅力的かつ戦略的なブログ運営を行っているからであって、出ない結果に苦悩するのは、私の不徳のいたす所・・・の一言に尽きるのであるが、これだけは言っておきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうすりゃ、ランキング上がるの? 誰か教えてくださいませ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・とまあ、思いっきり本音むきだしの叫びである訳だが(笑)

いや、勿論、私が今以上努力すると言うのは大前提という事で・・・・

何かいい案やご存知の情報あればコメントいただきたく・・・・・・ええ、出来れば優しく・・当方、メンタル面が非常にデリケートに出来ております故・・・。

 


 

山あいの蛇行する信号無き道を疾駆する鉄馬三騎。

それぞれの原動機より放たれる咆哮は心地よいリズムを刻み深山の谷間に染み入っていく・・・

 

頭の中は真っ白になり、ただ、鉄と風と咆哮と・・・

 

およそ、鉄馬に跨るより以前は想像だにしなかった世界が眼前に広がっている。

 

私「ああ、なるほど・・」

 

私は突然理解した。

この何とも文章で説明しづらい感じを共有しているのだな ・・・と思えるから鉄馬乗りは皆仲間意識が高いのだ。

今目の前を走ってるオガッチも後ろを追いかけてくるヒーちゃんも、きっとこの心地よい雰囲気を共有しているのであろう。

 

ところで、聡明な読者の方は、もうご存知だと思われるが、鉄馬乗り同士の挨拶をご存知だろうか?

無論すでに実践しておられる方も多数いるであろうが、私等は全く知らなかった。

そう 例の知らぬ者同士でも、道ですれ違う時などにピースサイン又は挨拶を交わすというものである。

 

初めて、この挨拶をされた時は少々たじろいだ。

何せ幼少の頃より「知らない人と話ちゃいけません」と祖母・母ともにキツク言いつけられてきたからである。

無論話をするわけでは無いのであるが、当初はよく挨拶される度に後ろを振り返ったりして、「一体誰に挨拶しておるのか?」等といぶかしんだものである。

おそらくは相手の失笑を買っていたであろう。

今では随分落ち着いて挨拶を返せる程度にまで成長し、時にはこちらから進んで挨拶をすること等もあったりするのだ。

相手が返してくれなかった時等は、何だか一人遊びっぽくて恥ずかしく、いっそこの場で壮絶に転倒してやろうか・・・・などと考えたりするのだが。

きっと、これらの鉄馬乗り同士の挨拶等も、このえもいわれぬ快楽世界を共有しておる仲間意識から発生しておるのであろう。

 

幾人かの鉄馬乗りと、そのような挨拶を交わしてるうちに、いよいよ我が鉄馬隊は次の目的地に到着した。

 

                       

                      熊野本宮大社である。

                      

 

 

もはや、何の説明もいらぬであろう。

昨今めでたく世界遺産の拝命を賜った例のアレである。

我が地元和歌山の宝といえよう。

 

ちなみに、鳥居の前でたたずむご婦人は、我々一行とは一切関係ないのであしからず・・

 

しかし、さすが世界遺産に登録されるような場所は貫禄があるというか、鳥居の奥に続く荘厳な木立の道を眺めるにつけ、悠久の時の流れと偉大な先人達の信仰心のようなものに触れた気がして、眩暈を覚えた。

 

オガッチ「ほっほー さすがに雰囲気あるなあ 奥の石段なんて何段くらいあるんやろな?」

 

私「さあ? でも、パッと見でも相当あるっすな。 まあ俺は何度か来てるんで、あえて上るような真似はしませんが。(笑)」

 

オガッチ「うん、わえ(←和歌山弁では自分の事をこう呼ぶ)も、ちょっと・「上ろらよ、俺初めてやし」

 

 

 

私「・・・・・・・・・・」

オガッチ「・・・・・」

 

 

何とも空気の読めぬオヤジ殿である。

言いたい事は無論わかる、ここまできて上らぬ手はないであろう。

初めて来たのならなおさら。

 

・・・・・が、しかし

 

暑かったのだ、皮で武装した私の体は抜群の保温効果を生み体温を下げる為に体中の穴という穴から、ラジエーターの如く汗を噴出していた。

オガッチにいたっては、加えて風邪気味である。

せめて、いくなら一人で行け 待っててやるから・・・・・・そう言いたかったのだが、そこは一番の年長者の意見、くみ上げぬ訳にもいかず、渋々承知した。

 

その時のヒーちゃんは私には、こう見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                          

                             ↑かなり凶悪そう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無言で歩き続ける事10分程、ようやく本殿が見えてきた。

熊野の神様が鎮座まします社である。

 

                      

 

さすがに、ある種の神々しい雰囲気が全体に漂っていた。

無宗教・無信仰の私もさすがに居住まいをただされる感じである。

一応お約束の賽銭とお祈りをすませ、足早にこの地を離れようとする我々。

 

 

 

・・・・そう、次の目的地こそ今回の到達目標である、渡瀬温泉 大露天風呂なのだ。

 

折りしも、熊野の神様に会う為に大汗かいたところである。

早く深山の湯治場で、湯に浸かりたいと願うくらいは許されるであろう。

 

オガッチ「・・・ゲホッ ガホッガッ ゴホッ」

 

同志一名がやけに弱ってはいるが。

 

我々は世界遺産を背中に見つめ、急ぎ湯治場へと駆け出した。

ここからはもう、そう遠くはない距離なのである。

私は、ここ熊野の風景を目に焼き付けながら、漂白の民「サンカ」の事に思いを馳せていた。

「サンカ」とは、原日本人とでも言うべき存在で、我々大和民族が大陸より入植するより前から、この日本に住んでいた土着の民族である。

その詳細に関しては、あらゆる書籍等で・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

であるからして、つまり我々人類の歴史とは漂白の歴史に他ならぬのではないか?と私は常々考えている。

時は過ぎ文明の恩恵に最大限あやかる我々現代人でも、鉄馬に跨り古代の香り残す地を巡れば、個人が覚えていなくても、その体が、細胞が、DNAが、刻み込まれた記憶を思い出すのではないだろうか。

 

きりよく自分のワンマン思考にケリがついたところで、ついに最終目的地である渡瀬温泉 大露天風呂に到着した。

 

                        

 

お決まりのポーズで、その年代の古さを露見してしまっているオガッチではあるが、実はこの時、既に死に掛けていたという。

気丈にも元気に振舞うその姿は、どこか哀愁を誘い色を失った彼の顔を見るにつけ例えようのない漠然とした不安に襲われ泣きたくなったりした。

 

・・・・が、そこはそれ。

 

私「さすがにでかいっすな~! 和歌山で一番でかいくらい?」

 

ヒーちゃん「いや でかいのなら そら川湯の仙人風呂しかでかいで(笑)」

 

オガッチ「・・・・・・・・・」

 

私「あ そうですな。 仙人風呂にゃかないませんわな。 また、そこも行かなあきませんな。」

 

ヒーちゃん「おやおや 忙しいですな(笑)」

 

オガッチ「・・・・・・・・」

 

温泉を前に浮かれまくっている私とヒーちゃんの後ろを無言でついてくるオガッチ

 

オガッチ「・・・・あかんわ。二人で入ってきて。」

 

私「え?」

ヒーちゃん「あら?」

 

オガッチ「多分、今風呂入ったら出てきた時に動けんくなりそう・・・ここで横になって待ってるわ。」

 

ついにここにきて、風邪がピークに悪化したようである。

勿論、共にここまで鉄馬を駆ってきた同志一名をおいて、自分たちだけ風呂に浸かろう等と考えるなど言語道断。

三人で来たのだから三人で入るのが道理といえよう。

 

ヒーちゃん「・・・んじゃ、ゆっくり入ってくるから、オガッチもゆっくり寝てて」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

私は、あまりの衝撃に失禁しそうになった。

一体どういう神経をしておるのか? この中年青年には友愛がかけておるのではないか?

私は憤懣やるかたないといった面持ちで、この小さく丸い生き物から視線をはずさずにいたのだが、

 

オガッチ「ういっ 横になってるんで、ゆっくり入ってきて。早くでてこんでいいっすよ。」

 

等とオガッチが間髪いれず答えたので、

「・・・・ふむ、まあ本人も変に気を使われるよりは、その方が楽かもしれぬな」

と考え、仕方なく風呂に浸かる事にした。

 

我々は早々と脱衣所にて皮の鎧を脱ぎ去り真っ裸で露天風呂へと直行した。

無論、浸かる前に全身鏡でビルダーポーズを取る事も忘れてはいない。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・心地いい・・・・

 

 

 

秋の高い空と山あいをたなびいて流れる風、目を閉じ視界を遮断すれば、今まで気づかなかった様々な音が耳膜を震わせ・・・・心地よい。

私は日本人である事を心より感謝した。

 

一体どれほどの時間そうしていたであろうか・・・気がつくと少々のぼせ気味になっている自分に気づき湯船からあがる。

見ると、小さな丸い生き物が、トドのように湯船のへりに寝そべっている。

 

・・・・・瞬間、童心に返りいたずらをしてやるのもよいかもな

等と考え色々案を練ってみたのだが、「顔に濡れタオル・・・・ダメだ、逝ってしまう・・ドリフよろしく頭上から洗面桶を落とす・・・・シャレで済まぬな・・・・」

いい案が浮かばぬうちにヒーちゃんが起きてしまった。

 

ヒーちゃん「そろそろあがる? もう結構長い事入ってるで。オガッチもゆっくり練れたんちゃう?」

 

私「そうっすね。ボチボチでましょか。少々うだってきましたわ。」

 

山の景色の写りこんだ風呂の湯面が波紋で揺らぐ。

我々は風呂を背に脱衣所に入り、再度鎧を見にまとった。

 

私「おまたせっす~」

ヒーちゃん「ええ湯やったで~」

 

オガッチ「あ もうでてきたん? わえすっかり寝てたわ・・・・お 何か調子いいかも」

 

私「そら よかった。まだ、こっから帰らないけませんからな。」

 

心の中で、そう語りかけつつ鉄馬の原動機に火を飛ばした。

そう、まだ全工程の半分しか走ってないのである。

これから、もうひとつ寄り道をして、帰路につくのであるが、距離は結構ある為回復しておくに越した事はない。

我々は、ソフトクリームをほう張り糖分を補給してから鉄馬へと跨った。

皮を着込んだ鉄馬駆り達が寄り添う様にソフトクリームをほうばる様は滑稽であったのだろう。

随分と好奇の視線を浴びたが、そんな事は気にしないのが鉄馬乗りの心意気であろう。

 

次は帰りのルートの途中にある「谷瀬のつり橋」に寄る予定である。

日本一長いか高いか 確かそんなつり橋であったと記憶している。

 

さあ、我が愛鉄馬よ いよいよ折り返し地点を通過だ。

最後まで気持ちよく俺を運んでくれよ。

 

 

 

 

 

 

 

                             ・・・・その④ 完結編へ続く・・・・・

 




 

我が自宅前に雄々しくも集まった鉄馬を駆る者達!

 

お互い軽く顔を見合わせる・・・・・・・皆皮を身にまとい完全武装の出で立ちである。

 

もはや後顧の憂いは何も無いといえよう。

 

私「オガッチ風邪の具合どうなんすか?」

 

オガッチ「うん、昨日薬飲んで寝たし、全然楽やで」

 

何とも心強い言葉である。

 

私は、今この瞬間まで、一抹の不安を拭い去れずにいれなかった自分を強く恥じた。

そう、何も心配などいらぬのである。

 

オガッチは鉄馬を駆る者としては、私等よりはるかに長い経験をつみ、そしてより多くの修羅場を潜り抜けてきた言わば古強者、元より新参者の私等が心配せねばならぬ事など何もなかったのだ。

 

ヒーちゃん「・・・・・・? 何? オガッチ風邪引いてんの?」

 

何とも間の抜けた絶妙のタイミングで、このおっさん最年長の鉄馬駆りは問うた。

 

オガッチ「引きかけっぽいんですわ。まあでも大丈夫っすよ。」

 

 

調子伺いも程々に済ませた所で、ボチボチ出立である。

近所のオバチャンが、まるで汚らわしいものを見るような目で窓からこちらを伺っているようだが、この際祝福の見送りと受け止めておく事にするのが吉であろう。

 

低い鉄馬の唸り声で三重奏を奏でながら、目的地 渡瀬温泉向けて我々は走り出した。

 

天気も良く平日の出立であったことから市街地の道路も気持ちよく走れ、私等は思わず緊張感を忘れヘルメット内で歌に興じていたりしたのだが、それぐらいは基本といえよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・だが、選曲が「おお牧場は緑」であったのは内緒だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

程なくして、市街地を抜けいよいよ晩秋の山谷へと鉄馬を乗り入れた我々であったが、ここで簡単にルートを説明しておこう。

といっても、地元の人間しか理解できぬかもしれぬが、もし和歌山県外からツーリングに来られる御仁がいれば、参考にすればよいであろう。

 

ルート42→海南高原抜け金谷町へ→本宮目指し延々山谷の道を駆ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

        

 

 

 

            わかんねえよっ!! って突っ込みは無論受け付けない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし・・しかしである。

もう本当に気持ちいいのである。

どのような言葉を並べても並べつくせぬ程、この時の私は脳内麻薬出っ放しだったのだ。

 

次々に迫り来るコーナーを鮮やかな騎乗技術でクリアしていく三騎。

 

目をやれば、移ろいながら色を変えて行く山々。

 

そして陽光を瞬かせながら反射する清流の躍動。

 

もう全てが、このツーリング行を見事に演出する舞台装置。

 

 

そう・・・そして我々は、この大きな舞台に抱かれて踊る役者なのだ!!

 

 

決してオーバーな表現ではない。これは体験したものでなければわからぬ快感であろう。

はっきりいって、ハクいチャンネエとのセックス麗しい女性との逢瀬より気持ちよいといっても過言ではないであろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

          

 

 

 

 

 

 

 

 

                 

                  言い過ぎました・・ごめんなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まあでも、とにかく言い過ぎるくらい気持ちよいと言う事なのだ。

我が愛鉄馬の調子もすこぶるよく、軽くアクセルを開けば、心地よいいななきと共にグッと未体験の速度域に私を乗せてくれる。

 

「実に良いものを手に入れた」

 

この先それこそ幾万回と友人知人に聞かせる事になるであろう言葉を、すでにこのとき頭の中で、ただひたすらに反芻していた。

 

そうこうしている内に最初の休憩地点にたどり着いた。

道の駅のようなたたづまいのPAである。

簡素な公衆厠と小さなみやげ物屋が、これまた小さくまとまって並んでいる。

程よく膀胱から尿意を告げられていた私は、鉄馬を厠の前に停めた。

 

厠にて用を足し、表に出てみると・・・・・

 

私「あら? オガッチ? ヒーちゃん?」

 

付近に同志達の姿が見えなかったのである。

さてはみやげ物屋にて、めぼしい試食品でも食い荒らしておるのかと、うすら寒い憶測をたてていたのだが、何の事はないすぐに見つかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                     

                     ・・・あ、あんたねえ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作り物の馬二頭に跨り、童心に返って夢中で遊んでいるのは、風邪気味を押して鉄馬駆りとしての心意気を見せたオガッチである。

そもそも、こんな所に意味不明な作り物の馬二頭を置いておく製作者の意図も図り知れぬが、そんなものでお約束のような遊びに興じるオガッチもいかがなものであるか?

 

・・・・・ともすれば、この息の詰まりそうな現代社会の荒波の中で嫁と二人の子を養う男には、私等が想像も出来ぬ深い歪みが生じているのかも知れぬ。

しばらくは、笑顔で眺めておいてやろう。

 

・・・・・・と、ふと馬の足元を見やる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              

 

 

 

 

               注 跨って遊ばないで下さい。壊れています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嫌がるオガッチを慌てて馬から降ろし、

 

私「まあまあ、まだこれから鉄馬に跨って走らなあかんのやから・・ね?」

 

等と、むくれる中年パパをなだめすかす。

 

ヒーちゃん「・・・・・・? 何? どしたん?」

 

このおっさん青年は本当に幸せ者だな 将棋で勝者側の手駒であったにもかかわらず最後まで使われなかった歩のようであるな。

等と失礼な例えで一人にやけたりした。

 

思い思いの休憩を済ませ、再度鉄馬に跨る。

目的地はまだ先である。

 

 

 

 

 

 

 

 

                                   その③へ続く・・・・・・・・