いろいろな方のお話をうかがって、勉強させていただいています。

 

 

2019年7月29日の読売新聞に、

 

[安心の設計 あんしん相談所]里親になるにはどうすればいい?

 

という記事が載っていました。

(リンクを張ったものの、一般の方は閲覧できないようです。図書館などでご覧ください。)

 

全部を文字起こしをするとまずいかもしれないので、記事の抜粋を。

赤字は、私の見聞(知人のケースやネット・里親さんの手記など)からのこころの声です。

 

**********************************

 

・約4,200世帯の里親家庭が、約5,400人の子どもを預かっている。

・国は里親委託率を大幅に上げようとしている。

 

・子育ての経験が無くても里親になれる

 養子縁組希望の方が、児童相談所から「養育里親の方が早く委託がある」と

 勧められたりして、結果として養育里親をしていることもある。

 養子縁組希望で話を進めていたけど、審判の最中に実親さんが翻意したり。

 家裁の判断で「縁組不成立」となった結果、

 不本意ながら養育里親となっている事例もあります。

 縁組不成立になった結果、実親さんの下へ子どもを戻すことになった方も。

 

・結婚していない人も、子育て真っ只中の人も大丈夫

 「結婚していない人」は

 実際には一人暮らしの単身者というケースはなかなか無いようで、

 保育士や看護師などの有資格者でかつ実家暮らしで、自分の両親・家族など

 他に支援者がいる方が対象のようです。かなりのイレギュラーな印象。

 あとは実親が亡くなって、きょうだいが甥っ子姪っ子を親族里親として養育しているとか。

 

 *8/9追記*

 「結婚していない人」の概念は「未婚」だけではありません。

 「既婚→離別・死別」の結果として「現在は独身」という経緯の方もいらっしゃいます。

 そうした経験をお持ちの方で実子がいる方は、「子育て経験者」でもあります。

 実子が成人or大学生で、シングルマザー家庭でも受託した方もいます。

 

 子育て中の方が里親になる場合、里子は原則実子よりも年少者「末っ子ポジション」に

 なるように委託先を配慮されている。

 里子自身が「末っ子」として甘えられる環境を与えて欲しい。

 里子よりも小さい子がいると、お兄ちゃんお姉ちゃん役割を担うことになり、

 里子に精神的に負担がかかる。

 

まずは地元の児童相談所に相談のうえ、

・数日間の研修を受ける。

 うちの県は

 座学6日間(集団研修):月1回連続する土日×連続3ヶ月

 

 個別研修で、実習(通い)2日間。宿泊実習のところもあるらしい。

 

 我が家の場合、実習を終える前に早く申請書を出せといわれて面食らいました。

 実習の結果、やっぱり無理・・・となったら申し訳ないと思ったので、

 あえて直ぐには出さず、実習の後に提出しました。

 その結果、認定が半年遅れてしまったわけですが。

 

・こどもに面会して、相性を確認してから家庭に迎える。

 県内の端っこの施設に面会に通うケースもあります。

 関係性を早く築くために、2~3回/週を数日~数週間。

 子どもの年齢と、馴染み具合で長短あるらしい。

 本委託になる前の交流期間は、行政からは助成金はナシ。全額自腹。

 高速道路を使用し、片道2時間かかろうが一切配慮はないらしい。

 原則、各児童相談所が担当する区域の中で、里親さんを探すらしい。

 子どものいる施設から遠くの地域の里親に委託されるのは、

 「こちらの地域に○○の××がいる」

 「あえて離したい」などの何らかの理由があるらしい

 (里親さん本人にも、詳細は知らされないこともある)

 

 特別養子縁組希望の方が赤ちゃんを受け入れることになって、

 いろいろと育児用品を揃えたのに、

 「今回のお話は無かったことに・・・」と言われてしまったというケースも。

 当然費用も自腹。 次のお話がすぐに来ると良いのですが、

 こればかりは児相側も約束を出来る訳もありません。

 

・障害など専門的なケアが必要な子どもは、基本的に「専門里親」へ

 とは限らない。アメブロでも、「この子は専門里親へ行くべきでは?」という子どもを

 預かって大変だったというケースあり。本委託になってから、結果として後出しの

 ように「○○に問題があるらしい」と言われて、「聞いてないよ~」というケースも。

 

・一般的な里親を「養育里親」という。

 障害などがなくても、成長発達と共に自分の出自や生活環境に疑問を持ち、

 精神的に荒れてしまうことも。どのくらい引きずるかはその子次第。

 「荒れるかも」という里親さんの予想が外れて、拍子抜けだったという方もいました。

 実親との交流の有無で揺れが大きくなることも。

 基本、「見守ってあげて」と児相から言われる。

 (その子自身の回復力を信じて待つ)

 

経済的な支援

・里親手当て 1人目 86,000円  2人目 43,000円

 これを多いと見るか少ないと見るかは、いろいろ意見があります。

 貧困ゆえの里親委託であれば、貧困家庭にお金を回せ!とおっしゃる方々も。

 予期せぬ妊娠に対して、中絶費用を出してあげればなどとおっしゃる方々も。

 

 共働きの方には、(たいてい里母さん)に退職を匂わせることが多い。

 「里親手当てがあるんだから、働く必要ないでしょう~」と。

 フルタイムで働いている身としては、現在のお給料だけの問題ではなく

 里親さんの将来の年金にも関わってくるのに~と考えてしまいます。

 たぶん、年金のことはあまり考えられていないです。

 こんなことを書くとお金目当てか!とか、言われそうですが

 「お金は大事だよ~」です。(おっと、歳がばれる)

 そういう意味では、ある意味裕福な人でないと、キツイ部分があるかもしれません。

 もともと自営業(国民年金)の方には、変わりがないかも。

 

・子どもの生活費 約5~6万円 医療費や教育費は実費が支給

 生活費が公費から出ているので、「ひもじい思いはさせなさんな。」ということらしい。

 「世間一般相応の経験・持ち物を与えなさいよ」って。

 でも、教育費も無尽蔵にという訳でもないようです。

 (私の周囲は特別養子縁組をされた方が多く、あまり費用の話が出ません。)

 リフォーム代が出るらしいですが、全ての里親家庭が対象になるわけでもなさそう。

 児相側が「リフォーム代を出してでも、このご家庭にお願いしたい」って家庭にしか

 きっと出ないだろうな~と考えた方が良さそうです。

 実際にリフォームをした里親さんの話は、身近では聞いたことがありません。

 かなりレアなケースの印象。 そういった事実を知らないで、

 「養育里親には○○も支給されます!お金目当てです!」と声高に叫ぶ人は

 いろんな意味で大変な状況の方なのかな~と思います。

 

・子育てに専念する必要はなく、里親の4割は共働き家庭

 共働きの方も結構います。

 うちは関西ではありませんが、議員さんで里親をされている方がいました。

 里親制度を広めるためにもずっと議員さんをして欲しかったのですが、

 議員は引退だそうです。

 

・「自分の子どもとして、ずっと育てることはできないのですか?」

 めったにないケースですが、シングル家庭の親御さんが不治の病に倒れ、

 親戚も頼る人がいないという結果、保護されて里親委託になるケースも。

 子どもが小さいと特別養子縁組対象になるかもしれませんが、

 実親さんの記憶がはっきりある年齢だと、難しいかもしれません。

 児相から「自立までお願いします」と言われてその気になっていたら、

 亡くなったシングル実親さんの元配偶者が出現して、

 子どもを引き取っていったというケースもあります。

 

・養育はあくまでも一時的なもの。

 といっているけど、結果として0~18歳まで里親家庭で過ごす子どももいます。

 

・元の家庭に戻ったり、18歳になって自立したりするまでです。

 養育里親さんの家庭→乳児院や児童擁護施設に措置変更されることもあります。

 不適切な養育をしたならわかりますが、「実親さんの希望で」というケースもあるようです。

 実際のところ「本当の理由」は、里親さん側にはわかりません。

 

・2017年の調査では・・・1年未満    約4割

               1~5年未満 約4割

               5年以上    約2割

 

・「特別養子縁組」とは異なります。

 

・「子どもの気持ちしだいですが、養育を終えた後も交流を続けることはできると思います。」

 高校生以上など、自分の頭・足で動けたりスマートフォンを持ってる子どもは良いのですが、

 中学生以下は子どもゆえに、自由になるお金も無く日常生活にも制限があります。

 思っただけでは交流はできません。交流を保証する仕組みもありません。

 養育を終えた後=自立だったり、実家庭に戻ったり、親族の下に行ったり、

            乳児院や児童擁護施設に行ったり。

 

 就職や進学などで里親家庭を離れた後も、「帰省」と称して尋ねてくるケースも。

 元里子の女性が出産する時に、「里帰り」と称して里親家庭に身を寄せることも。

 実家庭に戻った場合、実親さんが「もう関わってくれるな」と敵意を向けられたり、

 かと思うと実親さんが里親さんを頼ってきて、育児相談のようになっていたり。

 措置変更先の施設に面会を申し入れたら、断られたという里親さんもいます。

 養育家庭としてはどうにもできないことが多く、いろんなケースがあるので、

 ”なるようにしかならない”と達観するしかないように感じます。

 

 ガイドライン上は

 「子どものライフストーリーをつなぐ」という意味で、自立や委託解除後も

 養育里親家庭との交流を続けることも推奨されていますが、実際には当人任せ。

 特に乳幼児は、自らの希望を伝えることができません。

 まわりの大人が、こども達の成長を見守りたいと思っていても、 

 その繋がりを切る前提の運用になっています。

 

 わかり易いのが、乳児院→児童擁護施設への措置変更。

 成長に伴って居場所が変わるのは仕方の無いことですが、

 同じ敷地内にある施設ばかりではありません。

 同じ敷地内にあれば、すれ違ったり行事で一緒になったりと成長を見守れますが

 別の敷地・地域に有る場合、職員であっても意図的な訪問などは出来ないそうです。

 

 児童擁護施設の中でも、

 同じ担当者がずっと関わる訳ではなく、施設内での異動もあります。

 担当者が退職してしまうこともあります。

 (もちろん生き字引のように、この道○十年という大ベテランもいますが)

 施設措置であるが故のメリット・デメリットがあります。

 

 実親さんがせっせと面会が出来て帰宅の見込みがある子どもなら、

 それでも良いと思います。特定の大人との愛着ができます。

 でも、実親さんとの交流が乏しい場合、誰がそれを補完しますか?

 

 そういう意味では、養育者が継続できる

 ファミリーホームや養育里親(願わくば特別養子縁組)が望ましいでしょう。

 しかし社会的擁護ヒエラルキーの中では

 残念ながら一般人(素人)の里親さんは、「最下層にいる」と感じます。

 

 ちなみに制度外にいるボランティアの私は、ヒエラルキーの中にも入っていません(自嘲)

 反対のご意見がある方、ぜひコメントお待ちしています。

 

 

 お読みいただき、ありがとうございます。