短大を卒業した私は、就職し
地元近隣の県庁所在地で一人暮らしを始めた。
一度、繁華街で
肩で風切って歩くあきを見かけた。
あきの視線に入らないように、
すっとルートを変えて柱の影に隠れた(笑)
その頃付き合っていた彼氏が一緒だったから
っていうのが理由だけど、
私が一人で歩いていたとしても
声はかけなかったように思う。
そもそもあきとは、
二人っきりで遊んだ記憶がない。
近況報告をするのも、
彼氏を値踏みされるのも面倒だった。
大学を卒業したあやは
私と同じ地元近隣の県庁所在地で就職し、
さやかは、東京で就職を決めた。
後になって本人から聞いた話だが、
あきは、東京の専門学校に進学したものの
家庭の事情で中退し、
それでも大都市圏の大手メーカーに
念願だった秘書として就職したらしい。
その後、地元近隣の県庁所在地で転職し
これまた大手有名会社の事務職に就いた。
私が、見かけたのは転職前か後か定かではないが
当時バブル期で売り手市場だったとはいえ
大手企業に就職できるあきは優秀だったと思う。
あくなき向上心も中々真似できるものではない。