ハローワーク(ファイル2)
当日の面接担当は三宅室長・山下・あたしの3人。清水さんは2次面接に回ることになった。
面接をされる4人は女性1名、男性3名。
第一号は元警視庁。山下のオススメ。直接電話の応対をしたのが山下。
「なんか、ハキハキした受け答えで好感が持てた。しかも警察官だから体育会系だろうし。そういう人この塾にはいないからかなりいいっっ」
ほぅ~
で、30代の元警察官登場。
「こ、こんにちは。。。」
玄関に足を踏み入れた時点で猫背!きょどってるしっ!!
こ、こいつが体育会系??
横に立ってた山下に目で合図を送ると苦笑い。
別室に通して面接開始。
三宅室長が先頭に立って質問。
履歴書を見ながら、かる~く突っ込む。
「志望動機が国語の教員免許を生かしたいからとあるんですけどぉ~もう少し詳しく動機をお聞かせいただきたいんですけどぉ。。。」
ふむ。。。ここでもカマスタイルなのね(笑
しばらく元警察官は沈黙。じっと三宅室長の顔を見ると、ぼそり一言。
「そこに書いてある通りです。。。」
え!何だって?
色々と三宅室長が質問しても
「そこに書いてある通りです。。。」
の一言。履歴書に書いてあることをオウム返し。
ちみはやる気あるのかい??
「営業もやってもらいたいんですが、それについて意見は?」
「特には。。。」
果ては
「3年後には自信を持って教えられるようになりたいです」
なんだって!3年っ!!
は~い。ぽいっと
二人目。元塾講師。こちらも30代男性。
比較的受け答えがまとも。が、
「明日、生徒をどうしても一人入塾させなければならないとしたらあなたは何をしますか?」
の質問に
「目からウロコの落ちる授業をやって友人紹介をさせます」
おいおい。。。目からウロコの落ちる授業ってどんなだっ。このご時世、そんな純朴な生徒はいないよ。
とりあえず模擬授業を見る。落ちるどころかどんどんたまるウロコ。
は~い。ぽいっと
三人目。50代女性。元塾講師。
どうにもなりません。。。
ものすごい高学歴なんだけど。。。
面接中、視線をこちらと全く合わせない。。。
ものすごい早口。。。
軽度の対人恐怖症です。。。
四人目。30代男性。学歴・経歴問題なし。彼こそが期待のホープ。もちろん一発採用。橋本さん。
が、彼も問題を抱えていた。。。
ハローワーク(ファイル1)
3月いっぱいで社員が二人(川崎・軍司)も辞めてしまうために、ハローワークに求人募集をこの会社はしている。(正確には本体の会社じゃなくて塾のほうだけね)
で、毎日ハローワークから問合せの電話。ほんとに毎日2件は来る。
「もしもし~○○ハローワークです。求人の問合せがあります。責任者の方、いらっしゃいますか?」
とハローワークの受付の人。
三宅室長は授業やら面談やらで忙しいので、ほとんどあたしが出る。
「はい。あたしが承ります」
「えーと。まだ求人募集されてますか?今、そちらの会社の応募をしたいと言う方が見えてます」
で、必ず最初に聞くのが
「何歳の方ですか??」
「えー54歳の方です」
またかよっ!!
「そうですか。。。とりあえず履歴書と職務経歴書をこちらまで郵送してくださいと伝えてください。それが一次選考となります」
とまあ、送られてきた書類50通強。
45・51・64・72。。。
どんどん増える数字!いったいなんだ??
お分かりですよね。お年です。
かな~り、いかれた(年をとっているという意味ね)方ばかり。
清水さんに
「なんで年いった人しか応募ないんですかねー」
答え
「んー塾で教えるって誰でもできると思ってるんじゃない?だから定年退職した高学歴の人も多いでしょう」
そうなんだな。かなり偏差値の高い大学を卒業してるんだよねー。
「それって舐めてるってことですよね??」
「まあ、そうともいえるねえ」
「ここではっきりさせておこう。教える=子供の成績を上げること これが塾の務め。
あんたの頭がいくらよくたって、教えた生徒が自力で問題を解けるようにならないと意味がないのだよ。子供だと思って舐めてきたらぶっとばすっっ
てハローワークの募集欄に書きましょうよ」
と提言。さすがの清水さんも却下。
悲しい。。。塾のちっぽけなプライド
で、そんな中、4名の応募者との面接が開かれることになった。
カツオの一本釣り
夏の遊びの一つ。
船長の「鰯まけえ、水まけえ」の合図で仲乗りのおじさんがどんどん餌の鰯を巻き同時に海面に放水。
船長は竿をとり、船の先頭に陣取るとバケ付の針を海面に放り投げた。
突然
空中から60センチ強の魚が船中に飛んできた。
ドスンという音の先を見ると紛れもないカツオ。
「みんな、いけえぇぇ、釣れえぇぇ」
と竿を振りながら船長が叫ぶ。
我等素人釣り軍団はおのおの竿を手に取るとがんがん針を海面に投げ入れる。
その途端、
凄まじい力で竿が海中に突き刺さった。
「や、やばい、竿をもってかれるう」
ひったくるような感じでカツオが引く。
掛かったら一気にゴボウ抜き。
空中を舞うカツオ、カツオ、カツオ~~
船長は2秒に1匹の速度で次々釣り上げる。
飛んでくるカツオを避けながら釣る我ら。
それでもよけきれず、Tシャツはカツオの血で真っ赤。
船内は戦場。
みるみるうちにカツオで足元が埋まっていく。
かなりでかいカツオの群れに当たったようで、1時間ほど爆釣。
餌が底を尽いたところで終了。
計測の結果、
釣ったカツオは15人で600匹。
(そのとき載った新聞記事)
馬鹿釣れである。
相模湾長井がその場所。
ちなみにメジマグロ(黒マグロの幼魚)は10人で300匹釣ったことがあります。
まさる事件
今まさに絶滅の危機に瀕している小学生がある。
まさる族
彼らの存在はまさに珍獣。
では、ジャブから
「せんせ~今日のおらのはこれ~」
と言って、来たそうそうズボンをずり下げて、パンツを見せる。
しかも紫のビキニだったりする。
「いいからしまって早く教室にいけっ」
ストレートを
「もう~金田さん。あたし嫌ですっ。。。うぅ」
と突然教室から飛び出し、泣き崩れる新人女性講師。
「ど、どうしたんだ!!」
よくよく聞いてみるとこう。
授業を始めるために教室に入りました。
いつもは騒々しい小6のクラス。
がその日に限って、水を打ったように静か。
どうしたんだろう。。。まあ、静かなほうがやりやすいし。
「では授業を始めます。まあ!前の授業のがホワイトボードに残ってるじゃないの!」
と言ってホワイトボード消しを手に取った瞬間、
「あははははーあははははー」
と教室中が爆笑の渦。
え!え!と思いながら
しゅっしゅっとホワイトボードを消していくと
爆笑音が1オクターブ上がった。
さらに自分の手首に違和感。いつもよりホワイトボード消しがひっかかる感じ。摩擦が大きい。
ふっと、そのホワイトボード消しを見ると、
なぜか紫色の布!!
突然、後ろの席のまさるが
「それっおらのパンツ」
と叫んだ。
「い、いやあぁぁぁぁ。。。」
脱ぎたてだったらしい。
仕方ないので、まさるを怒りに教室に行くが、あたしもどうしても笑いが止まらない。頬をぴくぴくさせながら
「ま、まさるっ。お前面白すぎっ。とにかくパンツをはけっ」
と問題のホワイトボード消しを掴んであたしは言った。
「はいっ」
と言って、まさるはバッグから純白のパンツを取り出す。。。
「えぇぇ!!」
どよめく教室。
「お、お前、なんでパンツ2枚持ってる!!?」
ふるちんになって、中腰の状態で
「万が一のためだよ~」
なにが、どう、万が一なんだぁぁぁ(爆
あるのかないのかどっち事件
「三宅室長~今まで来た人の来塾問合せカードみたいのない~?」
講習は終わったが本格的に通常の生徒を集めなければならない。今まで来塾とか電話問合せのあった家庭にもう一度販促をかけてみようと思った。
「うーん、こんなのでいいかなぁ~」
と持ってきたのが、ぱんぱんに膨れ上がったクリアファイル。今にも中の紙が落ちそう。。。
おいおい、ちゃんとファイリングしとけよ。しかも何!!もう紙が黄ばんでるんですけどっ!
かなり古くからの問合せ記録も保管してある。というかそのままクリアファイルに入れっぱなしと言ったほうがいい。
一枚一枚見ていくと。。。
ん?ん??なんだ電話番号書く欄がないじゃないか。。。これじゃあ、電話できない。。。
とりあえず、住所は載っているので過去3年前までの来塾&問合せ家庭のみ引っ張り出し、104で問い合わせ。
後日、
「どうですか?金田さん。生徒増えそうですか?」
と打ち合わせ中に清水さん。
「ん~なんとかしますよ。今、昔の来塾家庭に電話をとりあえずしたりしてます。あ!そうそう、清水さん。なんで来塾・問合せカードに電話番号書く欄がないんですか??あったほうがいいと思うんですけど」
「え!あるよ」
えぇぇ!!
「いや、ないですよ。この前三宅室長に出してもらったもん」
と鞄に入れてある来塾・問合せカードを引っ張り出して見せる。
「これ、違いますよ」
ん?んん??何が。。。
「これは来塾アンケートで、他に来塾受付カードありますよ。そこには電話番号書いてもらう欄あります」
初耳だっ!ていうか、三宅室長はこれしかないって言ってたもん。
「わ、わかりました。じゃあ、今度もう一度聞いてみます」
後日、
「三宅室長~なんか清水さんが 来塾受付カード ってのが他にあるって??そんなのあんの??」
「ん~知らないなぁ~この前渡したのあるでしょぅ。あれしかないと思うょ」
おかしい。。。どっちが正しいのか。。。
結局
軍配は清水さん。来塾受付カードなるものが、おびただしい数のダンボール箱の中から出現。
「ごめ~ん。あったねぇ~」
と三宅室長。カマスタイルは常に崩さない。
こんなことが実はしょっちゅう。(泣
「三宅室長~退塾届ってないの?」
「ないねぇ~」
嘘だろう。。。!!
「清水さん。退塾届ってないんですか??」
「あるよ」
もう。。。
「三宅室長~講師勤務マニュアルってないの??」
「ぼくぅ~そんなの一度も見たことないょぉ~」
「清水さん。講師勤務マニュアルってないんですか?」
「ありますよ」
でもさすが清水さん。偉い人はやっぱ違うわー
と油断していると
清水さんが負けるときがある。
もういい加減にしてくれっ(泣