今日の裏磐梯は、残念ながら、雨が降っている。少し、風もあるようだ。だから、チェックインしてから、ホテルから一歩も外へ出ていない。

本来、ホテルの部屋から見えるはずの裏磐梯の勇姿も、深い雲に覆われて、ちらりとも見ることができない。

だが一方で、それほど残念に思っていない自分もいる。ホテルの図書室でココアを飲みながら村上春樹のエッセイを読んだり、雨にうたれる弥勒沼をぼんやり眺めていると、不思議な程、気分が落ち着くのを感じる。

特に雨の中の沼の景色は、飽きることがない。風に吹かれる雨粒は、時に強く、時に優しく水面に文様をつける。その姿は一瞬で、二度と同じ姿に戻ることがない。

雨が好きな訳ではないが、雨は必要なものだし、こんな時間を過ごすことも、時には良い事だと思う。