てっちゃんのブログ

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妻と結婚した時の、少し前のお話し。

 

 身体障害者手帳は再交付ができます。申請書に必要事項を書いて市役所に提出すると後日、新しい手帳が届きます。私が身障者の妻と2014年に結婚した時も、妻の苗字が「河津」から「刀根」にかわるので申請しました。しかし当時、申請書にはその理由が「紛失」「破損」「障害程度の変更」の3択しかなかったので、一つ「結婚して苗字がかわったため」と空欄に記入して提出しました。
 市役所の担当者に話を聞くと、障害者の女性が結婚して苗字をかえるケースはあまり聞いたことがないとのことでした。「今まで気付かなかったけど、おかしいですよね。今度、申請先の大分県の担当部署に聞いてみます」とも話してくれました。通常、結婚して苗字がかわるときの名義変更は、銀行口座も国民年金もレンタルビデオ店だって「結婚で氏がかわったため」などという選択肢があります。「おかしいな」と思ったので、妥協せずにありのままを伝えました。その後、無事に手帳は再交付されました。
 そのあと、うれしいお知らせが届きました。身体障害者手帳再交付の申請書が改定されました。再交付の理由を選ぶとき、「その他」 が新たに設けられたのです。日田市役所の担当職員さんが大分県に私たちの意見を伝えてくれて、フォーマット改定につながりました。大分県内では大分市のみ「その他欄」はあったのですが、今は大分県内すべての自治体で「その他」の入った申請書が使われています。妥協しない生き方が少しだけ世の中をよくしました。
 2016年4月から「障害者差別解消法」が施行されました。障害者が生きやすい世の中にしていくために、小さくても一歩一歩前に進んでいくことが大切です。

大分県日田市大山町在住
刀根徹朗

私の妻は筋力が弱くなる筋ジストロフィーという病気で、小さいころから車いす生活です。中学生の時、絵本「地雷ではなく、花をください」を読んで、世界中の紛争地域で埋められている地雷の恐ろしさを知りました。高校生の時に習ったパソコンでイラストを描いてカレンダーを作りました。売れたお金を地雷で足をなくした子どもたちに寄付しています。2017年のカレンダー(14作目)も完成しました。みなさんのご協力に感謝します。

 

 「悲しい経験をしたみんなに、空を見上げてほしい」。そんな思いで参加した東日本大震災の被災地を巡る旅。難病の筋ジストロフィーと向き合う車いすのイラストレーター河津実幸(まみ)さん(26)=大分県日田市大山町=は、震災直後から被災地支援を続ける日本緊急援助隊チーム大分=日田市=のメンバーと一緒に5月18~20日、宮城県石巻市を訪れた。
 海岸沿いに残るがれきの山、基礎がむき出しで雑草の生い茂る住宅跡地、焼け焦げた門脇小学校、あちらこちらに供えられた花…。2年以上がたっても、震災の傷跡は生々しく残っていた。
 2011年3月11日以降、自作のカレンダーを門脇小学校に送り、子どもたちを元気づける活動をしてきた実幸さん。焼けて廃墟となった校舎を目の前にして、「うわー、すごいね」と絶句。車いすのテーブルにデジタルカメラを置き、わずかに動く手でシャッターを切った。その日の日記には「門の脇小学校の焼けた建物を見て悲しかったです。>_<;津波がたくさんの人をのみこんだことを聞きました。すごい残酷でした」とつづった。
 その日の夜、チーム大分が支援活動を通じて知り合った被災者家族との懇親会があり、実幸さんは自作の歌「空」を歌った。どうしてもあの場所で歌いたかった歌だ。「空」は、同じ筋ジストロフィーを患う初恋相手を思って書いたラブソング。実幸さんより先に空に昇ってしまった彼と、空を見上げて毎日心の中でお話をするときの気持ちを表現した。
 旅行前、「友達が亡くなったりして悲しくても、空を見たらいつも近くに感じられるよっていうことが伝わればいいな」と話していた実幸さん。涙を見せることなく、一言一言をしっかりと歌い上げた。
 帰り際、一人の若い母親が目頭を押さえながら実幸さんと握手をし、「私も大切な人が空に行ってしまって…、でも、私も空を見てお話をしますね。本当にありがとうございました」と話してくれた。「よかった。どうもありがとうございます」と実幸さん。心がつながった瞬間だった。
 実幸さんの病気は筋力が年々衰える進行性の難病。呼吸を維持するため、喉を切開して呼吸器を取り付ければ、もう声は出なくなる。「もし、私が死んだら、おんなじ病気で苦しんでいる子に『実幸っていう女の子がいたんだよ。だからあなたも頑張ってね』って伝えてほしい。私が生きていた証を残してほしい」。実幸さんは、そういう風にして、今を受け入れている。
 「1歳まで生きられるかわからない」と医師に宣告されてから四半世紀。26歳の今、実幸さんは、歌えなくなったとしても、みんなが自分のかわりに歌い続けてくれることを願っている。
 
(記者・刀根徹朗=実幸の今の彼氏)

  空

作詞  河津実幸   作曲  蒲池志麻

1.
かぜをかんじて きょうも そとへでかけよう
あなたがいるから そとへでかけよう
ひとりきりだと すこし こころぼそいけど
そらが わたしに メッセージ くれる
きょうは ハート わたしに ラブコール
だけど わたし まだ そこへは いけないよ
だって わたし たくさん すること あるからね
*そらをみよう そらをみよう
あなたと はなせる そらだから
そらをみよう そらをみよう
きょうも がんばるから
 
2.
あめをかんじて きょうも そとへでかけよう
あなたがいるから そとへでかけよう
そらのあなたが なみだ こぼしているなーらー
きょうは わたしが メッセージ あげる
そらにとどけ わたしのラブソング
あなたが いま ないていーるなら
あなたのため やさしく いっしょに うたーうからね
そらをみよう そらをみよう
あなたとうたえる そらだから
そらをみよう そらをみよう
きょうも がんばるから
  *くりかえし
そらをみよう そらをみよう
そらをみよう
きょうも がんばるから

※写真は、帰りの飛行機から見た景色。空を泳ぐ飛行機の翼には、真っ赤なハートマークがあった。

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