同窓会ですこぶる飲んだ帰りになんだか少しさみしくなって、「鰻重」を食った。普通だと!「鰻重」には覚悟というか、格式に挑む勇気が必要である。だが、『吉野家』だとハードルは、下がり、手軽さが増す。(吉野家さん、親密感からです)

普通の『鰻重』は、四角い箱に入っていて、ほとんど鰻の身でご飯の白さが見えない。しかし、『吉野家』さんのは、ちょいと違った。白いご飯がたっぷり見えている。そりゃー、「鰻重 一枚盛」750円と格安のお値段でご提供いただいてますから。


ふたぎそもそもないので、開けて湯気とともにが立ち上って来るというのはないのですが、甘辛く香ばしい焦げ臭さ、絡みついてくるタレの匂いが鼻腔を刺激する。


箸で鰻の身を隠しご飯とともに救い上げ、口に入れる。うまい。甘辛いタレがほぐれていくご飯と混じり、至福の瞬間到来だ。

天然鰻を出す、鰻専門店でなくてもいいやい!ぷりぷりの天然鰻でなくても、脂っこくて身崩れする養殖鰻で充分です。タレのかかったご飯だけでも満喫しつくすんです。
負け惜しみではなくて。

こうして、最後の十粒くらいの米を重箱の隅へ押しやり、するりと箸で押し上げ、口に運んでいく。

こうして、土曜の夜はふけていった。