今日は厚労省に意見書 

どんどん意見書を送ります



若年性認知症の通勤困難と移動支援制度に関する意見書



(厚生労働省あて)


若年性認知症の配偶者を介護してきた者として、現行制度の運用と支援の現場における深刻な課題について、以下の通り意見を申し上げます。




【1】移動支援制度が通勤に使えない現状について


現在、障害者総合支援法に基づく移動支援制度は、原則として通勤目的での利用が認められていません。これは「反復的な経済活動を支援対象にしない」という制度運用上の理由によるものです。


しかし若年性認知症の当事者にとっては、「通勤することそのもの」が重大な困難を伴います。とくに、認知機能に日内変動がある場合、毎日同じ道でも突如として「現在地がわからなくなる」「進行方向が判断できない」といった症状が現れることがあります。


そのような通勤困難を抱える若年性認知症者に対して、現行制度はまったく対応できておらず、実質的な「働くことの排除」を生んでいます。




【2】現場の支援者による不適切な対応


実際に私たちは、地域包括支援センターを通じて若年性認知症コーディネーターに相談を行いましたが、次のような発言を受けました。


  • 「移動支援は通勤には使えません」
  • 「認知症サポーターはそういう活動(通勤支援)はできません」
  • 「道に迷ったら近くの人に聞けばいいでしょう」



これらの発言は、制度上の制限を理由に、支援の責任を回避し、本人の困難を軽視するものであり、専門職として極めて不適切であると感じました。




【3】制度の構造的欠陥と求められる改善


若年性認知症者は、「介護が必要な高齢者」でもなければ、「典型的な障害者像」にも当てはまりません。そのため、既存の制度では支援の対象から外れやすく、「制度に歓迎されない存在」とされてしまう現実があります。


現場では「制度がない→支援できない→本人の責任」とされており、これは制度の限界ではなく、制度による排除の構造そのものです。




【4】要望事項


  1. 若年性認知症者の通勤困難に対応するため、移動支援等を活用できる新たな制度設計を行ってください。
  2. 自治体および支援者(包括・コーディネーターなど)に対し、若年性認知症に関する理解と対応の研修を義務づけてください。
  3. 制度に明記されていない支援であっても、柔軟に判断し、支援につなぐ姿勢を求める旨を、国として明確に指針化してください。





以上のように、若年性認知症者が働き続けるための移動支援や合理的配慮は、単なる福祉の問題ではなく、就労・人権・尊厳の問題でもあります。制度の隙間に取り残された人々の声に、国として耳を傾けていただけるよう強く要望します。