五大老の剣 | げむおた街道をゆく

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信長の野望、司馬遼太郎、大河ドラマが大好きです。なんちゃってガンダムヲタでもあります。どうぞよろしく。

 

windows版・戦国立志伝で、歴史イベントを作成して楽しんでいます。

 

 

 

 

イベント名:五大老の剣

 

シナリオ:なし

繰り返し:なし

イベント概要:天下人・秀吉と、五大老の剣。

 

結果:なし。

条件:発生年月1586年12月一致。

 

 

 

[ 内容 ]

 

 

背景表示:城内座敷2

BGM再生:猛虎伏草

 

 

刀の事について挿話がある。

 

秀吉が伏見城にいたころ、ある日、大広間に出るべく廊下を渡っていた。

 

途中、一室があり、そこに五腰の刀が置かれていた。

 

 

豊臣秀吉 「・・・。」

 

豊臣秀吉 「たれの持ち物か、あててみようか。」

 

 

前田玄以 「おや。どの刀がどなたのものか、おあてあそばすというのでござりますか。」

 

 

置かれている部屋の性質からみて、豊臣家における最も高貴な大名たちの物に違いない。

 

登城している顔ぶれから察すれば、

 

内大臣・徳川家康

 

大納言・前田利家

 

中納言・毛利輝元

 

中納言・上杉景勝

 

中納言・宇喜多秀家

 

 

豊臣秀吉 「されば、当てるぞ。」

 

 

秀吉は、指を上げ、次々とその刀の持ち主を言い当てたが、一つとして外れなかった。

 

玄以は、さすがに驚きたずねた。

 

 

前田玄以 「どういう訳でございます。」

 

 

豊臣秀吉 「なんの、しさいはない。」

 

と、秀吉は種を明かし始めた。

 

 

豊臣秀吉 「まず、江戸殿(家康)の刀を見よ。如何にも素っ気ない拵えである。」

 

豊臣秀吉 「江戸殿は大勇にして、一剣を恃むような葉武者の心がない。さればあれである。」

 

豊臣秀吉 「加賀(利家)は又左衛門といった昔から大の武辺者で、先陣後殿の武辺は数えきれないほどである。」

 

豊臣秀吉 「あの柄に皮を巻いた武骨な刀こそ彼の物であろう。」

 

豊臣秀吉 「安芸中納言(輝元)は、その身のかざり、異風を好む。さればあの風変りなこしらえの刀こそ彼の物に違いない。」

 

豊臣秀吉 「上杉景勝は亡父謙信の遺風によって馬上の剣技を学び、自然長剣を好む。あの寸の伸びた刀は彼の物でなくてはなるまい。」

 

豊臣秀吉 「宇喜多秀家は、何事も美麗を好む。それゆえ、あの黄金を散りばめた刀こそそうであろうよ。」

 

 

前田玄以 「神智におわしますことよ。」

 

と、前田玄以はこの挿話を殿中に言い広めた。

 

人間の心理を見抜く天才の秀吉。彼にしてみれば、これくらいの事は造作もない事であった。

 

 

以上、司馬遼太郎 「豊臣家の人々」より。

 

 

 

 

 

 

 

ごきげんよう!