敦賀から小浜線の電車に揺られた。2019年2月。

小浜線というより「小浜」の関心はネットでも高い。北陸新幹線のルートに決まったからである。もともとのルートであり、当初は新大阪へ直接繋げる予定だったと思うが、京都を通るようになった。

決まったのは目出度いし、ネットで議論してもしょうがない。しかし、開業の見込みがはるか先になるらしい。京都を通ることで財源の問題も大きくなるからだろう。財源以外にもいろいろ議論があるようだ。

若狭の沿線はどうなのだろう？前に乗った時は早期開業をアピールする看板は車窓からは見えなかった。

今回は小浜の手前の南川を渡る堤防の土手にあった。看板一枚に1～2文字の堂々たるもの。某所にあった「列車のトイレ垂れ流し反対」看板に匹敵する。

いよいよ盛り上がってきたのだろうか？

それが気になって小浜下車。観光案内所やJRバスのりばもある昔ながらの旧家のような駅。しかし、北陸新幹線の文字は見あたらない。

とりあえず海のほうに向かってみる。知らない街に降りたって、そこが海辺ならばいつもそんな感じ。

海に近づくにつれ、新しく大きな建物が目につくように。観光案内のカウンターがあったので、いきなり北陸新幹線について尋ねてみた。

～小浜の人はどうでしょう？

「そりゃあ、みんな期待してますよ。なにしろ京都まで19分ですから」

～街の中は静かな感じ。

「まだ先ですからねえ。普段の生活の道路の整備に関心がいってます。新幹線は用地の件もまだですし。だいたい年寄りは生きてるうちには無理と諦めてますもん。しかし、京都まで19分ですから完成したら提灯行列です」

地元は期待しているそうだ。それを聞いて辞す。

新大阪方面のサンダーバード号の代替新幹線だけでは荷が重いインフラかもしれない。

しかし、レジャーやリゾートという新しい需要は生まれるかもしれない。大阪や京都のみならず広域から海の幸や温泉を求めて若狭や北陸へ。さらにはその先の信州へ速達できる。この効果は大きいが東海道新幹線のライバルともなる懸念もあるだろう。

せっかくなので、海辺に出て、鯖寿司をゲットした。身が厚く当地ならではの逸品である。

京都まで19分。かつての鯖街道、鯖や塩を運んだ人はどう思うだろう…。

小浜京都ルート