私の新婚当時の話です。とてもお恥ずかしいのですが…

そのころの私は、主婦という肩書きを持った瞬間に、主婦業を完璧にこなさねばならない、と思いこんでいたようです。独身時代は家事など殆どしたこともないにも関わらず、です。

毎日、自分なりに主婦業をちゃんと?こなしているつもりでした。

しかし、少し予定外のことが起きると(例えば食事の用意をしていたのに、今日は夕飯がいらないと言われたりしたとき)大パニックです。

でも、主婦はそんなことで文句を言っちゃいけないんだ、という今となってはよく判らない固定概念を持っていたようで、その時の感情は抑圧しました。

抑圧した感情は、いくつかたまると大爆発を起こして、それは夫に当たるわけでした。

なによりも、失敗が許されないと、これまたよく判らない思考にとらわれていた私は、料理などのちょっとした失敗にもイライラし、ごまかせるものはごまかし、ちょっとした夫の指摘に逆ギレし………本当に恥ずかしい話ですが。

そんなことをしていると、夫婦関係もピリピリしたものになっていき…よく喧嘩をしていたような記憶があります。

完璧主義は、その一生懸命さは良いのですが、ともすれば、完璧しかあり得ない自分(肥大化した自己)の行動を無理矢理にでも正当化し、他者の意見や行動を、その存在ごと踏みつけるようなことを無自覚に(自分は間違っていないが前提なので)しがちです。

タイトルに悲哀と書きましたが、本当にこうなると悲しいな、と思います。

自分は一生懸命だけど、他の人はわかってくれない→他の人は頼りにならない、自分でやる!→無自覚に周囲の反感を買っていく

失敗できないし、失敗はしない!→失敗したときのダメージは過大に。もしくは無理矢理正当化して、さらに周りを傷つける→もっと、失敗できないし失敗しない!→おそらく最終的に疲弊

こんな負のスパイラルにどんどん陥って往くからです。

完璧にする、というのは響きは良いのですが、世の中に完璧な物というのはどれほどあるでしょうか。正しいことというのはどれほどあるでしょうか。
我々はそれほど正しいことを行っているのでしょうか?

結婚して長い年月がたち、やっと気づいたことです。