巷では『空前の保護犬猫ブーム』といわれているらしい
私の住んでいる地域にも保護犬から犬を迎える人がめっきり増えました。
保護活動に微力ながらもかかわるようになって8年。
当時は保護犬を連れていると「何か問題のあった犬」に見られることもあり、「殺処分のことは知っているけど考えたくない」、「可哀想だけどかかわりたくない」という飼い主さんが多かったように思います。
時代も変わって、今じゃ聞きもしないのに「保護犬なんです〜」、「うちの子保護犬で〜」と、話しかけてくる飼い主さんが増えました。
それはそれでありがたいことなんだけれども…
最初のお預かり犬、大ちゃん(右)。2年前から寝たきりになり、今年の春にお空へ旅立ちました。大型犬の介護は大変で、想像以上に飼い主さんの気力と体力が必要です。2年間の介護生活、本当に里親の飼い主さんには感謝しかありません。
保護譲渡した子がこちらの期待通りに幸せになってくれれば万々歳ですが、中には里親さん選びに失敗したと感じてしまう場合もあります。
それは譲渡後すぐの時もあるし、何年か経っての時もあるし、その子が亡くなってから気づかされる場合もあります。
どの里親さんも迎えた子に沢山の愛情を注いでくれます。でもその愛情が里親さんからの一方的なものであれば、犬は愛情とは感じずに、逆に犬から見て迷惑なことになってしまうこともあります。まして犬が保護犬であった過去が可哀想だからみたいな愛情は、言葉の意味が解らない犬はそのネガティブなイメージをそのまま受け取ります。
保護犬は保護犬になった時点で幸せなのですから、「良かったねー」「幸せだね」とポジティブに接してあげればいいわけです。
可哀想な境遇から犬を救った慈悲深い優しい飼い主さん。
でも、それだけではダメなんです。
もっと犬のことを知って、犬に寄り添って生活をしていけば、ライフスタイルも変わります。
そこで初めて犬も飼い主さんと同じように幸せを感じるようになるのです
今回のピット君は予想以上に沢山の問い合わせと応募をいただきました。
それはそれでとてもありがたいことですが、応募条件をしっかり見たの?と言いたくなる人も
理由なく、いきなり「飼いたーい」と言ってくる人は勿論お断りしますが、
「初めて飼う犬はピットブルと決めていました」
ピットブル飼育経験者もしくは犬種特性を理解して適正飼育の出来る方限定なんですが・・・
「独身ですが両親が近くに住んでいます」
おーい単身者不可と書いてあるでしょう。両親は関係ないの、飼うのはあなた自身ですよね
「絶対後悔はさせません」
その自信はどこからくるのか詳しく教えて欲しい
「一緒に遊ぶ犬が欲しくて」
犬は遊び道具じゃありませんから
「こういう強面の子は貰ってくれる人が少ないから」
ご心配には及びません
「傷害保険に入っているので大丈夫です」
そんな危険な飼い方するの?
「自宅訪問は不可」とか「犬がいないと寂しいんです」とか、他にも沢山の募集に応募している人まで
『保護犬を飼いたいだけで、別にピット君じゃなくてもいいんじゃないの』と、思えてしまう。
『空前の保護犬猫ブーム』と言われている今、それは日本人の動物を飼うことに対する意識が変わったからではなく、保護犬がブランド化してしまった結果、ペットショップで犬を買うように保護犬を探す人が多くなってしまったと感じました。
だから、ペットショップでも売れ残りや元繁殖犬、疾患を持っている犬を「保護犬」と謳って売っている訳なんだと・・・
私は保護者として、これから先のピット君の幸せをずっと見守る責任があります。
だから、ピット君を選んだその理由を出来るだけ詳しく聞きたいわけです。1行や2行でまとまることではないと思います。
中にはその理由を詳しく書いていただき、私自身も心打たれる方も数名いらっしゃいました。
保護犬を見ているのでなく、ピット君をしっかり見ている方
人間目線でなく犬目線での愛情を注げる方。
その中で甘えん坊のピット君の性格に合った方。
そういう方に託し、今回ピット君はトライアルに進みます。
このことをブログに書こうか正直悩みました。
でも、今日こんな動画を送っていただき、書こうと決めました
4年前に保護譲渡した子です。
保護した当時はビビりで排泄も出来ず、散歩では怖がってかりんの股下に隠れていました。保護中は全く笑わず、余程怖い思いをしてきたのだと思います
それが今こんなに楽しい毎日を送れるようになるとは、思いもよらない嬉しい誤算でした。
里親の飼い主さんがこの子の性格を見て、罰を使わないポジティブなトレーニングを続けてくれたお陰だと泣くほど感謝しています
アンジー 当時の様子がこれ