漫画電子化まとめ
もうゾイドを積む場所もない。キングゴジュラスの配備に備えてなんとか場所を確保しなくては! というのが漫画の電子化を決意した動機である。
ここに、同じ悩みを抱えるサマーボーイのためにノウハウをまとめておきたい。
用意する機材は二つ。自動給紙・両面同時読み取りのスキャナと、裁断機だ。
FUJITSU ScanSnap S510 FI-S510
手動式裁断機 A4長辺対応 PK-513
私が買った物は富士通の「ScanSnap S510」と、ポピュラーな裁断機「PK-513」である。Amazonで両方買うと七万円近くかかってしまうのだが、とにかくこれらがないと話にならない。安く買う工夫をするなどしてなんとか手に入れてもらいたい。
あるいはもっと目的にかなった機種もあるやもしれぬが、この記事では「ScanSnap S510」と「PK-513」をもとに解説を進めることとする。
記念すべき最初の実験台には『ゾイド創世記』を収録の「コロコロ伝説テーマ別アンソロジー」を用いることにした。そうでもしないとゾイドブログっぽくないし。
さて、大枚はたいて買ったスキャナといえども、本一冊丸ごとスキャンはできない。だから裁断機を用いて背表紙を切り落とさねばならないのだ。
だが、大枚はたいて買った裁断機といえどもコロコロ一冊の厚みを切るような設計はされていない。そこで予め、少々原始的な方法で二つに切り裂いてしまう。
まずこのように、平綴じになっている本を真ん中当たりから押し開き、背表紙に折り目を付ける。意を決したら折り目に沿って背表紙側からカッターの刃を入れていく。厚紙一枚なので容易く真っ二つになる。
しかしこの状態ではまだ背表紙が残っている。一枚一枚に分離させるためにいよいよPK-513の出番だ。
PK-513はカットラインを明かりで表示する機能もあるし、メジャー付きのガイドもあるので位置決めは楽だ。背表紙の部分を5ミリほどカットする位置にセットしよう。
5ミリも切っては絵も切れてしまいそうな気がするが、平綴じ本はだいぶ余裕を持って印刷されているし、むしろ浅く切ろうとすると製本の糊が残ってバラバラにならない。大胆にいくべし。
いよいよスキャン、といきたいところだが、その前にちゃんと一枚一枚に切断されているか検品しよう。私はこれを怠ったためにトラブルにつながってしまった。スキャン中に紙詰まりを起こしてしまったのである。特に表紙と最初のページ、裏表紙と最後のページは糊の塗布面が広く、ひっついた状態になりやすいようである。ひっついたページを見つけたら個別に切り離しておこう。
さて、ここまで作業を進めたらいよいよ文明の利器、ScanSnapの出番だ。スキャンするに当たって予め設定を変えておこう。
まずはタスクトレーの「ScanSnap Manager」のアイコンにマウスカーソルを合わせて右クリックしよう。メニューが表示されるので[クイックメニューの使用]のチェックを外しておく。このチェックを外しておかないと後で必要な設定ができなくなる。
次に、「ScanSnap Manager」のアイコンにカーソルを合わせてダブルクリック。設定画面が開く。
設定画面が開いたら[読み取りモード]タブを開いて各種設定を行っていこう。
[画質の選択]は解像度の設定だ。「ファイン」か「スーパーファイン」を選べばいいだろう。B6の「コロコロ伝説」を「ファイン」でスキャンすると縦が1427ピクセル、「スーパーファイン」でスキャンすると縦が2139ピクセルになった。PCのモニターより大きくても意味がないので、自分に必要なサイズを考えて選択しよう(この後リサイズ作業もするが)。
まぁ、「エクセレント」はでかすぎるので選択する必要はないのではないかと思う。
[カラーモードの選択]は迷わず「カラー」を選択すべし。「白黒」は二階調なので漫画のスキャンには適さない。
[読み取り面の選択]は当然「両面読み取り」だ。そのために高い機械を買ったのである。
[継続読み取りを有効にします]のチェックは入れておこう。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/88/fa/10098616683.jpg?caw=800)
[オプション]の各項目にチェックが入っているとかえって面倒なことになりかねない。全部外しておく。
[ファイル形式の選択]を「JPEG」にしておこう。
[圧縮率]だが、望みの画質とファイルサイズのバランスを考えて設定しよう。
ここでは、後で画質の調整も行うので、とりあえず最高画質となる「1」に設定しておく。
さて、設定を終わらせたらいよいよスキャンだ。
原稿をセット。一度に全ページはセットできないので、数回に分けて読み込ませよう。この「コロコロ伝説テーマ別アンソロジー」であれば三回に分ければ十分だろう。
原稿のセットが完了したらあとはスキャンボタンを押すだけだ。自動給紙でどんどんスキャンされていく。
「継続読み取り」を有効にしていた場合、セットした原稿の束が無くなると上のようなメッセージが表示される。残りの原稿をセットして[継続読み取り]をクリックしよう(スキャナ本体のスタートボタンでも可)。
全ての原稿をスキャンし終えた場合は[読み取り終了]をクリックする。
こうして、「コロコロ伝説」は260枚のJPEGファイルにされてしまった。
この時点で作業完了としてもいいだろうが、PCのモニターより画像の解像度が高くても容量や展開が重くなって無駄である。画像を適当な大きさにリサイズしてしまおう。ここでは画像ファイルを一括してリサイズできるフリーウェア、「藤 -Resizer-」を使うことにする。
スキャンした段階では縦が2100ピクセル以上あったのだが、どのくらいの大きさにしたものか?
現在の漫画スキャンの世界では長辺が1600ピクセルくらいが標準的らしい。現在私が使用しているPCはそんなにモニターが大きいわけでもないが、将来的に大きなモニターを導入することもあるだろう。とりあずそれにならい、[大きさの指定]を「絶対指定」、[高さ]を「1600」、[条件]を「高さ基準」という設定にしておく。
設定をいじれば、リサイズと同時に様々な調整も可能。[効果]にチェックを入れ、対応する[値]を設定すればよろしい。
もっとも、大多数のフリーウェアの例に漏れず、ヘルプを見ても分かり易くは書いていない。試行錯誤しつつ仕様を把握していくしかない。
ちなみに、今回は表面が凸凹の上に裏側が透けて見える紙のため、[効果]の[白色化]にチェックを入れ[値]の[白色化域値]は[210]に設定した。これにより凹凸や裏の透けはほとんど見えなくなったが、トーンの薄い部分も若干犠牲にしている。痛し痒しだが決断を迫られるポイントだ。
また、カラーでスキャンした画像をグレースケールに変換するために[白黒化]にもチェックを入れている。[値]の[白黒化法]は「0~2」の値を設定できるが、「1」だと黒っぽく、「2」だと白っぽくなるようだ。デフォルトの「0」が大過ないだろう。
最終的な画質と容量のバランスを決定するために[出力]の[JPEG 画質]も設定しておく。
これは主観だが、モノクロページは「85」もあれば十分だ。無闇に画質に拘泥し「100」に設定しても容量が無駄にでかくなるばかりである。カラーページでも「95」あれば目立ったノイズは発生しない、と思う。
設定が終わったらリサイズ開始だ。リサイズの操作法だが、画像の入ったフォルダを「藤 -Resizer-」のウィンドウにドロップするだけ。設定に沿ってどんどんリサイズされていく。
リサイズが終わったら取り回しが楽になるので全ファイルを無圧縮のZIPファイルに綴じてしまおう(分からなかったらググれ!)。これにて全工程終了。
いよいよ電子化した漫画の閲覧だ。普通の画像ビューアを使っても問題はないが、漫画に特化したビューアがいくつも開発されている。今回はポピュラーな漫画ビューア「Leeyes(リーズ)」を使ってみた。
この通り、ゴジュラスがバク宙でレッドホーンを圧殺する迫力の見開きページも、ちゃんと見開きで表示可能なのだ。
この調子でバリバリ漫画を減らしていけばまだまだゾイドの配備を増やせそうだ。また、これを応用して模型誌のゾイド記事をスクラップするなどの利用法もあるだろう。我らのゾイドライフの未来は明るい!
ただ、漫画一冊を電子化するのに中型ゾイドを組み立てるほどの時間がかかってしまうのは内緒だ!