あきの病気が発覚して

手術、治療と大変な時期が続いた。

 

あきがどれくらい休職していたのか

今となっては記憶が定かではない。

 

寛解して普通に働けるようになるまで

半年から1年はかかったように思う。

後遺症と思われる症状にも悩まされて

すっきり全快とはならなかった。

 

あきの通院していた病院と

私たちの会社が近かったこともあり

通院の折には、時々顔を見せてくれた。

 

正社員になってすぐ休職したので

移動などもあり、気心の知れた

職場ではなかったようで

精神的にもかなりしんどそうだった。

実際、精神科にも通っていた。

 

元々神経質で

気が小さいところのあるあき

 

 

誰かに言われた些細なことで

泣いたり、怒ったりしていた。

何度聞いても、なぜ怒っているのか

わからないことも多々あった。

 

私自身が大病をしたこともないし

介護もしたことがないので

そういう状況に置かれたら

そう感じるのかもなと思い

話を聞くことしかできなかった。

 

あきが、出勤している間は

一人で留守番していた貴子さんだが

だんだん一人にしておくのも心配になり

あやの勧めもあって

デイケアに通うようになる。

 

そんな生活が、

1年〜2年続いただろうか。

 

2020年春、世界は

コロナパンデミックに見舞われ

幸か不幸かあきは、

完全リモートワークになった。

 

これでひとまず、

貴子さんを一人にする時間が減るし、

通勤の負担も減るの。

 

あきにとってリモートワークになった事は

これまた、不幸中の幸いでした。