前回の善峰寺の続きです。

帰り道、由緒のありそうな寺社を物色している中で、見つけたのが十輪寺です。

案内板を読むと、在原業平ゆかりの寺とか。

最近、NHKのEテレで、100分で名著で、伊勢物語を取り上げていたのを見たので、俄然、関心が湧き、訪ねてみることにしました。

車を駐車場に置くと、

参拝客以外の駐車は厳禁。

止めた場合は、1万円申し受けます、

ここまでは、普通ですが、続きが。

言い訳は一切聞きません。

と強い表現。

拝観料を払った時に、念のため、車を停めましたと断ると、受付の女性が笑って

大丈夫ですよ。

ああ、書くのは、この時期、あそこに車を停めて、１日中、置きっぱなしにして写真を撮りに行く人がいるからです。

紅葉は綺麗ですが、

その近辺に住む人の身にならないとダメですね。

ここも、人が少ないどころか、

私しかいませんでした。

けど、

静寂さの中で、秋が暮れて

いきます。

そして、

平安時代の、

プレイボーｲ、在原業平の墓もあります。

在原業平というと、

数々の女性との浮き名をながした人物ということで、あまり、いい気がしませんが…。

けど、今で言うイケメンだった彼は、

すべての女性にも優しく、

今で言ったら老女に当たる人にも、

心から接した男らしい。

NHKの100分で名著の中でも取り上げていたことです。

業平が思いを寄せた藤原高子との

駆け落ちと、失敗。

やがて、藤原氏の期待を背負って、

清和天皇の后となり、

陽成天皇を産み、

衆目の敬意を集めた高子。

その、業平の思い人の高子が、

大原野の神社に参詣に来た時、

業平が、大坂湾の海水を取り寄せて、

塩をとるための釜が、

これです。

この塩釜があげる煙が、

かつての高子の目に触れることを

業平は期待して、この釜を眺めたとか。

何が本当で、何がウソか、

分からないことですが。

どのようにもてても、

一番思いを寄せた女性とは結ばれることなく、

この地で業平は過ごしたという。

今も昔も、

人の儚さ、悲しさは同じで、

眺める紅葉も一緒。

西山の錦林2