あきの母貴子さんは、

80代になっていた。

血糖値が高かったり、

血圧が高かったりと持病もあった。

 

あき貴子さんのことを

本当に大事にしていた。

 

 

食の細くなった貴子さんのために

3度の食事に毎日頭を悩ませ

 

毎日快適に過ごせるよう

身の回りの環境に気を使い

全てを貴子さんファーストで

 

介護認定が降りていたので

いろんな制度は使っていたと思うが

基本一切の介護を一人でしていた。

 

もちろん、入浴も排泄もだ。

 

夜、何度も起きることも

あったようだ。

 

出かけるとき一人にするのが心配だからと

見守りロボットのラボットを購入したりと

側から見たらいたせり尽せりだが

 

あきが壊れてしまうのではないかと

牧さんも私もあやも心配していた。

 

貴子さんが倒れたと、

連絡があったその日も

あきはやっぱり泣いていた。

 

検査のため入院した救急病院も

コロナ禍のため

入院したらいっさい面会はできなかった。

 

週末、救急病院に状態を

聞きに行くというあきがあまりに

心細そうだったので

タクちゃんに車を出してもらい

40分かかる病院に駆けつけ

あきを送迎した。

 

それくらいしかできることがなかった。