貴子さんが入院してしばらく経った頃

病院で怪我をしたとあきから連絡があり

うちの会社までやって来た。


貴子さんは一人で、移動しようとして

ベッドから落ちたらしい。

病室に来た看護師さんが気づいた時には

どれくらい経っていたのかも

よくわからないらしくて

あきは、病院の管理体制に憤っていた。

 

 

どんだけ痛かっただろうと泣くあき。

確かに80半ばの貴子さんの骨折は、

今後の生活に大きく影響する一大事だ。

ますます動けなくなると

認知症が進む可能性もある。

 

 

あきの心配もわかるが、

起こったことは仕方がなし

病院にお任せするしかないのだから

と慰めたつもりだったのだが

 

その時私たちがすべきは

あきを諌めることではなく

一緒に憤り、泣くことだった。

とういことを、後々知ることとなる。

 

貴子さんが入院が決まった時

入院中に「奢ってよ」と

あきに言われていたので

お金はなかったが、

どうにかあきの気が紛れて

ご飯をしっかり食べれる様にと

うちの自宅飯に誘った。

 

初動で、間違えた私たち(主に私)だが

気晴らしになればと誘った

食事会がさらにあきを怒らせる

(あき的には傷つける)事になろうとは

夢にも思わず。