ドラマシリーズとして人気を集めた長岡弘樹原作の「教場」

2020年に第1弾の「教場」、2021年に第2弾の「教場Ⅱ」、

2023年にはその前日譚となる「風間公親 -教場0-」が放送されましたが、

今回初の映画化となりました。

今年1月にNetflixで配信された「教場 Reunion」が前編となり、

本作『教場 Requiem』はその後編にあたります。

(なかなかのメディアミックス手法ですね)

 

物語の展開は、「教場 Reunion」同様に、

生徒にフォーカスをあてたストーリーが大きく3つ展開され、

その1つ1つを解決していくにあたり、

前作からの伏線が回収されていくという気持ちいい流れ。

 

これらの展開を縦軸だとすると、

出所した十崎による風間への復讐劇への展開が横軸で描かれています。

 

この風間への復讐を阻止するべく、

風間の教え子達が集結するのが、何とも激アツで、

豪華なキャスティングは映画版ならではと思わせます。

(しかしながら、キャスティング以外は、特別映画ならではの舞台が用意されてるわけでもなく、

映画にする必然性がさほど感じられなかったのは、少し残念に思いましたが)

 

かつての物語から、

警察学校を“警察官として適性のないものをふるいにかける場”と風間は言っていましたが、

今作では、“再生の場”でもあると述べています。

これこそが、この教場のテーマでもあり、

最も心に残るシーンでもありました。

卒業式で生徒である門田は、“自分が何者かを知るところ”と答えているあたり、

警察学校の解釈は、様々な人間性や人生観、経験などで変わっていいということなのでしょう。

 

また、ミッドクレジットシーンでは、生徒の渡部が風間にプレゼントした絵が登場します。

その絵は第205期生の面々が右目に映った風間の似顔絵ですが、

彼が見つめ、向き合っていたのは、いつでも生徒たちのことだったのだということを表したものです。

 

そしてラストは、盲目になった風間が教壇に立つシーンで終わります。

彼は十崎によって左目の視力を失いましたが、

その後何らかの病気で右目の視力も失ったのでしょう。

前作からの伏線もこの最後に回収されたことになります。

視力を失っても、風間は警察学校で教官として生きていきます。

彼には心の目がありますから。

 

6年に渡って描かれたこの物語は、これにて一旦終了。

しかしながら、先月には、原作シリーズの最新刊となる「教場Ω(オメガ) 刑事・風間公親」が刊行されました。

こちらは風間の新人刑事時代と十崎との出会いが描かれているそうですが、

映像化の続編はあるのでしょうか?

まだまだ楽しみは続きそうですね。

 

 

3月11日 それは東日本大震災があった日

あれから今日で15年が経ちました。

 

私は直接の被災者ではありませんが、阪神大震災の被災者でもあるので、

このテーマで備忘録的にブログに残すことにします。

 

15年前の今頃は、私の仕事は名古屋のアイドルSKE48のマネジメントと運営に大忙し。

既にチームは3チームありましたが、それぞれチームに分かれて全国ツアーの真っ最中でした。

 

私は当時のチームEと同行し、海を渡った香港でライブの準備を進めていました。

ライブは3月11日の夜。

当日午前中にリハーサルを済ませ、遅めのランチでスタッフと共に飲茶をいただいていた最中、

お店の中のTV映像に津波で押し流される映像を目の当たりにしました。

海外にいたこともあり、まさか日本でのこととは思わず、

ドラマか映画の1シーンではないかと目を疑いました。

その後、妻や会社に電話してもなかなかつながらなかったのですが、

ライブが終わった1時間後くらいにようやく事態を集約することができました。

 

もちろんチームEのメンバー達は一緒に香港にいるので無事です。

加えて、AKB48の選抜に選ばれているメンバーは、

「Everyday カチューシャ」のPV撮影でグアムにいたのでもちろん無事でしたが、

震災のニュースが現地にすぐには届いておらず、

SNSで現地から脳天気な投稿をUPしたことによりネットが炎上。

投稿削除や謝罪にも追われました。

 

最も心配だったのは、前日仙台でライブを行ったチームが、当日札幌に移動することになっており、

その安否確認がなかなかできなかったことでした。

メンバーの親御様からも怒涛の問い合わせがあり、事務所スタッフも大混乱。

結果、前日移動していたことが判明し、メンバー&スタッフ全員の無事が確認できたのが、

日本時間の18時頃でした。

 

私は、香港にいながらにして、全国に散らばっているスタッフ及び東京と名古屋のオフィススタッフと連絡を取り合いながら、

都度都度前例なき回答を見つけては指示を出し続けていたことを、今でもはっきりと覚えています。

その時、日本から離れていたとはいえ、それなりに冷静に判断できたのは、

私自身が阪神大震災での経験があったからかもしれません。

 

あれから15年。

こんな話も徐々に風化していくことでしょう。

しなしながら、地震大国の日本に住んでいる以上、

この問題から目を背けては生きていけません。

 

自然被害から何を学び、何を伝えるのか。

それは様々な経験をしてきた大人達のテーマでもあり、

宿命でもあります。

 

災害などなく、みんな平和で平穏な毎日が過ごせればいいなぁ。。

 

あらためて震災で命を落とされた方のご冥福をお祈りいたします。

 

 

稀代のミステリー作家東野圭吾作品が初のアニメーション映画となった『クスノキの番人』

 

東野圭吾作品といえば、「ガリレオ」シリーズや「ブラック・ショーマン」、「新参者」の加賀恭一郎シリーズや、「マスカレード」シリーズなど、キャラクターが立ちながらも、謎解き要素が高いサスペンスジャンルの作品が数多く実写化されてきましたが、

今作は少し路線が違うファンタジー的な作品で、じわっと胸が熱くなるハートフルなヒューマンドラマとなっています。

 

一言でいうと、クスノキの番人という不可思議な職業に身を置くこととなった主人公直井玲斗の成長物語。

人の気持ちや本心は実写化しにくいという事情もあるのでしょうが、

世界観的にも限られた場所での物語ゆえ、

実写映像にすると、とても地味になるという側面もあったのでしょう。

私もストーリー進行を観ていくにつれ、この作品をアニメ化した理由がはっきりしました。

 

監督は「ソードアート・オンライン」シリーズなどを手掛けた伊藤智彦。

製作は「MASHLE」や「リコリス・リコイル」などでおなじみのA-1 Picturesが担当とあって、

相応のクオリティは担保されており、感情をゆさぶる映像表現は文句なしです。

 

ストーリーに関しては今回のブログでも書きませんが、

一部のシーンで賛否分かれる表現演出があります。

駅のホームで葛藤する玲斗の心情を表現するように、ラップミュージックが流れるのですが、

これがなかなかの違和感で、何もラップに乗せて気持ちを伝えなくてもと思いました。

しかしながら、この前後のトーンをこのシーンだけラップで変えてしまうわけですから、

製作者の意図はそれなりに理解できますし、

作品を観終わってしまうと、全体の完成度を損なうこともなかったかなと感じました。

 

観終わった後の感想としては、一昨年に放映されたドラマ「海に眠るダイヤモンド」のような、

心に深く刺さる熱い感情が残り、とても満足しました。

(実写にしたら、玲斗は神木隆之介、柳澤千舟は宮本信子が演じたらと思うと、ニンマリしちゃいます)

 

いくら血がつながっていても、直接伝えられない思いがある。

言葉にして伝えられない思いを知った時、人は相手の本当の優しさに触れることができる。

そんな人の優しさに触れた時、その人も大きく成長できる。


東野圭吾の奥行きの深さを知るにふさわしい作品となっていますので、

是非ファンの方は劇場に足を運ぶことをお勧めします。

 

 

 

 

2023年に放送されて人気を博したドラマ「ラストマン-全盲の捜査官-」

その劇場版となる『映画ラストマン -FIRST LOVE-』

昨年末に放映されたスペシャルドラマ「ラストマン-全盲の捜査官- FAKE/TRUTH」を事前に見てから観ると、

時系列そのままに楽しめます。

ちなみにこの流れは、一昨年末の「グランメゾン東京」〜「グランメゾンパリ』の流れと同様で、

TBSとして、「99.9 -刑事専門弁護士-』からのメディアミックスの成功事例から継続されている戦略となっているようです。


ドラマシリーズでは、主人公の皆実広見(福山雅治)と護道心太朗(大泉洋)が

血の繋がった兄弟であったことが明らかになるまでが描かれましたが、

このスペシャルドラマと今作はその後のストーリーで、

もちろん他の登場人物も同じ時間をなぞっているので、

それぞれの人間関係も少しずつ進行しています。

 

今作でも二人の凸凹な掛け合いは絶妙で、

まさに兄弟であって最強バディ。

同時に他の登場人物との人間関係もしっかり描けており、

心太朗と佐久良(吉田羊)、皆実とデボラ(木村多江)、泉(永瀬廉)とユン(ロウン)などなど、

時間の経過に伴った関係性の変化が見て取れる演出が秀逸です。


ちなみに「グランメゾンパリ」同様に、新たに韓国人俳優(ロウン)がキャスティングされていますが、

とてもいいスパイスとなっています。

 

今作の重要なシーンとしては、大きく2つ。

そのうちの1つが、アメリカのブリストン大学で、

皆実の大学時代を描いた過去のシーン。

学生時代の皆実を濱田龍臣が、ナギサを當真あみが演じていますが、

2人とも素晴らしい演技を見せてくれています。

 

2つめは、現在のナギサ(宮沢りえ)の亡命をめぐる国際ミッションを

日本の警察と米国のFBIが協力して遂行していくシーン。

国際テロ組織ヴァッファとの銃撃戦もド派手の繰り広げられ、

まさに映画ならではのエンタメに振り切ったシーンとなっています。

 

この2つのシーンを軸に、人間ドラマがうまくかみ合い、

感情移入させながら、緊張感や高揚感を見事に演出していく手法は、

シリーズ通して携わっている脚本家の黒岩勉氏と、監督である平野俊一氏の手腕によるものだと思います。


なかでも、随所に北海道のスーパースターである大泉洋に対して、北海道をディスるようなネタで笑いを誘ったり、

盲目の皆美にサブタイトルである“FIRST LOVE”時代の動画を見せて涙を誘ったり、

暗闇の船上で心太郎に今まで言わなかった“兄貴“という言葉を使わせたりと、

まさに痒いところに手が届くといった見事な脚本に頭が下がりました。

 

事件を必ず終わらせる最後の切り札“ラストマン”は、この劇場版でラストとなってしまうのか。

はたまた続編が用意されるのか。

続報を楽しみに待つことにしましょう。

 

 

毎年年頭のブログは、恒例としている2025年の私の独断と偏見による劇場映画ランキングです。

昨年も約30作強ほど観ましたが、その中でブログにしたのは16作品でした。

 

ということで、今回はその中から。

邦画と洋画合わせてトップ5を発表することにします。

尚、劇場公開日ではなく、個人が観た日で起算しているため、

対象作品が多少ずれていることを含みおきください。

 

第5位 『チェンソーマン レゼ篇』

アニメではイマイチ感情移入ができなかった私ですが、

今作での主人公たちの人間らしい描写が、その壁を完全に破ってくれました。

そして何といっても、楽曲の秀逸さ。

これらの曲を耳にする度に、デンジとレゼのシーンがよみがえり、

ずっとその余韻に浸れます。

 

第4位 『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』

前作から地続きで撮影してるので、既視感がある部分が多いものの、

圧倒的な映像で、緊迫感あるアクションや、ヒューマンドラマを表現。

壮大なスペクタクルとして、過去作を凌駕するクオリティといっても過言ではないでしょう。

 

第3位 『国宝』

歌舞伎界の掟を揺るがす人間ドラマを描いた今作は、まさに驚愕のクオリティ。

もちろん監督の手腕もありますが、

やはり、吉沢亮と横浜流星の演技に尽きます。

この“狂気”の物語を素晴らしい演技力で、

昇華させた役者陣に惜しまない賛辞を贈ります。

 

第2位『鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座再来』

今年世界を席巻した日本アニメの最高峰。

圧巻の無限城の描写と、戦闘シーンにおける圧倒的な作画クオリティは、

まさに日本アニメ界が誇る世界クオリティだと実感しました。

 

第1位『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』

今作もトム・クルーズの体を張ったアクションシーンはとどまることを知らず、

観客を圧倒する独壇場のアクションに目が奪われまくります。

過去に経験したことのない超一級品の映像体験が可能となっており、

これらのシーンを観るだけでも、お金を出して映画館に行く価値アリです。

 

あくまでも私個人のランキングなので、今回はかなり私の好みに寄せた感があります(笑)。

今回のトップ4は、劇場映画ならではの映像体験ができるという

映画ならではの魅力を最大限に表現した作品を選びました。

ぜひご意見ある方はコメントをいただければ参考にさせてもらいます。

 

さて、今年は、アニメの話題作に加えて、

私が大好きなディズニーやマーベル作品も大作を控えており、

映画好きにとっては、とても楽しい1年になりそうです。

 

今年もヒマを見つけては映画を観て、できる限りブログで紹介していくつもりです。

フォロワーの方々におかれましては、いつも本当にどうもありがとうございます。

1つ1つの“いいね”が励みになってます。

 

今年も皆様にとって良い年になりますように。