お久しぶりです。まだ生きていました。今年もよろしくお願いします。

池田さんのブログで、国債の95%は日本人が買っているとの記述がありました。

確かに外国人には日本国債は為替リスクを超える魅力は無いでしょうが、日本人にとっては、為替リスクを考えると、まず国内の資産が魅力的に見えるのは当たり前であり、その中で安定資産として国債を考えるのは当然なので、まぁ、買う(しかない)でしょう。ほかに買いたいものがあれば別ですが、国内の金融機関が国債を超える魅力的な金融商品を出せ(さ)ないのは、もしかしたら政府の差し金なのかもしれない、とまで思えてしまいます。

あとは、海外の資産(為替リスクの分の下駄があるので高リスクになりがち)を自分のポートフォリオにどう加えていくか、結局は、そこのところの見極めになるんでしょう。
ただし、リスク資産はそれほど大きなパーセンテージにはしないのが普通なので(とくに資産運用を考えるような高齢者は)、結局は国債が買われる、、、というスキームが変化するとしたら、そりゃ大変なことに違いないでしょう。
踏み上げ太郎さんのところ経由でジム北川さんがブログを始めた、というのを読んで、動画とかを見始めました。
自分でこつこつ記事をあたる暇がないので、なんとなく市場の風向きを短時間で把握したい、という自分のニーズに合いそうです。

http://nykabu.blogspot.com/
ずっと、タイトルはその数「字」だと思ってました。ちょっと眺めてみた後でも、「数字」とすべきだと思いますけど、「数学」だったからこそ売れた面があったかもしれないですね。これこそ無作為抽出なテストで検証可能な事例だと思います。

その数学が戦略を決める/イアン・エアーズ
¥1,800
Amazon.co.jp

この本の何がすばらしいって、章末にまとめがあり、巻末に詳細な註と参考文献の紹介があることです。
実際、立ち読みでいくつかのエピソードを読んでいたし、「ヤバい経済学」も読んだことがあったので、章末のまとめをひととおり読んだ今では、もう全部を読み返す必要を感じません。

ただし、こういう読み方を誰にでも薦めるわけではありません。私はこの本で説かれていることについて、十分納得できるし、統計上のテクニカルな内容についても、日常的に利用している関係から、ある程度理解している自信があるので、詳細は忘れてしまっていいと思っているのです。

実際のところ、この本で取り上げられている問題について、すぐに納得・理解できない人は結構いるのかもしれません。その場合は、ひとつひとつのエピソードについてじっくり読み込んで、冷静に考える時間をおいて、また読み返すなどの手続きが必要かもしれません。統計的手法についても、具体的な例をきちんとおさえておけば、理解の助けになることもあるでしょう。

さて、本書の肝となるのは、おそらく「専門家」と「統計的分析」の対立なのではないでしょうか。どっちが役に立つのか?
そんなの、ケースバイケースに決まっています。それぞれにかかるコスト(人件費vs設備にかけるお金、専門家を養成する費用vsデータを蒐集する費用と法律的障害とか)が違いますし、能力(人間には扱えるパラメータはごくごく限られている)も、出してくる結果(相手の立場を思いやった言葉vs数字やYES/NOだけ)も違います。
要はそれぞれの特徴を勘案した上で、どちらかを選ぶ、もしくは両方の良いところをポジティブにフィードバックさせあうのがベストなわけです。そんなの当たり前です。
でも、そういう相対化がうまくできない場合があるんじゃないでしょうか。医師の診断ならば甘んじてうけいれられるけれども、ググった結果自分が不治の病だと思い知らされるなんて嫌かも知れません。でも、「だから医者がいい」ではなくて、最良の判断+あなたのメンタルケア=医療なんだと考えることもできるんじゃないでしょうか?コンピュータとちがって、医者はメンタルケアのインターフェースとしてはすばらしい資質があるのは自明じゃないでしょうか?

本書はそういうスタートラインに着くための良い手引書だと思います。
サービスの利用者にとっても、サービスにかかわる「専門家」にとっても。

--関連図書--
ヤバい経済学 [増補改訂版]/スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー
¥2,100
Amazon.co.jp
すでに読んでいるでしょうけど。
長いこと様子見でした。2009年のスタートは、上がるのか、下げるのか、、あんまりポジティブではなかったように思います。
バッドバンク構想も難航しているようです。結果として、政府の使う無駄なお金が少なくて済むかもしれませんが。
http://zai.diamond.jp/servlets/Query?SRC=zai/serial/column&cate=hirose&art=56
http://blog.goo.ne.jp/kitaryunosuke/e/af94d24c705d086f6ee26a75b8d8e13f
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/84b43aeb17d4b74b195adde2cbf4fdf5

米12月中古住宅販売保留は6.3%となり、事前予想を上回ったようです。
住宅バブルだったところはまだ下がっていますが、そうでないところでは10%ぐらい上がっているところもあるとか。
投売りで価格低下が起きて、人々の食指が動いたんでしょうか。
早速為替はユーロ買いの動きが出たように思えます。米景気の好材料がドル売りにつながる(踏み上げさんのところで読んだ分析による)のは面白いことです。

心配なのは、景気低迷が長期化すると、こういう反応もでづらくなることでしょうか。
最近はベア氏の名前を見ることが多かったのですが、女性だったんですね。今やポールソンは政権交代とともに過去の人。
http://gaikokukabuhiroba.blogspot.com/2009/01/blog-post_9840.html
財務省を押しのけて、議会が金融関係法案を通そうとする流れについての記事。
http://zai.diamond.jp/servlets/Query?SRC=zai/serial/column&cate=hirose&art=53

シーラ・ベア氏がすすめるアグリゲート銀行構想(英国ではBad Bankというらしい)についての解説
http://gaikokukabuhiroba.blogspot.com/2009/01/blog-post_1791.html

シーラ・ベア氏はFDIC(連邦預金保険公社)の人。

そのアグリゲート銀行に対するポール・クルーグマンの反論
http://www.nytimes.com/2009/01/19/opinion/19krugman.html?_r=1 Wallstreet Boodooとまでいわれてます

http://krugman.blogs.nytimes.com/2009/01/18/more-on-the-bad-bank/ "More on the Bad bank"
 「みんなはRTCみたいなことを期待しているんでしょ?でもそうはならないんじゃ?」という感じ?

オバマ政権の景気刺激策について、英語のblogでたくさんのエントリが書かれているけれども、とても読みきれない自分の英語力が恨めしい毎日ですが、ふと思ったのが、タイトルにあるような対比です。

大きな政府って、ほぼ確実にうまくいかないのではないか?ということ。
結局、がんばったコストの分だけ、負けがひどくなるだけ、なんでは?
特に、未曾有の不況で、暗中模索の段階で、あがけばあがくほどリスクも高まるのでは?

そんなら、この場合、グローバルなポートフォリオとして、手堅いパッシブファンドに相当するものって何だろう?

一方、こんなことも考えます。
たとえば、トータルのリターン=GDP成長は数パーセントマイナスかもしれないが、富の80%、いや90%を、一握りの人々が占有している社会で、その富を、いくばくかのコスト(=大きな政府)を支払って分配するだけで、世の中の9割近くの人々の生活水準を倍にすることはたやすいことではないか?

頑張って生産性をあげてきたアメリカでさえ、その伸び率は年3%程度。
政府の「無策」によって10年以上を失ってきた日本でも成長がマイナスだったことは数えるほどしかない。

というわけで、「持たざる人」である私(と、多分世の中の多くの人)は、バラマキに反対する合理的な理由が見つからないわけです。

でも、この考え方の落とし穴は、「無策」に見える日本にしても、実はおもいきり足掻いていたのかもしれないということ。全力で走り続けて、それでなおかつゼロ成長だったのかもしれない。
手抜きしたら、日本全体の生活レベル低下は数パーセントほどではすまないかもしれない。
いや、それよりもっと切実なのは、ちゃんと声をあげ、自分の取り分をちゃんと確保しなければ、世の中の一握りへの富の集中はますます強化されてしまいかねない、そうなれば、国全体が成長しても、国民の大多数の生活レベルは凄い勢いで低下する、という、これまでの失われた10数年の拡大再生産になりかねない。
こういう観点では、アクティブにならざるを得ないのか、とも思いました。
不況だと、パッシブファンド(=資産)持っていても、大金持ちじゃないと食ってはいけないのです。将来への投資もしないわけにはいかないですが、その原資の確保のためにキャッシュフローの改善が急務です、、、と、またこれかorz....

まぁ、キャッシュフローに汲々とする無駄を省くような政策が実施できて、なおかつ、新規投資へのモチベーションを掻き立てる政策を望むわけです。
民主党議員が「住宅ローン破産改正法案」を提案ってのは、そういう流れだと思えば、いいのかな?
(参照:ダイヤモンド・ザイ・オンライン

(2009/1/15追記)
オバマが保険会社に「効率よく弱者を救うこと」という注文をつけた 、というエントリーを見ました。
今日の自分のブックマークを見ていて、商売のネタを考えよ、という神様のお告げのようなので、考えてみる。

金融そして時々山: 私の心身脱落その1 kitanotabibito.blog.ocn.ne.jp  →年初にあたって体に投資
ブログ版/不動産業界の歩き方 過渡期 nkgw.blog45.fc2.com  →不況こそ創造的破壊のチャンス
旧白洲邸 武相荘:DESIGN IT! w/LOVE gitanez.seesaa.net  →古きよきものは尊重すべきだが、贅沢でもある
隷属への道 - 池田信夫 blog blog.goo.ne.jp:ikedanobuo  →現状維持で頑張るよりも、「身を捨てる」ところに救いがある。それは個人の直観に反するのでメディア受けしない
Karetta|インデックス投資イベントのお知らせ(1/10) karetta.jp  →投資とそれに関するイベントのマーケットが、early-adaptorの層を捕まえつつあるかも(山崎元氏のブログにも記事あり
Macworld2009に出展してみて - Keep Crazy;shi3zの日記 d:id:shi3z  →起業と先駆者のすったもんだが楽しいが、それよりも、「成功する商業イベント」の雰囲気が参考になる

というわけで、ポイントは2つ
・創造的破壊をしていく企業に投資を集中する。自分が起業できなくてもいい。自分の見通しに沿った企業に投資すれば同じだ。ただし失敗のリスクは高いと思う
(それと相補的な観点としては、破壊される側の企業は、買収時に株価が高騰するから、それを狙ったアービトラージ投資戦略は成立可能だろう。でもそんなインサイダー情報は持ってない)
→でも、まだ今年のキャッシュフローは計画上はネガティブなんで、新規投資、しかもハイリスクの投資はやりずらい。でてこい!キャッシュフロー!

・起業というか、自分の見通しにそったことをやりそうなベンチャーに参加する(仕事をいただく)
→投資イベント企画会社
→不況脱出、zombie企業破壊、雇用創出ロビーイング団体組織(PRとして)
→シャッター街のopen (re)source化で、どんな商いのコストダウンが可能かリサーチ

あんまり自分に向いてなさそうなのが難点だが、やってみなけりゃわからない。

自分が生業としてきたプログラミングってのも、自分の子どもの世代からみれば農業みたいな「贅沢」=zombie産業かもしれないのだ。

追記:池田信夫氏のブログにソーシャル・キャピタルの本の紹介などがあった
ヘッジファンドが壊滅的な打撃をこうむった2008年。
投資銀行も姿を消した。

ヘッジファンドが多用していたアービトラージ戦略。それは、あらかじめ想定された均衡ポイントと現状のゆがみを見つけ出して、それが均衡にもどることを期待している。つまり、マクロ経済理論に均衡が存在したころの無邪気な戦略と言える。
均衡が存在しないケースもある、とした場合、能天気に「アービトラージは儲かる」とはいえなくなる。そのリスクをメジャーする方法は、、「均衡を過程した理論の中には」無い。

では、「市場リスク 暴落は必然か」の著者お薦めのゴキブリ型の戦略は何もたらすのだろうか、、、結局は、彼らは少しづつ「損をしつつ」「生き延びる」のではないか?彼らの生命力の源は結局太陽という外部要因で、それを食いつぶして行くのみで、ゴキブリがマンハッタンを作ったりはしない。

勝者の戦略は、これからも存在すると思う。たとえば、安定したゴキブリの生態系が存在することを看破できれば、それにtuneした戦略を取れば良い。freerider戦略である。これは統計的に勝てると思う。

なぜ、今、皆が証券会社を敬遠するのかわからない。個人投資家(ゴキブリ)達が、ミサイルや爆弾で遊ぶのではなく、パチンコでスってくれるのだから、これほど安全で美味しい商売はなかろうに。
ようするに「希望に満ちた」「安全な」ゲームセンターにすればいい。

ちゃんと勝者を作れば良い。(教育のてこ入れ、市場整備)
楽しくて、勝てる(こともある)ゲームですよ、と宣伝すればいい。(景気対策)
そして、ひどい敗者を作らないようにすればいい。(セーフティネット)

そりゃ政府の仕事だろ。
というわけで、投資銀行の勘定を、米国政府はひきついだわけだ(笑
トヨタがこけた。という報道というか、ブログの記事(既存のメディアは、大手スポンサーでもある製造業者についてネガティブなことが書けるはずがないですが)をいくつか見かけて、「ああやっぱり」という気持ちは拭えません。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/ef3717e9e0e6567129692656b0d8bfd9
http://blog.goo.ne.jp/kitanotakeshi55/d/20081222 (12/23に多少訂正あり)

「やっぱり」というのは、すでに株価は下がっていたわけで。
でも、「ああ」なのは、その下がった株価は「値ごろ」じゃないか、というスケベ根性もあったわけで。

だからといって、トヨタが「死ぬ死ぬ詐欺」をしていない、という保証は無いと思います。
このまま一人勝ちを気取っていたら、ビッグ3のうち、1つや2つ、背負わされかねない状況ですし、格好つけて国内の雇用を支えるなんてことしても、今ビッグ3が喘いでいる原因である高賃金の種を蒔くようなもの。切れるものは赤字にかこつけてどんどん切って、リストラしてV字回復!というマジックはゴーンがすでにやったことです。

日本だからダメ、というか、日本のおかれている状況では、現在の製造業は競争力を維持するのが難しいのは、さすがに経済が素人のワタシでも納得できるようになってきました。しかし、グローバルな企業であるトヨタがダメ、ということにはなりません。トヨタがダメ、ということは、クルマ産業がダメ。ということです。つまづいたとはいえ、BRICSが普通に伸びていけば、車はまだ売れる余地があると思えます。
トヨタはプリウスをすでに持っていて、今後、再び資源価格高騰もありうるのですから、なおさら強力なプレーヤーであることは自明だと思えます。

それでも、アメリカの過剰消費に合わせたLexusみたいな部分は、今、切り捨てなくてはだめでしょう。そのための死ぬ死ぬ詐欺、いや、実際は、既存メディアの過剰サービスなんでしょう、と、ワタシは曲解しております(笑
(追記:ピックアップトラックのような商品も動かなくなったそうです

一方、トヨタではない私を含めた大多数の日本人は、「日本国内で」モノづくりを指向すべきなのか、という面では、そりゃ無理だな、という気持ちです。
デザインをするのはいいと思います。でも造る現場に日本人の給与は払えないし、今や、日本に存在していたものづくりの秘訣というか、refinementのknowhowは、人材とともに流失し去ったというのが現実でしょう。
日本は、イノベーションの現場にならねばならないと思います。
モノを創る。
または、モノ造りの現場を創る。
ただし、後者は、現場で行われるのが効率が良い。それはすでに日本のカイゼンが示しました。そして、現場は日本に無いのです。
よって、消去法ではありますが、モノを創る。もしくは、これまで非常に生産性が低かった非製造業のプロセスを改革することがターゲットになるんでしょうね。

ああ、やっと、みんなが言っていることがわかってきたような気がします(遅

でも、「非製造業のプロセスを改善する」って、具体的にはどうするんだろう?
ワタシのドラッカー詣では続きそうです。
最近、この本を読みました。
オンリーワンは創意である (文春新書)/町田 勝彦
¥735
Amazon.co.jp
シャープの経営者だった人ですが、シャープが亀山工場などで目指したことは、core competenceを工場の生産プロセスというかたちで国内に残すことで、国内の雇用を維持しようという目論見もあったそうです。
(他に、ブランディングについて、とても興味深いエピソードがいくつか紹介されていました。液晶TVのブランドをきわだたせるために、普通の白物家電のPRを絞る、とか)

一方、池田信夫氏のブログ では「The Venturesome Economy」 という本が紹介されていました。
日本は技術的な知的財産の生産者としての製造業は優れているが、本当にイノベーションが起きるのはサービス業(政府も含む)なわけで、知的財産をいかに活用するか、そのマネジメントに革新が必要だとしています。
その場合、製造業側が知的財産をクローズドにしてしまうと、サービス業からの知財へのアクセスが悪くなり、イノベーションは停滞する恐れがある、という話のようでした。

要するに、大メーカーがそれぞれガラパゴスを形成してしまって、アイデアに富んだベンチャーが大メーカーの知財にアクセスできなければ、国は滅ぶ、と。極端な話ですが(汗

シャープが生き残るためには、オンリーワンの戦略はアリだとおもいますし、彼らこそベンチャーだったのだという見方もできますが、それをどこのメーカーもやってしまえば、、、やっぱり、国破れて製造業あり、みたいなことになるんでしょうか