その日、私たちはあきの提案で

ステーキランチに来ていた。


あきが『ご馳走するから行こう!』

ってことで、牧さんと3人で出かけた。

私の誕生日か、牧さんの

誕生日だったと思う。

 

老舗ホテルの中の

目の前で焼いてくれる

ちょっと贅沢なランチだ。

 

 

しかも、あきは一番高い

国産牛のコースを頼んだ。

一人7,000円くらいしたと思う。
 
こういう高級なところに来ると
たいていあきが仕切る。
まあ、一番離れしているのは
間違いないのでお任せする。

 

ランチにしては高価で

申し訳ない気はしたが、

あきの決定に

口を挟むことはできない。

 

国産牛のステーキランチは

とても美味しく

パフォーマンスも楽しくて

とても満足いくものではあったのだが、

 

最後にご飯は

白ごはんにしますか?

カーリックライスにしますか?

聞かれて

私と、牧さんが白ごはんをお願いすると

 

「ダメダメ、ここは

ガーリックライスよ」と、

有無をいわせずオーダーを変えられた(笑)

あきからしたら、無粋だったのだろう。

 

焼肉屋じゃあるまいしってことかな。

 

私はともかく、

牧さんはニンニクが苦手だ。

ご馳走になっといてなんだけど

あきの言い方、やり方は

ちょっと見下されている感じがして

気持ちのいいものではなかった。

 

まあ、結果ガーリックライスは

美味しかったんだけど(笑)

喜んで食べてしまう、私のこういう所が

あきの強引さに拍車を

かけたていたのかもしれない。

 

他の場面でもそういうところは

ちょいちょいあった。

 

まあ、着ている洋服のタグを確認された

10代の頃から変わっていないといえば

変わっていない。

 

付き合いも40年近くになると

こういうところは嫌だなと思っていても

根底に信頼関係があれば、

嫌いにはなれないし

関係は続くと思っていた。