『ニトロの憂鬱』


※この物語はフィクションです。登場する人物名や団体名が実際の名称と一致または類似しているかもしれませんが関係ありません。

雑居ビルの一室。
カウンター内に店主。
藤畑登場。切羽詰まった様子である。

藤畑 「あの…これで、都合してほしいのですが」

鞄から紙の束を出し、カウンターの上へ置く。

店主 「いらっしゃいませ。お客様、こちらは…」
藤畑 「どうか、お願いします」 

置かれたものを一瞥する店主。

店主 「かしこまりました。少々お待ちくださいませ」

紙の束を手に取り、一枚づつめくってゆく。
ソワソワしながら待つ藤畑。
店主はどんどん夢中になり紙をめくってゆく。

店主 「これは素晴らしい!ただ今ご用意致しますので、お待ちください」

店主、興奮した様子でカウンターの奥へ。すぐにジュラルミンケースを持って戻ってくる。
ふたを開け、藤畑に向ける。

店主 「こちらでいかがでしょうか?」
藤畑 「こ、こんなに?」
店主 「はい。これだけの価値は十分にございます!」
藤畑 「…ありごとうございます」

藤畑退場。店主、大事そうに紙の束を揃え奥へ。
暗転
雑居ビルの一室。
カウンター内に店主。
猿山登場。常連である。

店主 「いらっしゃいませ、猿山様。本日はご返済で…」
猿山 「いや、こないだ入れたやつは流しちまってかまわねえ。どうせ返すアテはねえからな」
店主 「困りますねぇ……そうしますと、本日はどのようなご用向きでいらっしゃいますか」
猿山 「またいくらか貸してほしいんだ」
店主 「失礼ながら、もう質種になりそうなものはお持ちでないとお見受けいたしますが」
猿山 「あるんだな、それが」
店主 「…では、お伺いしましょう」
猿山 「うちの女房でいくらか融通してくれよ」
店主 「致しかねます。お宅の奥様は、先日流れてしまいましたよ」
猿山 「それが、戻ってきたんだよ」
店主 「わたくしの販売ルートを持ってしてもお宅の奥様の器量では、引き取り先が見つかりませんで…それに、当店の帳簿から一度流れたものはしばらくお取り扱いできません」
猿山 「何だよモグリのくせに」
店主 「モグリにはモグリなりのルールがございます。どうぞ、他のお店へお持ちください」
猿山 「あんなの、他所で質種になるもんか」
店主 「(溜め息)猿山様、現在お預かりいたしております娘さんも、ご返済いただいて、受け戻していただかないと、次の質入れはお断りさせていただきますからね」
猿山 「モグリのくせに細けーなぁ」
店主 「モグリ、モグリと仰いますがね、こちらも誇りをもって商いさせていただいてるんですよ」
猿山 「いやぁまいったなぁ。俺自身が質種になるわけにもいかねえし…」
店主 「しかし、奥様やお嬢様まで質に入れて一体、何に御入り用なんですか?」
猿山 「バカヤロウ!いい席押さえるためには女房も質に入れるんだよそれが男ってもんよ」
店主 「いい席、といいますと?」
猿山 「プロジェクトニトロ(仮)の公演に決まってんだろ!?」
店主 「プロジェクトニトロ(仮)の公演ですか…成る程。では、今回だけは特別に、奥様の質入れで御用立ていたしましょう!」
猿山 「さっすが!話がわかるねぇ!」

暗転
雑居ビルの一室。
カウンター内に店主。
藤畑登場。

藤畑 「ごめんください」
店主 「いらっしゃいませ、藤畑様」
藤畑 「どうも…」
店主 「本日はどうなさいますか?」
藤畑 「利息を…」
茶封筒を店主へ。
店主 「これはこれはありがとうございます。(中身を確認して)確かに」
藤畑 「あの…まだ流れていませんよね?」
店主 「もちろんでございます。こうしてご利息を頂いておりますうちは決して流れることはございません。当店で丁重に保管しております。モグリと言えど誇りと責任をもって商いいたしておりますので」
藤畑 「それは…よかったです」
店主 「そういえば、今回の公演のチケット、なかなかの売れ行きだそうじゃないですか」
藤畑 「え、ええ、まあ。しかし、前に入れた脚本を受け戻すにはまだまだ足りなくて。こうして利息を払いに来るのが手一杯です」
店主 「飛ぶ鳥を落とす勢いのプロジェクトニトロ(仮)の主宰が何を仰いますやら。わたくしも、あの傑作を手放すのは寂しいのですが、お支払いただきましたらすぐにお返しいたしますよ」

暗転
三人の人物がテーブルについている。三人の前には食べ終わった定食の食器。
「…という伝説の脚本があるんだよ」
Ⅱ「へー。デザート食べます?」
Ⅲ「じゃあ、あんみつ…あれ?あんみつとクリームあんみつって何が違うの?どっちにもクリーム入ってるよね?」
Ⅱ「あ、これ、生クリームはどっちにも入ってて、クリームあんみつにはアイスが…」
Ⅰ「ねえ、聞いてる?」
Ⅲ「聞いてるよ。その脚本さえあれば次の公演何やるかで悩まなくてもよい、と」
Ⅱ「で、伝説の脚本ってどんな内容なんですか?」
Ⅰ「さあ…なにせ伝説だからね」
Ⅲ「キャスト何人くらい?」
Ⅰ「さあ…レジェンドだからね」
Ⅱ「なんにもわかんないんじゃないのと同じじゃ?」
Ⅰ「いや、あるにはあるの!伝説の脚本が…!」
Ⅱ「じゃあ、質屋から受け戻してくればいいわけですね」
Ⅲ「どーせどこの質屋かもわからないんでしょ?」
Ⅰ「いや、『丸エヌ質店』ってところらしい」
Ⅱ「ちょっと調べてみて」
タブレットで検索。
Ⅰ「えーっと、丸エヌ質店…あった!」
Ⅱ「最初からこうすれば良かったのでは」
Ⅲ「で、どこにあるの?この辺?」
Ⅰ「…いや、もう無いみたい」
Ⅱ「どういうことですか?」
Ⅰ「大昔にモグリ営業で摘発されて無くなっちゃったって」
Ⅲ「えーっ?ちょっと貸して…なになに、丸エヌ質店は摘発され、質草は押収され、後に持ち主に返却される予定だったが、大震災でうやむやになってしまった。丸エヌで扱っていた質種はがらくたのようなものが多く、特に置き主からの申し出もなかったために調査は打ち切られた…」
Ⅱ「と、いうことは、丸エヌ跡地を掘り出せばあるいは!?」
Ⅲ「いいね!最近ちょっと食べすぎで、運動したい気分だったんだ」
Ⅱ「穴掘りって運動ですか?」
Ⅲ「全身運動だよ。スコップも体の一部のつもりで、こう…」
Ⅱ「なるほど。じゃあ、当日は汚れてもいい服装、軍手必須ですね」
Ⅰ「あのさ、うちは穴掘り集団じゃないんだからね?」
Ⅲ「もしかしたら、繊細な作業も必要になるかもしれないからハケとかコテとかも用意しよう」
Ⅱ「発掘みたいで雰囲気出ますね!」
Ⅰ「だから!プロジェクトニトロは演劇ユニットなんだってば!」
Ⅲ「台本を掘り当てたとして、今のメンバーで足りるかね?」
Ⅱ「確かに。穴を掘るにしても公演をするにしても人手がいりますよね…」

暗転
雑居ビルの地下、稽古場。

木田「東京特許許可局生麦生米生卵カエルピョコピョコミピョコピョコ合わせてピョコピョコムピョコピョコ
(一旦止まる)
…これって変じゃありません?カエルピョコピョコ、この時点でピョコピョコは1回しか言ってないんですよ。
ミピョコピョコってことはピョコピョコ、ピョコピョコ、ピョコピョコって3回言わなきゃダメじゃないですか?
さらに、合わせてピョコピョコムピョコピョコって言いますけど、ピョコピョコの総計は4回なんですよ。
カエルピョコピョコニピョコピョコ合わせてピョコピョコシピョコピョコ。これが正しい姿なんじゃないでしょうかね?
わたしですか?失礼いたしました、自己紹介が遅れまして。わたくし、プロジェクトニトロ(仮)の照明担当、木田でございます。
あ、気づいちゃいました?…そうです!先日演劇アソシエーション主催の大会でライティング新人部門第一位に輝きました木田でございます。
若き天才現る!(バーン)入団半年にして天性の才能を開花させた!(バーン!)これからの活躍が期待される!(バババーン!)
演劇雑誌各紙にも取り上げられちゃいました~フフフ(思い出し笑い)
何で照明担当が早口言葉を練習しているかって?これは、プロジェクトニトロ(仮)の方針で、スタッフもキャストと同じ基礎練習を行うんです。
スタッフっていうのは私たち裏方のことで、キャストっていうのは役者さんたちのことです!
通しが始まれば照明のタイミングを練習したりもするんですけど…あ、通しっていうのは通し稽古のことで、ひとつの台本を最初っから最後まで続けて練習することなんです。
いやースミマセン、ちょいちょい専門用語でちゃって(得意気)何かわからない言葉があったら説明しますので、遠慮なくおっしゃってくださいねー
あれ、もうこんな時間だ。いつもなら皆さんそろそろ集まる時間なんだけどなー
もしかして、私ってば稽古の日間違えてる!?
(スマホに着信あり)
あ、音響の小村さんだ。
(電話をとって)
おはようございます!木田でございます!ハイ、今日も稽古場に一番乗りで早口言葉を…
え?…看板女優が失踪した?…はい、稽古場にはいないです。…あ、はい、わかりました。来たらすぐに連絡します。はい、はい、はーい、失礼しまーす。
失踪って…後1週間で次の公演始まるのに?
はっ、疾走!?疾走して小村さんを通りすぎていったとか?や、そんなことでは連絡来ないよね?
(スマホに着信あり)
えっ、えーっ、主宰からだ!主宰から下っぱの私に直接連絡がくるなんて…!
こないだ賞を取ったときに、はじめてちらっとお話ししたけれど、やっぱりオーラが凄かったなぁ!緊張するなぁ。あーあー、ゴホン、ん、ん
はい、木田でございます!…はい、稽古場におりますが…はい、私一人です。…え?演出家が失踪?失踪って…演出の方、どうしてもプロジェクトニトロで演出とりたくて、かの有名劇団を退団して移籍してきたという…はい、畏まりました、こちらで待機いたします。はい、はい、失礼いたします。
演出さんも失踪!?はっ、まさか、女優さんと駆け落ちとか!?ないか。(自己完結)
あの演出さんが劇団を立ち上げると言えば名だたる名優たちがすぐに集まるだろうって言われてるくらいの人が、どうしてもここでやりたいって言って移籍してきたっていうのに、失踪なんてするんだろうか?
(着信あり)
今度はだれー?…ん?みたことない番号だな…
はい、もしもし?(怪訝そうに)どちらさまでしょうか?
あ、あーあ、脚本の…え?古株の俳優さんが失踪?
最近、失踪流行ってるんですか?いえ…ええ、はい、稽古場にはまだ誰も来てないです。…はあ、みんなで探してる…私もお手伝いしたほうが…あー、そうですよね、入れ違いになるとあれですもんね、解りました。はい、何かあったら、ええ、連絡ということで、はい、失礼しまーす。
ちょっと、今日から通しはじまるんじゃなかったの?演出家と主演の二人が失踪って…
どうするんだろ…
演出家というのは、舞台を作るにおいて大変重要な人物なんです。総合プロデューサーってところでしょうかね。
照明や音響だって、演出家さんがオッケー出さないと決まらないんです。舞台装置から役者の表現まですべてを司る演劇の要なんですよ。その演出家が失踪だなんて…
しかも、今回の舞台で主演の二人まで失踪…。
今回の公演は時間と空間を越えた二人の愛、ハイスペクタクルでセンシティブなハートウォーミングストーリーをコメディタッチで描きつつ現代社会への風刺も交え前衛的でありながら伝統にのっとった手法で表現するかつてない舞台だというのに…
うちの看板女優さん、超美人で、スタイルも抜群!ファンも多くて、彼女見たさにチケット買うお客さん
たくさんいるんです。
古株俳優さんは長くこの世界でやってる人で、実力は折り紙つき。顔も広くて役者仲間から劇場関係者、飲食店のオーナーから果ては大物政治家まで…テレビで見たことあるような人が客席にちらほらいるのは彼からチケット買った人たちなんですって。
プロジェクトニトロ(仮)の重鎮たちがそろって失踪…しかも、本番一週間前に。
あーもーどうしたらいーんだろーっ」

暗転、若干髪型や服装を変える。束ねていた髪をほどくとか、着ていたシャツを腰に巻くとか

A 「…っていう、謎の失踪事件があったんだって。いや~怖いなぁ、怖いなぁ。
一人、また一人と失踪して行き、最後に残ったのはなんと、照明さんただ一人。
え?その後どうしたかって?その照明さんが主宰となって、プロジェクトニトロ(仮)を再興したのが、何代か前の話らしいよ?
今?今も伝統的に人手不足で、一人芝居とかやってる。
えー?違う違う。うちらは飲みサーじゃないって。練習より飲み会の数が多いっていう噂?ないない!
さすがにおんなじくらいだから!いや、練習のほうがちょっと多いかな?
ん?オタサー?うーん…強く否定はできないな。みんななんかしら好きなものあるしなーしかもニッチなとこ攻めてくんだよねーって、違うんだって。
うちらは、演劇ユニットなの!

暗転
雑居ビルの一室、事務所。
イブキ、事務作業をしている。
ユリカ、登場。

イブキ「あ、ユリカさんコレ」

ユリカに領収書を突きつける

ユリカ「何?」
イブキ「衣装代、経費で落ちませんから」
ユリカ「はぁぁ?いつから?」
イブキ「半年も前からですけど。ユリカさん会報ちゃんと読んでます?」
ユリカ「よ、読んでますけど?」
イブキ「あ、もしかして、老眼始まっちゃいました?会報拡大コピーしときます?」

ユリカ、胸ぐらを掴むなど暴力的

イブキ「そういうの、然るべき相手にお願いしますねー」

シオン登場

シオン「お、やってるねー」
ユリカ「は?何を?」
シオン「出動のシミュレーション」
ユリカ「生意気な口きくから締めてやるとこだけど」
シオン「ちょっと、やめなさいよ。イブキ辞めちゃったら人員不足に拍車がかかる。うちの待遇でよくやってくれてるのに。ねぇ」
ユリカ「チッ。ねぇ、衣装が経費で落ちないってどういうこと!?」
シオン「今、どこも経済難だからねぇ」
ユリカ「よその話なんて知らないけどうちはこないだまで出てたでしょ?」
シオン「…最期に衣装買ったのいつ?」
ユリカ「え?……2、3年前…?」
シオン「あの頃はまだよかったぁ。需要があったからなぁ」
ユリカ「今だってあるから出動するんでしょ?そのためにもやっぱり衣装は大事でしょ」
シオン「その2年前の着たら?」
ユリカ「な、なんていうか、時代に合わせていかないとー…」
シオン「前にいつ新調したかはっきり覚えてないくせに」
ユリカ「やっぱり馴染みのスタイルって言うか、うちらイメージ大事でしょ?」
シオン「もう言ってることが矛盾してる」
ユリカ「う……、この年頃の2年って大きいよ」
シオン「ほー?」
ユリカ「変化の時期って言うの?せ、成長期?」
イブキ「ハッ成長期?曲がり角…いや、更年期…」
ユリカ「やっぱ絞めるっ」
シオン「あの衣装結構な露出だもんねぇ。やっぱりちょっとキツいか」
ユリカ「べ、別に…キツいとか、そういう…」
ウェストや二の腕など気にするしぐさ
シオン「いやー…サイズだけの問題じゃなくて」
イブキ「無理のある若作りって痛々しさが漂いますよねぇ」
ユリカ「誰に向かって言ってんのよ!?」
音声 『正義を揺るがす邪悪の華”ダークネスリリー”』

ユリカ、決めポーズ

イブキ「ユリっていうよりドクダミって感じですね」
シオン「ドクダミは体にいいんだぞー。先代の幹部連中はそろそろ引退してた頃だし、無理が出てくるのも当然といったら当然かぁ」
ユリカ「無理じゃないし、引退なんてしないし」
シオン「路線変更が必要かね…イメチェンとか」
ユリカ「イメチェン?」
シオン「そう。露出は若手に任せて、こう…『来よったな、小僧!イーッヒッヒッヒ』みたいな」
イブキ「ドクダミ婆とかどうですか?」
ユリカ「やめて!そんな年じゃないんだから」
シオン「サバ読むなら逆の方が楽なんだって。訓練もサボって遊んでばっかいるからたるむんだよ?」
ユリカ「…(反論したいけど出てこない)」
イブキ「これ、次の出動の要項でーす」

ファックス、もしくはメールのプリントアウトをシオンへ渡す

シオン「えーと…ちびっこワクワクスキー大会の阻止、設定はそちらでお願いします」
ユリカ「は?ガキんちょのスキーを邪魔する理由って何よ!?誘拐とか占拠とか他にもあるでしょ!」
イブキ「昔と違ってコンプライアンス厳しいんで」
ユリカ「はあ?」
イブキ「コンプライアンスっていうのは法令遵守のことですよー。誘拐、暴行、器物破損なんかは完全アウトですからね?」

ユリカ、舌打ち、殴る構え

シオン「まー、まー。えー…雪山にある不思議エネルギーを集めるとか雪ダルマ怪人の製造とかまぁなんか考えようか」
イブキ「雪ダルマ怪人って単体ですか?数出すんなら早めに手配しないと間に合いませんよ」
シオン「怪人集団は厳しいかなぁ…ちょっとくらいなOBあたれば誰か手伝ってくれると思うんだけど」
イブキ「ユリカさんが雪ダルマ怪人やればいいんじゃないですか?特殊衣装なら経費でつくれますよ?」
ユリカ「なんで私が怪人なのよ!?特殊メイクに特殊衣装なら私じゃなくっていいじゃん」
イブキ「わーすごい傲りですねー」
シオン「この仕事はチームワークが大事だから。ね?」
ユリカ「とっとと怪人の募集かけてよ」
イブキ「簡単に言いますけど、人件費を計算してます?」
ユリカ「依頼料から出せばいいでしょ」
イブキ「はぁ。出動毎にその都度の依頼料全部使ってられないんですよ。組織の運営にもお金がかかるんです」
シオン「確かに最近は資金繰りが厳しいねぇ」
ユリカ「助成金は?うち、悪の秘密結社名乗ってるけど、行政公認じゃん?」
イブキ「雀の涙ほどの助成金じゃ1ヶ月の光熱費にもなりませんよ」
シオン「年々減らされてるからねー」
イブキ「正義のヒーローさんたちも色々大変みたいですよ。前、結構出動依頼来てたマッハレンジャーさん解散しちゃったみたいです」
シオン「どんな悪事もマッハで解決!マッハレンジャー!」

三人でポーズ

ユリカ「結構な老舗だったのにー?」
シオン「最近は悪事を解決というよりは、町に木を植えたり、海岸のゴミひろいをしてたもんなぁ」
ユリカ「戦闘は『流血禁止』『武器使用制限』『破壊行為の禁止』…色々制約があって面倒になってきたし…」
シオン「知ってる?最近はガールズヒーローってのが流行りで戦闘なんかしないでステージで歌ったり踊ったりするという」
ユリカ「ヒーローっていう?それ」
イブキ「あ、そのガールズヒーローから依頼です。ダークネスリリーご指名で」
ユリカ「よーし、来た!どこから?」
イブキ「十人十色カラーガールズです」
ユリカ「聞いたことない」
イブキ「二十四人の女子たちがそれぞれテーマカラーを持っていて、毎回入れ替わりで五人くらいずつ出動するらしいです」
シオン「十人じゃないの?」
イブキ「オーディションでメンバー募っていて、まだ増えるみたいですよ」
シオン「時代だねぇ」
イブキ「平均年齢十五歳、ダークネスリリーとの対峙で若さをよりアピールしたいとのことです」
ユリカ「はあ?なにそれ!?絶対いかない」
イブキ「資金不足なんですよ?数こなさないと。どうしてもやらないっていうんなら出動以外の仕事も覚えてくださいね」
ユリカ「は!?先輩に対してそういうこと言う!?」
シオン「規制は厳しくなる、助成金はどんどん減る…出動要請も少なくなって…。この先活動していくには色々と考えないといけないなぁ」

暗転

α「と、いうのがプロジェクトニトロ(仮)のなりたちです」
β「へー」
カチカチ
γ「なるほど」
ガチャガチャ
β「頭壊せ、アタマ!」
α「話きいてた?」
γ「聞いて、あっいてっ」
β「よし、引き摺った。捕まえよう」
カチカチ
一同「イエーイ」
γ「お疲れ様でしたー」
β「で、色々厳しいんでダークネスニトロは秘密結社をやめてプロジェクトニトロ(仮)としてモンハンサークルになった、と」
α「いや、ニトロはモンハンサークルじゃないから」
γ「ですよね。キャンプしたり、穴掘りしたり、結構アウトドア派ですよね!」
α「そういうことじゃなくて。プロジェクトニトロ(仮)は演劇ユニット!
これからも、皆様に楽しんでいただける舞台を作れるよう精進してまいりますので、どうぞよろしくお願い致します」

閉幕