試写会を終えて、映画を観た初見の感想を記しておこうと思います。
まずは原作の小説「レインツリーの国」について。
内容のネタバレは極力避け、個人の感想を書くつもりですが、「絶対に内容をみたくない!」という方はここで閉じてくださいね。
いきなりですが、私、「本を読む人」です。
小説も漫画もエッセイもコラムもなんでも読む雑読の人です。ムラはありますが月に10~30冊、ミステリーを中心に新刊や気になった本を読んでいます。けっこう読む方だと思いますが、意識的に避けているジャンルの本があります。
それは、「障がい」をテーマにした作品。
仕事柄、障がいを持った方やその家族の相談や支援に関わることも少なくありません。
病気よりも長い付き合いになることが多く、どうしても解決できないケースも多い障がいについて、本人や家族が書くノンフィクションはともかく、ひと握りの「恵まれた障がい者」について作られた物語にどうしても抵抗があります。同様の理由で某一晩中放送される番組も苦手です。
「障がいを正しく伝える」というご意見があることも分かっていますが、それでもやっぱり「恵まれている状況」を伝えることが啓蒙活動や障がい者への励ましになるのか?と疑問に思ってしまうのです。
それでも次々と新刊から手にとってしまい、積読状態になっている本棚から未読を引き抜いて読む状態の中で思いもよらない作品を読んでしまうこともけっこうあります
その中の一冊が「レインツリーの国」でした。
シリーズを読んでいた図書館戦争のスピンオフ作品ということで数年前にまとめて買って読んでいなかった作品。薄めだったので通勤に丁度いいかな、くらいの気持ちで読んだことを憶えています。
読んだのは多分3、4年前。読み始めてすぐに「しまった!」と思いました。元ネタである図書館内乱の内容を思い出し、あの時のあの小説だ!と思い当ってしまったからです。
読み進めた理由はネット社会でもなかなか長く深く生きているのでそこから生まれる恋愛に興味を持ったからです(笑)
なんだか、自分説明の前置きが長くなってしまいました
読んでみて思ったこと。
「これは恋愛小説だ」ということ。当たり前ですが
確かに「恵まれた障がい者」がヒロインで恵まれた状況の中で様々な葛藤があり、彼女の障がいは物語の軸ともなっているわけですが、描かれているのはやっぱり恋愛なんです。
ヒロインが隠している何かも、なんなら何かを隠しているということさえも感じさせないまま進む序盤の二人のやり取りがとても好きです。
あの、恋なのか恋じゃないのかウフフフフ的な感情(笑)進むのか進まないのかどっちやねん!的なね。
中盤の唐突な伸行の過去には「そりゃないでしょ」と思いましたが、まぁまぁ。
私にとって本を読むことは趣味ではありません。
趣味は?と問われたら便宜上「読書」と答えることもありますが、「本を読むこと」=「色々な視点から物事みる訓練」と思って読んでいます。
映像ではダメです。特定の人物が演じる映像は感情移入が先に立ってしまい、「色々な人の視点」を意識することができません。
その点、小説、特にミステリーは特定の登場人物の視点から考えると犯人が分かってきたり、意識して読み方を変えることができます。
レインツリーの国は「考え方の違い」にも重点をおいている気がします。
男女や、ハンデの違い。当人なのか他人なのか。主観性や客観性。
障がいというハンデにスポットを当てるのではなく、本人たちやそれを取り巻く様々な人の考え方、感じ方の違い。そこにひとつずつスポットが当たって恋愛という舞台ができていく感じ・・・。
結局うまく感想を書けていませんが
読んだ数年前には玉森さんの存在は知っていてもまだまだ堕ちる予感もない頃。
いつもなら避けるテーマなのに読み終えた上に楽しめた、なんだか縁のある「レインツリーの国」という作品。
映画では読み切れない二人の感情の機微も細やかに描かれています。観てからでも読んでからでも楽しめる作品です。
ぜひ、ご一読を
映画についても書き残しておきたいと思っているのでまた長々書くかもしれません