小3の次男が学校から帰ってきたらカバンを放り投げ、荒れ出しました。叱ったらコタツから出てきません。とうとう頭にきて頬を叩きました。するといよいよ反発してどうしてようか分からなくなってしまいました。気づくと右腕が上がらなくなっていました。
ストレッチが終わると落ち着かれていました。どうして息子さんはそこまで?
兄が小5で書道の優秀賞をもらったので、僕は小3でその賞をもらうんだと毎日努力してたんですが、当日調子が悪く力をだせなくてその賞をのがしたんですね。それが悔しくて、ああいう態度にでたんだと思います。
凄いですね‼ でもお母さんはそこまで分かっていながら、どうして一発?
余裕がなかったんです。
今なら何と言ってあげますか?
頑張ったね。頑張ったから悔しかった気持ちが出てくるのよ。悔しさを体験できておめでとうって言ってあげます。
それを側で聞いていた90歳の母がしゃべりはじめた。
自分を好きになることを今、ここで教えたらどうでしょう。それは、自分で選んで、自分で判断し、行動すること。私は小3で父を亡くし、貧しい家庭で育ってきたんだけど、母は私にそんな生き方を教えてくれました。
だから戦争中も、戦後の混乱期も、今腰が曲がって身体が不自由になっても楽しく生きることができているのだとこの歳になってわかるようになりました。
聞いていたクライエントさん。
分かりました。息子に、怒った時に書かせます。喜んだ時に書かせます。そしてそれがあんたの書だと認めて褒めてあげます。そこでは兄が小5で優秀賞をもらったことなど関係ありません。
私は腕はまだ痛みますか?と聞くと、
忘れてました。
この一言で三人は大笑いしました。
医療の本日はこんなところにあるのだと思った一日だった。
写真は89歳の時に描いた母の絵です。ほっと館に咲いていた牡丹です。