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情報は自分で習得し、自分で判断する

笑韓しながら世界経済について勉強中。晴れた日はランニング、雨の日は読書が趣味なオッサンです。

「三権分立」→「三権序列」 韓国社会に忍び寄る人民民主主義の影【コラム】

 

 権力分立240年史に「三権序列」の概念は存在せず
 自由民主主義の価値を当然視してきた韓国人に李大統領の憲法認識は思いがけない不慣れなもの

 
 自由民主主義的価値を空気のように当然と考えてきた韓国人にとって、李在明(イ・ジェミョン)大統領の憲法認識はなじみがなく、意外なもので、当惑してしまう。
 9月11日の記者会見で李大統領は、国家権力には「序列がある」と言った。三権は同等ではなく、選出権力である立法府の序列が行政府・司法府より上だと言った。李大統領は、司法は「立法府が設定した構造」に従うべきだとも言った。国会が特定事件の裁判部の構成方式を任意に決めることができる、という意味だと読める発言だ。三権分立と司法の独立性に対する通念を覆す、憲法解釈の一大転倒だった。
 
【AI合成画像】「李在明大統領兼大法院長兼共に民主党総裁」
 
 権力分立の240年史において、序列の概念は存在したことがない。1787年の米国建国憲法以降、あらゆる民主主義憲法がこの原則を導入したが、立法・司法・行政に優劣の順位を付けた国はなかった。三権分立は相互けん制の装置だ。ここに序列を付けて位階構造をつくった瞬間、上位権力が君臨して独走する危険性は避けられなくなる。だから三権を同等に並立させるという、民主主義最高の仕掛けが考案された。
 この「けん制と均衡」のシステムが韓国の民主主義を守ってきたことを毫(ごう)も疑わなかったから、李大統領の認識は生硬だとしか思えなかった。
 

 「三権序列」は、それ自体、民主主義と両立不可能だ。ところが、この概念を導入した「僭称民主主義」体制がある。中国式の人民民主主義だ。

 中国憲法は、共産党の支配下に立法・司法・行政を編制するに当たって序列を定めた。議会に相当する全国人民代表大会が国務院・人民法院を傘下に置き、行政府・司法府の首長を任命すると定めた。三権を同等と見なさず、上下関係に置いたのだ。権力は人民から出てくるもので、従って人民の選出した議会が上位、という論理だ。李大統領の語る「選出権力優位論」と相通ずる。

 

 序列が低いのに司法の独立性が堅固ということはあり得ない。中国憲法133条は、最高人民法院が「全人代および全人代常務委の前で責任を負う」とくぎを刺した。司法が選出権力に従属するということを憲法の条項で明文化したのだ。

 李大統領も、司法は「政治から間接的に権限を受け取ったもの」とし、国会の決定に隷属するという趣旨で語った。「内乱特別裁判部」に関する答弁で出てきた発言だから、個別の裁判部の構成に政治が介入し得るという意味だろう。

 司法の独立性は、自由民主主義か人民民主主義かを分かつ妥協不能の絶対的な基準だ。驚くべきことに、李大統領の認識には後者の要素が混じっている、との印象を与えるものだった。

 

 今、進歩(革新)系与党「共に民主党」が押し付けている検察改革法案は、中国式の「人民司法」制度と似た骨格を有している。中国は、主要国の中ではほぼ唯一、捜査と起訴をナイフで断ち切るように分離し、全ての捜査を公安、すなわち警察が独占するようにしている。検事の捜査権はもちろん、捜査指揮権も認めていない。事件の終結権も公安にある。公安が終結処理をしたら、それで終わりという意味だ。

 共産党が公安を通して司法捜査をコントロールするのが、中国式のシステムだ。2018年には、公職者捜査専担機関の「国家監察委」もつくった。およそ2年後に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権も、検察の捜査権を切り取って「公捜処」を設立したから、偶然にしては奇妙だった。

 

 中国が徹底して検察の力を奪ったのには、歴史的な流れがある。文化大革命の狂風が吹き荒れていた1966年、「4人組」の江青が紅衛兵に対し「公安・検察・法院を叩き壊せ(破爛公検法)」と扇動したのが始まりだった。司法機構が「資本主義のもの」だという理由だったが、その中でも「資本主義の司法」の象徴である検察が中心的な標的になった。各級の人民検察院が閉鎖され、検事たちは農村・工場へ下放された。1975年には憲法を改正し、検察制度そのものを廃止した。その後、文化大革命に対する反省で検察を復活させたが、捜査権は全て奪った。今の中国の司法システムは、共産革命イデオロギーの産物というわけだ。

 

 中国の公安は共産党の支配を受ける組織だ。検察の「司法的」けん制ではなく、党の「政治的」統制で維持されるのが中国式の公安システム。韓国の民主党もまた、検察の捜査権・指揮権をはく奪し、政治的な口出しから自由ではあり得ない「国家捜査委」を首相の下に置いて捜査機関を監督させようとしている。中国と類似した構造でいこうというのだ。

 

 民主党には、裁判所の独立性を尊重する考えも全くないとみられる。大法院長(最高裁長官)に向かって「そんなに大したものか」と嫌味を言い、「国会が(裁判部の割り当てに)ちょっと関与したいのだが」うんぬんという発言すらためらわない。なにか言うたびに「国民の意向」を掲げる民主党の「選出権力優位論」は、暴走に暴走を繰り返している。国会の多数党が思い通りにできるというその傲慢(ごうまん)さからは、どうしても、人民民主主義式の「党主導」体制が連想される。

 

 民主党が中国モデルをベンチマークしたとは信じたくない。しかし参考にしていようとしていまいと、結果は同じ。権力分立を否定して司法権を政治に隷属させる「人民司法」は、中国を法治・人権の後進国にした。「内乱清算」を掲げる民主党の司法揺さぶりも、同じ道を歩むのだろうかと恐れるばかりだ。

 

 

 今年の韓国流行語大賞にノミネートされるであろう新語『三権序列』www

 

 まあ、キミらは自由民主主義というものを理解することが出来なかったということだろうねぇ~。

 

>共産党が公安を通して司法捜査をコントロールするのが、中国式のシステムだ。2018年には、公職者捜査専担機関の「国家監察委」もつくった。およそ2年後に韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権も、検察の捜査権を切り取って「公捜処」を設立

 

 これは知りませんでしたよ!

 

 トラオくん肝いり政策であった「公捜処」設立も宗主国様をベンチマークしたものだったとは!?

 

 ビックリ!!

 

>民主党が中国モデルをベンチマークしたとは信じたくない。

 

 与党「共に民主党」は、検察を解体し、司法まで傘下に収めようと法改正に勤しんでます。

 

 彼らの脳内は、左派らしく「心の師」である宗主国様に追いつくことが理想なんでしょうね。