ファーウェイ包囲網 PART15 米国禁輸措置強化! | 情報は自分で習得し、自分で判断する

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米国の対ファーウェイ禁輸措置と台湾TSMCの半導体工場誘致の深層

 

 米中技術覇権の主戦場である半導体を巡る米中の綱引きが激化している。中国を半導体の供給網(サプライチェーン)から分離する米国の戦略は確実に進展している。

 5月15日、世界第1位の半導体ファウンドリーである、台湾の台湾積体電路製造(TSMC)が米国のアリゾナに最先端の半導体工場を建設する計画を発表した。米国の連邦・州政府からの支援を受けて総額約120億ドルを投じ、2021年から建設を始める計画だ。TSMCを巡って米中が工場誘致に激しい綱引きを演じていたのは周知の事実だ。

 確かに米国の半導体大手のブロードコムやクアルコムはいずれもファブレス企業で量産工場を持っているわけではない。インテルの生産だけでは心もとない。半導体生産の受託製造(ファウンドリー)の最大手TSMCの量産工場を誘致することは生産面で大きな意味を持つ。ただし米国だけでの自給自足は無理だ。半導体のサプライチェーンを見ると、日本の部材メーカーや日米欧の製造装置メーカーからの供給も含めたエコシステムとして成り立っている。中国との関係では、日米欧でサプライチェーンを押さえておくことに意味があるのだ。

日本企業にも影響、ファーウェイへの禁輸措置の強化

 TSMCの米国工場の建設計画発表された5月15日、米国は中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)に対する事実上の禁輸措置の強化を発表した。まさに同じタイミングでの発表だけに、TSMCの工場建設と取引するのではないかとのそれまであった臆測も一蹴するものであった。

 昨年5月から米国製品のファーウェイへの事実上の禁輸措置を講じているが、韓国のサムスンや台湾のTSMCといった半導体メーカーを通じて半導体が輸出され続けていて問題視されていた。

 米国の技術やソフトウエアが使われている割合が25%以下である外国製品は規制対象外という「25%ルール」が“抜け穴”になっていると見られていた。25%以下であっても、米国製の製造装置や米国企業がデザインしたソフトウエアを使って作られたものであれば米国政府の許可が必要で、原則許可されず、事実上輸出できなくなるという規制がある(直接製品ルール)。今回の規制強化は、ファーウェイ向けの輸出製品にもそのルールを適⽤したのだ。

 韓国のサムスンや台湾のTSMCは、米国の規制対象となっている米国企業のアプライドマテリアルズの製造装置やクアルコムのデザインしたソフトウエアを使って半導体を製造し、ファーウェイに輸出している。これが事実上ストップすることになるので、ファーウェイにとってスマホや通信基地局の生産に大打撃だ。

 ただ、一部に「米国製の製造装置などで製造した半導体などを今後はファーウェイに輸出できなくなり、大変だ」と騒ぐ向きもあるが、これは規制内容を誤解したものだ。今回の規制強化がピンポイントで限定されていることも注意して見る必要がある。すなわち、「ファーウェイ・グループの開発した技術・ソフトウエアに基づく製品」であることが前提であり、典型的なのはファーウェイ傘下の半導体設計のハイシリコンから委託を受けて生産した製品だ。いわゆる汎用品の半導体は規制対象外とされている。産業界からの慎重な規制を求める声を受けて、相当緻密な規制になっているようだ。その結果、今回の規制強化による実際の影響がどこまであるかは精査が必要だ。

 今回の規制強化を受けて、「TSMCがファーウェイからの新規受注を停止した」との報道もあるが、これも上記の“受注”生産に限定したものだ。

 日本企業にとっても他人事ではない。ファーウェイに半導体や電子部材を供給している日本企業は20社にも及ぶが(公表されているのは11社)、中にはこのルールに引っかかる取引もあるだろう。さらにサムスンやTSMCに半導体の部材を供給している日本企業にも、間接的に影響が波及してくる。

米中の半導体戦争は泥沼化か

 前述の“抜け穴”については昨年来、議会も含めて問題視され、これを防ぐための措置が議論されてきたものだ。新型コロナ騒動以前には、一時25%を10%に引き下げて規制強化する案もあったが、トランプ大統領自身が拒否した経緯もある。議会はむしろトランプ大統領がファーウェイへの制裁を中国とのディールに使って安易に譲歩することを懸念しているぐらいだ。

 したがって今回の規制強化はトランプ大統領による“気まぐれ対中強硬策”ではなく、根深く、じっくり検討されたものと見るべきだ。

https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00133/00035/?P=1

 米国がファーウェイに対する規制強化を発表しましたね。

 トランプ政権が反中であることは有名ですが、米議会では民主党議員も強力に反中議案を推し進めてますから~。

 コロナ問題で米国民の大半も中国に対する嫌悪があるようですし、例え次期大統領選でトランプくんが負けてもこの流れは変わらなそうですね。