帰省中の実家にて
私の祖父に下の子の鉛筆の持ち方を指摘される
「鉛筆の持ち方は
ちゃんと親が教えなきゃいけない
こんなんではだめだ」
と険しい顔で
強い口調で言われた
祖父は昔からそうだ
黙々と塗り絵をしていた娘の手が止まる
私と娘を批難されたと感じて
言葉を返す
「今は塗り絵をすることを楽しんでほしい
自由に描いてもらいたいから
指摘しないできた」
「それではだめだ」
と祖父
娘が色鉛筆を持つ度に注意
一時は直るがまた同じ持ち方
「最初に教えないのがだめだったんだ」
何度も何度も言われた
たまらず言葉が出る
「昔は家庭のなかに
子どもを見る大人がたくさんいた
でも、うちは核家族
夫もほぼ家にいない
一人で全て見ている
全部完璧になんてできない」
昨日のやり取りが引っ掛かる
「教えてくれてありがとう」
そう素直に言えたら良かったな
あの言葉は祖父の私たちに対する
愛情からくる言葉だったはず
祖父は昔からそういう人だった
険しい顔しながら
私たちに色んな事を教えてくれた
柔らかい表現なんてしない人
言葉は厳しくても
行動は優しいのだ