シン :「今日は、仲直りのセレモニーだろ?」
チェギョン :「セレモニーといえば・・・。大韓民国!チャッチャッチャチャチャ」
そういいながら、チェギョンはシンの部屋を出て行きました。
しばらくして・・・。
シン :「とんとん・・・。」
チェギョン :「シン君?!どうしたの?」
シン :「・・・お腹がすいた・・・。」
チェギョン :「え?!お腹がすいたの?」
シン :「今日は朝から何も食べていないし、さっき、もどしちゃったし・・・。」
チェギョン :「でも・・・、食べるものなんてここにないわよ・・・。コン内官は?」
シン :「ラーメンが食べたい。」
チェギョン :「は?ラーメン?インスタントの?」
シン :「卵入り辛ラーメン・・・。」
チェギョン :「ここ(宮中)にそんなのあるの?」
シンは、しらないというように頭を横に振りました。
チェギョン :「もう・・・とにかく、コン内官に聞いてみるわ。」
チェギョンは、携帯で、コン内官に電話しました。
チェギョン :「もしもし、コン内官?チェギョンです。ちょっとお聞きしたいんですけど、ラ
ーメンってありますか?
・・・えぇ、シン君がお腹がすいたから食べたいって・・・。
えぇ・・・わかりました。待ってます。」
チェギョンは携帯を切りました。
チェギョン :「とにかく、今来てくれるから・・・。
どうして、ラーメンなの?まったく・・・。」
チェギョンはあきれていました。
シンは、お腹を押さえて、うつむいています。
コン内官 :「殿下、何か召し上がりたいと・・・・。何を?」
シン :「ラーメン・・・。」
コン内官 :「ラーメン?」
チェギョン :「ほら、ラーメンなんて、ないのよ・・・。」
コン内官 :「卵入りのですか?」
チェギョン :「え?!どうしてコン内官が知っているの?私が作ったラーメン・・・。」
コン内官 :「タイで、殿下が食べたいとおっしゃって・・・」
シン :「あれなら、すぐに出来るだろ。お前が作れるくらいだから。」
チェギョン :「何よ!あれはあれで、難しいのよ!水加減とか、タイミングとか・・。
そんなこというなら、自分で作れば!」
チェギョンは、ぷいっとそっぽを向きました。
シンはしまったという顔で、うつむきました。
コン内官 :「妃殿下様がおつくりになるラーメンは、美味しいのでしょうね。
殿下もお気に召していらっしゃるようです。
もう、料理人もおりませんので、殿下のために、お願いできませんか?」
シンは、顔を上げて、コン内官をみました。
コン内官は、優しく微笑んでいました。
チェギョン :「コン内官のお願いなら、聞かないわけにはいかないわ。」
チェギョンは、シン君の人形にむかって言いました。
チェギョン :「私が作った、ラーメンが食べたいなら、素直に作ってくれって、言えばいい
のに!まったく!」
シンは嬉しそうに微笑みました。
チェギョン :「ところで、肝心のラーメンってここにある・・・?」
チェギョンはコン内官に聞きました。
コン内官 :「はい、妃殿下様、先日中国の大使から頂いたものが・・・。」
チェギョン :「え?!違う違うわ。
インスタントラーメンよ。鍋一つで作れるやつよ。」
コン内官 :「インスタント?」
チェギョン :「はぁ~・・・、コンビニなら売ってるのに・・・。」
コン内官 :「今から出かけられるのは、おやめください。」
シンはうつむいたままでした。
コン内官 :「殿下、他のもので・・・。」
チェギョン :「そうだ!ちょっと待って!携帯携帯!」
チェギョンは、携帯をかけました。
チェギョン :「もしもし、お父さん。私、チェギョンよ。
そうそう、それより、休憩室にラーメンある?
辛ラーメンよ、辛・ラー・メ・ン!
あるの?!
わかった。ありがとう。うんうんじゃぁあね。」
チェギョンは携帯を切ると、得意そうにシンに言いました。
チェギョン :「シン君!待ってて!!とびっきり美味しいの作ってあげるから!
コン内官、行きましょう!」
チェギョンは、コン内官を従えて、部屋を出て行きました。
シンは、フラフラと自分の部屋へ戻っていきました。
シンはアルフレットとチェギョンを待つことにしました。
しばらくして・・・
チェギョン :「コン内官、早く早く!伸びちゃう・・・。」
コン内官 :「妃殿下様、ちょっとお待ちを・・・。」
チェギョン :「シン君~。お待たせぇ~。」
チェギョンと、コン内官が、ワゴンにラーメンとご飯を乗せて、戻ってきました。
チェギョン :「さぁ、シン君!召し上がれ!」
『ぐぅ~』
チェギョン :「やだ、シン君、お腹がなってるぅ~。」
シン :「チェギョン、早く・・・。」
チェギョンは、テーブルにラーメン、そして、シンに箸を渡しました。
シン :「いっただきま~す。・・・ズルッ、あつ!」
チェギョン :「シン君、熱いから、気をつけて・・・。おいしい?」
シン :「よく言うだろ、『空腹は最高のスパイス』って!
お腹がすいてたから、何でもおいしい!」
チェギョン :「は?なんでもって・・・。食べたいってあんなに言うから作ってあげたのに!
なによ!!」
チェギョンは、フンとそっぽを向きました。
コン内官 :「殿下、今までは、食べたいものを伺うと決ってドーナツでしたのに・・・。
やはり、妃殿下様の作られた、愛情いっぱいのラーメンは美味しいですか?」
チェギョン :「ドーナツ?」
チェギョンは、ヒョリンが作った、美味しそうなケーキを思い出しました。
今までは、ヒョリンが作ったドーナツだったのかと思うと、チェギョンは寂しくなりました。
2.ドーナツ