始まりのキレツ
1月。
僕らは一緒に住み始めた。
出会ってから3ヶ月。
トントン拍子に引越しが決まった。
二人とも、飲んで帰ってくることも多々あった。
僕は自分のパートナーだけを大事にするとはもちろん、その他のたくさんの人と交流することも大切だと思っている。
そして、彼女も同じ様に考えている人だった。
そんな同じ価値観も結婚を決めた要素の一つだった。
ただ、僕が思っている常識では考えられない事もたくさんあった。
ある晩の終電前、コットンさんから「今から帰ります」と連絡があった。
2つ隣の駅で飲んでたらしい。
「タクシーで帰っておいでよ。」と言ったのだが、
「もったいない!だったら歩く」と却下された。
僕らのお家は最寄り駅から徒歩1分。
彼女が電車待ちしている駅からでも徒歩で15分あれば帰ってこれる。
ところが、30分立ってもまだ帰ってこない。
まさか、どこかで事故にあったのでは・・・
何か事件に巻き込まれたのでは・・・
引っ越してきてまだ間もない。
僕は、繁華街近くに引越ししてきて、まだハイな優越感に浸っていた。
明るいから大丈夫。
そんな過信がコットンさんにも会ったのかも。
とても心配になった。
電話をしても、まったく反応がなかった。
タイミング
タイミングって本当に重要だと思う。
コットンさんが僕と出合った時。
お父様が癌で亡くなられてから約半年。
入院中、お父様は
「早く嫁に行け!」
「お前がよく行っている、そのクラブにとやらには男はおらんのか」
とずっと言われていたそう。
そんなお父様が逝ってから、
お父様がいなくなってから、
「あぁ、私を守ってくれる人は、本当にもういないのかも。。。」
「嫁にもらってくれる人はいないのかも」
と思っていたそうだ。
===========================
僕がコットンさんと出合った時。
3年付き合っていた彼女と別れ、
その後、新たに出会ったコとデートはするものの、二回目のデートの誘いを断られた。
それが
・・・立て続けに三人続いた。
僕はそれまで、結構モテる方だと思っていたので、
いかに3年付き合った彼女に甘えていたのか。
いかに自分は魅力がないか。
を目の当たりにし、
もう女性とお付き合いすることはできないのかも、と自信を失っていた。
===========================
そんな時に二人は出会った。
mixiで意中の人と出会うなんて、
そんなのカッコ悪いなんて思ってた二人が、
実は似たもの同士の二人で、
出会ってから3ヶ月で
結婚を前提に、一緒に住むことになった。
きっかけ
彼女との交流は東京の穴場なお店を共有しあうコミュニティだった。
質問者は○○あたりで和食が食べられるお店ありませんか?と問いかけ、
4万人近い登録者が様々な自分の知ってるお店を教え合うというコミュニティ。
そこで彼女はレバ刺しのおいしい店を聞いていた。
たくさんの人がレバ刺しについて語っていたが、彼女の意中のお店ではなかったらしく、
「新宿がいいな」
「小奇麗でなくていいの」
「他にいいところないかしら」
などと、要求を出していた。
僕は該当するお店を知っていたので、「○○はいかがですか?もし都合が合えば一緒に行きましょう」
と社交辞令で書いていた。
翌日、彼女からメッセージが届いた。
「良さ気なお店ですね。今度よかったら連れていってくださいニャハ」
社交辞令。
でもそれが普通の会話。
ただ、それがきっかけで彼女はちょくちょくメッセージをくれるようになった。
そして連絡先を交換した。
彼女に付き合ってから聞いたことがある。
「たくさんの人とコミュニケーションとってたけど、僕を意識しだしたのはいつ?」
「あのコミュニティではたくさんの人がお店を教えてくれていたけど、
一緒に行きましょう。と言ってきたのはQサンが初めてだったの。
そこからこのナンパな人はどんな人だろうと興味をもったの」
社交辞令の必要性を再認識した瞬間だった。