ファンタジーだからこそよく分かる
簿記や会計に関する物語といえば、『破綻しそうな会社を立て直す』とか『父親が急死していきなり会社を引き継ぐことになった』とか、あるような無いような、良くわからない設定で進められることが良くあります。
こういった本では、現実社会の枠組みの中で話を進める必要があるのですが、本書は『ファンタジー』ですので、そういった枠の中に収める必要性が全くございません。
しかし!ただ荒唐無稽な話を行っていくのかといえばさにあらず、真っ白なキャンバスの上に、ストーリー上、いま必要なものを、読者の理解できるペースで、しっかり丁寧に調理していく。それが本書の凄いところなのです。
コンセプトで言うと、ダンジョン飯に近いところはあるかもしれませんね。
異世界会計英雄譚というコンセプト
さて、すっかり話が横道に逸れてしまいましたが、本作のストーリーについてご紹介します。
120年前―― 新大陸を発見した「人間国」の人々は大船団を率いて植民を開始した。新天地は豊かな実りをもたらし、飢餓と貧困は過去のものになると思われた。…しかし。入植地の西方、山脈の向こうには魔族達が暮らし、独自の文化・社会を発展させていた。人間達は魔族の居住地域を「魔国」と名付け討伐軍を派兵した。こうして人間国と魔国との100年を越える戦争が始まったのである─―…。
そんな中、魔国でドジをし、オークに囚われることになった女騎士。オークから告げられた意外な言葉とは…!?
と、いうことで紹介文はここまでなのですが、もう少しだけ続きをお話させていただきましょう。捉えられた女騎士は、何故か『オークの会社』で『経理のお姉さん』として大量にやってくる受注と戦う日々を過ごすようになります。
なんやかんやで、しっかり経理のお姉さんとして成長していく女騎士(笑)。そういや、差額が9で割れれば桁処理のミスの可能性があると、とかそんな小技ありましたねw
一方、この当時オークの国では高度に発達した『会計』の知識ですが、人間の国では怪しげな魔術かなんかの類として扱われていました。そんな謎のテクノロジー駆使し、途中で出会ったダークエルフと共に諸問題を解決していく。
それが本作の大きな流れになります。
マンガという媒体の強み
Rootportさんの『女騎士、経理になる。』の原作は、同氏のブログ『デマこい』にて掲載されています。完全に失礼を承知で申し上げますと、確かに面白いんです。面白いんですけれど、twitter短文投稿形式のまとめというのは、ちょっと読むのが途中からしんどくなってきてしまうんですよね。
それが、漫画化されることによって、かなりストーリーとしての頭に入ってくる度合いが高まったように思われます。例えば、このままでも確かに面白いのですが、