中国恒大の危機 PART23 市場が動揺しない理由 | 情報は自分で習得し、自分で判断する

情報は自分で習得し、自分で判断する

笑韓しながら世界経済について勉強中。晴れた日はランニング、雨の日は読書が趣味なオッサンです。

中国恒大デフォルトの可能性 市場はなぜ動揺しない?

 
 巨額の債務を抱えて経営難に陥った中国恒大集団の社債の利払い期限が切れ、債務不履行(デフォルト)になった可能性が取り沙汰されている。市場はなぜ動揺しないのかなど3つの基本的な疑問点をまとめた。
 
 ・デフォルトは誰が決める
 ・金融市場が動揺しないのはなぜか
 ・債務再編、今後の流れは
 

(1)デフォルトは誰が決める

 デフォルトは債券の利払いや償還が約束通りに行われない状態を指す。恒大の社債の発行条件には「イベント・オブ・デフォルト」として、デフォルトの定義が細かく記載されている。今回該当したとみられるのが「支払期日が到来した債券の金利の支払いが不履行となり、その不履行が連続して30日間継続する」という条項だ。通常は当該企業が発表するか、格付け会社が認定することでデフォルトと周知される。

 恒大はグループ会社が発行した米ドル債の利息8249万ドル(約93億円)を期日の11月6日までに支払わず、30日間の猶予期間に入っていた。日本時間の7日午後に猶予期限が切れたが、複数の報道によると恒大は利払いを実行していない。

 8日午前時点で恒大は何も発表しておらず、格付け会社もデフォルトとは認定していない。日本では手形の不渡りを半年間で2回起こすと銀行取引停止処分を受け、多くの企業は通常の営業が難しくなるが、中国で同様の慣行はない。恒大は事業を継続し、香港取引所でも株式の売買が続いている。

 外部からは判断しづらいが、米格付け会社S&Pグローバルは7日、「恒大のデフォルトは避けられないように見える」と指摘している。金融市場では恒大のデフォルトは既定路線だ。

 人民元債については中国の格付け会社、中誠信国際信用評級が7日、恒大と同社が発行した社債の格付けをシングルAからダブルBに引き下げることを決めたと発表した。「財務上の責任を履行する可能性が低く、返済の不確実性が非常に大きい」としている。

 

(2)金融市場が動揺しないのはなぜか

 8日の香港株式市場で恒大の株価は前日比5%超下げて上場来安値を更新したものの、相場全体への影響は限られた。恒大の信用不安が「中国版リーマン・ショック」とも言える世界的な金融危機を招くとの見方は減ってきた。

 

 すでに恒大の株価は昨年末比90%近く下落している。社債も額面の20%台と、デフォルトを前提とした取引が続いている。恒大の米ドル債の投資家はハイイールド(高利回り)債ファンドなどが多く、金融システムに与える影響は限られている。市場参加者の関心はすでにデフォルトの有無から、債務再編の具体的な中身に移りつつある。

 中国当局が恒大の問題に全面的に関与する姿勢を見せている点も大きい。地元の広東省政府は3日、恒大に監督チームを送り込むと発表した。同省の政府系企業幹部が共同責任者に就くリスク管理委員会の設置も決まった。

 中国人民銀行(中央銀行)は企業の資金繰りを支えるため、市中銀行から強制的に預かるお金の比率を示す「預金準備率」を引き下げると発表し、金融緩和に乗り出した。市場参加者は「恒大は個別のケースで、金融市場全体に波及する可能性は小さい」と受け止めている。

 

(3)債務再編、今後の流れは

 恒大は外貨建て債務再編に向けて債権者と協議に入ると発表した。中国政府の全面関与のもとで、取引先の連鎖破綻などを避けつつ軟着陸を探るとみられる。

 中国当局は社会不安を避けるため、住宅購入者への物件引き渡しや、取引先への代金支払いなどを優先する意向とみられる。ドル建て社債の保有者は元本毀損が避けられず、債務再編の内容次第では反発を招く可能性もある。合意形成には時間がかかるとの見方が多い。

 海外債権者との債務再編協議がまとまらない場合、企業破産法を適用し、法的整理に移行する可能性がある。その場合、銀行や人民元建て債券の保有者のほか、恒大の債務の約半分を占める取引先が債権カットの対象となる可能性がある。さらに住宅購入者にまで影響が及ぶ可能性もある。

 米ジェフリーズは「中国政府が恒大を救済する可能性は低い」との見方を示す。市場全体への影響を抑えつつ、経営者の責任追及や事業の大幅縮小などを進めるとの見方が有力だ。

 

 

>通常は当該企業が発表するか、格付け会社が認定することでデフォルトと周知される。

 

 昨日、お伝えした通り、中国恒大が猶予期間を過ぎても利払いしていないのだから、本来ならデフォルトなんだよね。

 

 ただ、正式な発表?がないだけ。

 

>中国人民銀行(中央銀行)は企業の資金繰りを支えるため、市中銀行から強制的に預かるお金の比率を示す「預金準備率」を引き下げると発表し、金融緩和に乗り出した。

 

 もともと、市場はデフォルト確定を想定しており、今更驚くことでもないので動揺してない。

 

 人民銀行が介入していることで、連鎖破綻などを避けつつ軟着陸するだろうと予想しているようだね。

 

 もちろん、中国内では不動産バブルがはじけるだろうけど。
 
 日本のバブル崩壊時のように、国際的には大きな影響はないけど国内景気が悪化するということかな?
 
>海外債権者との債務再編協議がまとまらない場合、企業破産法を適用し、法的整理に移行する可能性がある。
 
 すでに、市場は債務再編の行方に注目しており、海外債権者との協議が失敗すれば法定管理になるということだね。
 
 そうなると、取引先や住宅購入者への影響が大きくなり、中国政府への風当たりも強くなるだろうから・・・
 
 キンペイくんがどのように処理するのか、注目だね。