weblog bookreview -4ページ目
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『ウェブログの心理学』(NTT出版)

近頃、本屋に行くとブログに関する本が山積みになっていることがある。

それだけ多くの人たちがブログに関心を持っている証拠だといえるだろう。そして、出版業界としてはそのブームにうまく乗って、ベストセラーを生み出そうというマーケティング上の狙いもあるのだろう。


本書はそんな多くの「ブログ本」の一つ。

大学の研究者が社会心理学の立場から分析した書物だ。

ウェブサイトが登場して間もない1990年代半ばからウェブ日記がどのように広がって行ったのか、なぜユーザーはブログを書くのかについて書かれている。


一般向けとしてはあまりにエンターテインメント性がないし、専門書としてはあまりに一般的な内容なので、中途半端な印象はぬぐえない。ただ、ブログがどのような歴史的経緯をたどったのかを知りたい、学部学生が最初に読む本としては最適かもしれない。


ブログがコミュニケーションを促進するツールとしての役割を持っているというのがこの本のテーゼだ。ブログは自己表現の手段であると同時に、コミュニケーション手段として書き続けられているという。ブログを書くことで自己理解が深まるという効用と読者との関係が得られるという効用が得られる。そして、それこそがブログを書き続ける力になると指摘する。


他者からのフィードバックを受けることで、同じような考え方を持つ人たちとのコミュニケーションが生まれ、それが自己満足につながる。ブログが持つコミュニケーション的側面を指摘することにこの本の主眼がある。


この主張のもとになっているデータは1990年代後半のものなので、今後は新しい調査が必要になるだろう。ウェブログがインターネットコミュニティの中でどのような役割を果たしているのか(あるいは果たしうるのか)を検討することはとても意義深いテーマであると思う。


著者: 山下 清美, 川浦 康至, 川上 善郎, 三浦 麻子
ウェブログの心理学
1章◆インターネット時代のコミュニケーション
2章◆コミュニティに見るウェブログの歴史
3章◆ウェブログの社会心理学
4章◆ウェブログの現在と未来
終章◆ウェブログ・個人・社会
附録◆ウェブログの歩き方/インターネット・ウェブログ関連年表/ウェブログに関する論文・記事リスト
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