　いよいよ最終日の午後、ニューヨーク近代美術館に行きました。

　まず、どこから入ったらいいんだろう、あれ？入り口がないぞ？！南側？ないなあ？じゃあ、ぐるっと回り込んで北側？入れなさそう？じゃあもう一度、ぐるっと回り込んで南側？うん？“関係者で入り口”っぽいことが書いてある、あれ？！どこからはいるのー？！あー、“関係者で入り口”の左側に入り口っぽいドア？がある、おー、ここだわ。ほっとしました。これまた、英語がわからないのと、入り口が小さくて目立たないのと、表示がはっきり見えないのとで、ずいぶんウロウロしました。いえ、私がわかっていないだけで、どこかにドカーンと立派なエントランスがあるのかもしれないなあと思いながら入ると、中は広々とした、大きな大きなエントランスでした。

　ここニューヨーク近代美術館に来たらぜひ観たいと思っていたのは、やはりピカソ！シャガール！そしてアンディー・ウォーホール！です！エントランスでどうやら2から3のエリアに分かれているというのがわかったので、勇気を出してスタッフの人に、“ピカソはどこにありますか？”と聞いたら“あっちです！”と教えてくれました。

おー！ピカソです！まさにピカソです！

　雰囲気が『ゲルニカ』に似ていますよね。ですが違います、ゲルニカはもっと巨大な大作だし、たくさんの人が苦しんでいる顔や体が描かれているし、馬や足が苦しんでいる様子が描かれているし。

だそうです。この作品は1945年制作だそうで、1937年制作の『ゲルニカ』よりもずっと後に描かれたということでしょうか。「机の下で無礼に絡まった(「残酷に縛られた」と訳してみます)殺害された家族」を描いたのですね。ピカソのキュービズムは、戦争の残酷さを描く時に、絶大なる表現力を発揮しますよね。この絵も、テーブルの下に押し込められた家族の、縛られた手首、苦痛にのけぞる顔、下の方にある小さい顔は‥‥、デフォルメされ形を変えられ切り取られた部分の一つ一つが人の苦悩、苦痛、絶望を表していますね。さすがピカソです。

ニューヨーク近代美術館 ピカソ

ニューヨーク近代美術館　ピカソ