〓 ひろびろと馬入の河口に夕日入る海鳥の群れ飛び去りてゆく
〓 モンローの「帰らざる河」口ずさみ河口はるかなタンカー見ており
〓 違反せし罪の重さの自覚なきひたすら守る壁を作りて
〓 魂よいつまで悩むかむなしさの続ける命の果てる日までか
〓 この孤独癒す術なくひたすらに荒ぶる吹雪きに身を打たす今日
〓 造成の宅地は売れず広々と雪まだ残り朝日に映える
〓 何度でも生まれ変われる気を持たす今朝の新雪ふみて歩きぬ
〓 汚れなき新雪のごとありたしと吹雪ける空に向かいて祈る
〓 ゆるやかにコスモス揺るる麓から美麗な富士はくっきりと見ゆ
〓 インタービュー受けるアラブの少年の眼は澄みて聖戦という
〓 ひろびろと馬入の河口に夕日入る海どりの群れ飛び去りてゆく
〓 桜ばな散りゆくさまを無言にて眺めいたりししばしの間
〓 この谷戸は未だ清き水流れ夏の来れば蛍飛び交う
〓 刻々と日は沈みゆく山陰に富士は黒ずみ茜の空あり
〓 朽ち果てし砂丘におかれし廃船に舟虫あまたうごめきており
〓 一重散り八重の桜はほころびぬ自然の周期の確かさ思う
〓 この黄なる菜花の咲ける菜園の向こうに輝く白き富士あり
〓 この誇り明日は捨てなむ思いあり孤高にいきるなんと難し
〓 せせらぎが三筋集まり水多く魚影すばやくキラリ輝く
〓 全山を覆えるごとく芝桜咲き乱れており藻琴の春よ
〓 なにごとも許容できるという友の心の広さ吾にはなけれ
〓 暑き日の続けば夏の野菜類その成長の速さに驚く
〓 リラ咲ける北の大地は春盛り薄暮に浮かぶ花を見る君
〓 メールにてリラの香りを受け取りぬうっとり見ているその文言を
〓 薄闇に浮かびしリラの花びらは輝く君の姿にありしか」
〓 すれ違う女みな君と見える時薄暮に浮かぶやさしき君よ