オギャア・シャウトで生まれて
産婆に立てた中指は
クソなこの世へのファイティング・ポーズ
びゅーてぃふぅ!五右衛門!
わーんだふぅ!五右衛門!
…と、いう訳で。随分前になりますが行ってきました劇団☆新感線2012越冬興行『五右衛門ロックⅢ~ZIPANG PUNK~』!
ゴエロク3作品目!ド派手に行こうぜRX!客演やっぱり豪華だったぜ!誰得?いいや姉妹得キャストだったぜ今回は!
劇場入口に大きな看板がいつも設置されてましてそれを見るのがけっこう楽しみ。シレンとラギの東京公演の時は看板の設置がされてなくてちょっと寂しかった!
ロビー前には歴代ゴエロクのポスターも飾ってましたよ。
ゴエロク一作目のポスター。2008年公演でかなり懐かしい。
ゴエロク二作目の薔薇とサムライ。このポスター、写真じゃなくって絵だったのよね、確か。見た時にびっくりした思い出が。あと何気にオスカルが…。
こちらも薔薇サム。と、今回のジパングパンクのポスター。こうやって並べられると感慨深いものがあるなぁ。
前回のシレラギの時にも過去公演のポスターがロビーに飾られてたんですが観に行っていない公演のものもあって、すごいなぁとは思ったけど思い出がないので軽く流し見しただけでした。
おまけ。劇団員の逆木さんがナノブロックで作ったそうで物販の隣にひっそりと飾られてました。釜から五右衛門、でしょうか。可愛い。ナノブロック、すごく小さいブロックで漫画『もやしもん』のおまけで一度作った事があるんですがもうめちゃくちゃ大変。ブロックの組み方説明と睨めっこしながらやったんですがオリゼーがよく分からんものになりました。そんなナノブロック五右衛門、出来がすごい。
さて、どうだったのよお芝居はと言う事で。慣れぬレビューなんぞ書いてみます。
ちょっとテンション高めに参ります。
かの有名な大泥棒、石川五右衛門。釜茹でにされかけたけどあの手この手で逃げ切って南の島へとお宝盗みに行った2008年『五右衛門ロック』。
それから何故か流れ流れてヨーロッパ。女海賊の下で用心棒なんかしちゃったりした2010年『五右衛門ロック~薔薇とサムライ~』。
とうとう3作目、お次は何処へ?と思ったら日の本に帰ってきましたZIPANG PUNK!
盗み尽くした狭い日本に興味はねぇと南の島を目指した五右衛門なのに日本で何をするの?と思ったらやっぱり何か盗もうとしてた。
時代は豊臣秀吉(麿赤兒)が天下を統一した日本。弘法大師空海に縁のある津雲寺にある秘仏、黄金目玉像を盗むと石川五右衛門(古田新太)からの予告が。
しかしその予告は偽物の石川五右衛門からのものだった。本物の五右衛門はそれを聞き、盗み出してやろうじゃねぇかと津雲寺へ。
五右衛門は女盗賊・猫目のお銀(蒼井優)と組み京都所司代盗賊目付探偵方・明智心九郎(三浦春馬)や太閤殿下の懐刀・石田三成(粟根まこと)らが秘仏を見張る最中、いとも簡単に秘仏を盗む。秘仏を盗まれた津雲寺の尼僧・春来尼(高橋由美子)は特に騒ぎもせず呑気…。この黄金目玉像自体にはそれ程の価値はなかった。
……が。黄金目玉像、実は空海が唐の国より持ち帰った秘宝の在処を示す鍵だった。
薔薇サムでこっぴどい目に合い国外追放となり、五右衛門への復讐心を燃やしつつ秘宝の伝説を聞きつけて海を渡りやってきたマローネ(高田聖子)&これまたゴエロクで酷い目にあった商人・アビラ(右近健一)、マローネ達と手を組み秘宝を手にせんとする堺の豪商・蜂ケ屋善兵衛(村井國夫)。
良からぬ事を企むマローネを追い日本にやってきたボスコーニュ公国の王太子・シャルル(浦井健治)。
蜂ケ屋の放った刺客に襲われていたシャルルを助け、シャルルの派手さに意気投合した傾奇者・前田慶次郎(橋本じゅん)。
空海の秘宝を求めてみんなで謎解きお宝探し!秘宝は誰の手に?秘宝って何?春来尼の口癖は「おにぎり、くうかい?」
さぁさぁ、どうなる五右衛門!
今までシリーズ作品は基本、主人公のみの引き継ぎだったのですが今回はゴエロクからはアビラが、薔薇サムからはマローネとシャルル、エスパーダがキャラクター引き継ぎになり登場。あ、あと前田玄以もゴエロクから。その所為か、ゴエロクシリーズ完結の匂いが…。
もう大千穐楽も終わったし、DVDが出るまで2年は待たなくちゃいけないのでネタバレしつつ観劇感想。
今回は2回、観に行ってきましたよ。
前楽の2月27日。
今回は初めての一桁台のお席。なんと7列目!1階7列19番!列はすごーく良いんだけどめちゃくちゃ下手のお席でした。でも通路席でしたよ。最近、通路席が取れる事が多いです。鋼鉄番長もオセロも下手寄りの通路だったし。
音モノなので生バンドが入っての演奏だったのですが今回は舞台が前にせり出していてバンドブースはそのせり出した舞台下の部分に入ってしまっていて演奏する姿が全く見れずちょっと残念でした。盛り上がる曲なんかではギターの岡崎さんが下手側に、ベースの福井さんが上手側に出てきたりはしていました。音モノなのにバンドの姿が見れないのは寂しい。
しかしどうも客席を潰して舞台を広げていたようで、3列潰れて実質席が4列目だった!なんて良いお席!たぶんもうこんな良い席は取れないだろうなぁ。憧れの一桁台っていう時点でもう神席だし。
さて、通路側という事で気になるのは芝居に通路が使われるか否かでして。鋼鉄番長、オセロ共に非常に美味しい思いをしたので今回も期待をしていたのですが使った通路はもう1本内側の通路でした…。残念!
あと、かなりの下手側だった所為でスピーカーが近くお歌が聞き取りにくかったです。新感線、音モノは爆音で曲なんかが流れるので下手上手に置かれたスピーカーの近くの席になると耳が痛くなるほどだ、という噂を前々から聞いていましたがそこまで近くはなかったので聞き取りにくいだけで終わりました。うん、でもよさこいとかじゃあない限り耳を塞ぎたくなる爆音ってそうそうないのでスピーカーの近くの席も憧れる。
客演の感想としては三浦馬くん、兎に角格好良かった!背も高くて、ロングのベストのようなお衣装だったんですがそれを巧みに翻し立ち回りをする姿にファンも増えたのでは?
歌やダンスも上手だったしね。役としてはもう何から何まで気障。もうええっちゅねん!と言いたくなるぐらいの気障な役柄。鬘も気障だったし。もう嫌、結構です、勘弁してと思うくらいの気障さの理由は二幕になって分かり納得。
明智心九郎、実は本能寺の変で織田信長を討った明智光秀の息子。その明智光秀を山崎の合戦で討ったのは豊臣秀吉。(全くの余談ですが三日天下とはこれを指す。織田を討ち天下を手にした光秀は13日後に秀吉に討たれた為)
その秀吉の世になった今、亡き父の無念を晴らしたい。その前に秀吉は明智家の事を覚えているのか。世を統べるのは朝鮮出兵さえも遊びと言ってしまう我儘の塊のようなサルなどではなくもっと優れた明智家ではないのか、と復讐心に燃えているところがあり、それを隠す為に常に冷静沈着を心掛けていた。
空海の秘宝である黄金を手に入れてかの心九郎は気障は気障だけど何処か悩める青年の雰囲気がとても出ていた。
黄金を秀吉の軍に対抗する為の軍資金とし、蜂ケ屋・マローネ・アビラらと手を組み武装都市、堺を作る。豊臣の支配から堺は独立し、全ての民は自由であり対等であると高らかに叫び襲撃を仕掛けてきた豊臣軍を撤退させるも堺側の情勢は不利。
武装都市、堺がもつのも半年か一年か、朝鮮出兵に出た兵が日本に戻ってくれば武力の差は歴然としていてもうお終い、という敗北色の濃い中で得意であった先を読む事、推理する事を諦める心九郎。元々、冷静な性格ではなく常に心に渦巻く怒りを抑えんが為、冷静沈着な探偵を演じていたのだと心九郎を心配に思い傍にいたお銀に零す。
美人揃いの舞踊少女探偵団(ダンサー)を引き連れ歌って踊っていたのも暴れる感情を誤魔化す為…(そんな誤魔化し方どうよ?)。
そんな心九郎へお銀は「誤魔化さず、心のままに素直に生きれば世界は変わる」と言う。その言葉を受け吹っ切れる…ある意味乱心(笑)の心九郎。その変わりようは、ギャップは今までの演じていた気障っぷりがあってこそかなと。
そんな訳で冷静沈着さを演じるあまりに胡散臭い気障さが目立って見えたなと私は感じました。いろんな柵だのに囚われて、ぎちぎちで身動きも出来ない。でも父の汚名は雪がなければと内心躍起になっている青臭さ。言葉にして語られないけれどそういうものがキャラクターに見て取れたような気がします。
蒼井優ちゃんはパッと見た感じ華奢!細い!可愛い!という感じ。しかしお歌がちょっと……。お銀の役柄がやんちゃ(じゃじゃ馬?)な小娘でそのやんちゃっぷりが少し出しきれていない、というか無理があるような気がしました。清楚な役だったらはまり役だったかもね。
歌に関しては下手なんじゃなくて激しく踊りながら歌う事が多いのでそれに慣れていないのかな?という感じ。何を言って歌っているのか、言葉がぶちぶち千切れてしまっていて一番聞き取り辛かったです。途中から心九郎に恋心を持ち始めたようなんですがそれが何処からか、というのがいまいち分かりにくかった…かな?
お銀には賽の目金次という兄がいて、その金次との掛け合いが可愛かったです。「にーちゃん」と呼ぶ様がちょっと駄々っ子の妹みたい。怖いもの知らずな感じはよく出てたかなぁ。
浦井健治くんと高橋由美子さんはなんというか安定安心(笑)2人ともミュージカル経験者だし初の新感線じゃないし。春来尼の物腰の柔らかさとは逆に変な動きをしていたり、突然歌に参加して朗々と歌い上げたりと「あ、この尼さん天然だな」と思わせるようなところが多々ありまして。矢鱈とおにぎりを持ってうろうろしてる。隙さえあれば「おにぎり、くうかい?」。ゆったりとしていても何処か押しの強いキャラクターでした。あと、身長がちっちゃくて可愛かったよ。
なんでこんなに執拗におにぎりを勧めてくるんだろう。っていうかいのうえさん(演出家)、ほんとにおにぎり好きなのね。と思いながら観ていたのですがこのおにぎり、大きな秘密が。空海の秘宝、本当は黄金ではなくてこのおにぎり。食べれば歳をとる事もなく不死になれる。黄金こそが秘宝と皆が思い込み、おにぎりおにぎりと勧めてくる春来尼をめんどくせー尼さんだなぁと適当にあしらってしまう。終盤、五右衛門だけがその事に気付く訳ですが。ちょっとズレた感じでのんびり天然、でも本当は…というのが上手かったです高橋由美子さん。
さてシャルル。浦井くん。お顔もキレーで歌も上手い。ダンスも出来る。そして役柄は王太子。でもすごくおバカ。ジパング語よくワカラナイ。勉強中デス!みたいな。登場してすぐに五右衛門との再会を喜ぶ曲を歌うのですがそれの頭の方で「久し~鯖?…久し鯖…鯛?はまち?……久し~ブリ!」という歌詞があってもうそれがシャルルの全てを語っているようでした。二枚目なのに扱いはイロモノキャラ。薔薇サムの頃からおバカな王子でしたがおバカさに磨きがかかっていて可愛かったです。能天気さが占める割合がかなり高くて、いや、高すぎてもう癒し系の域。演劇ぶっくという演劇雑誌がありまして、その4月号にゴエロク3のレポページがあります。パンフには載っていない細かいインタビューなんかも勿論あり、それに古田さんから「小型犬かお前は!」と言われた事が書かれていてそれを読んだ瞬間にそうそうそれ!と思いました。
可愛いんだけど矢鱈とはしゃいじゃっておバカな小型犬。そんな役者さんでした。
村井さんと麿さんは兎に角どっしりしてた。
秀吉自体、出番がそう多くはなかったのですが印象としては怖い(顔も)、ものすごい我が儘そう。体格はそう大きくない方だと思うのですが威圧感があり、メイクの力を借りてはいるもののそれでも表情の作り方が上手かったなと。二幕、最後に不死のおにぎりを手に入れた五右衛門はそれを秀吉に譲ろうとします。勿論そのおにぎりを受け取る秀吉。しかしその場に居た春来尼に今のままのお姿で、時間が止まると言われる。不死が手に入ると喜んでいた秀吉はその言葉を聞き、おにぎりを食べようとするのを止めてしまいます。老いさらばえたその姿のままではあるがこの先、死ぬ事もなく生き続ける事は出来る。が、天下人として男として、人間として、それの何処に楽しみがあるのか。朝鮮出兵さえも遊びと豪語し金も人も、遊びの為ならば我が儘気ままに使ってしまえる男の一瞬の葛藤。潔さ。引き際を弁えてこその遊び。そんなものが演技から見て取れた気がします。秀吉役がぴったりの麿さんでした。
村井さんに関しては…そう、渋いおっさん!ちょっとリーゼントっぽい鬘にエリマキトカゲのような大きな襟がついた着物を来ていて、にやりと笑う姿がザ・悪役。
南蛮貿易を一手に担う堺の豪商、蜂ケ屋善兵衛。汚い手は幾らでも使い邪魔な商人たちを蹴落として、金こそが全て。刀を振り回すだけのアホ侍にこの世が動かせるか。この世を動かせるのは金!武士も戦も不要、悪知恵という分析力と金で世界と手を結ぶ。なんという分かりやすい程の悪党。しかし商人だからか、物腰が何処か柔らかく言動にもお茶目な一面も。自らの手は汚さずにマローネと共に心九郎を焚き付ける様はただの悪党なんだけど、言おうとした事を先に人に言われふくれっ面になって拗ねたり、登場時に自分を褒め称える歌をキンキラのお衣装で歌いながら登場したりと間抜けさが見え隠れ。なんて憎たらしい悪党なんだろう、とは思えず茶目っ気を多分に含んだ悪党でした。でもやってる事はすごいワルなんだけどね。麿さんはお歌には参加しなかったんですが村井さんは結構歌ってまして、歌声が渋いのなんのって!
登場時の曲の歌詞に「Alright!待たせたな!子ネズミ達よ」というのがあるんですがもうそれを聞いただけでキャー!って黄色い声を上げたくなるような渋さ。そしてお歌も上手かった…。
テレビ画面越しにしか見た事のない方々が近くで見れ満足した27日でした。ほんと、近すぎてね、春馬くんの汗とかブルーのアイシャドウとかがよく見えましたよ。オペラグラスがあってもこんな風には見れない!
とりあえず長くなるのでここで切って次へ続く…的な感じで。