12時を11分過ぎた現在。

10分くらい前にサカナクションのボーカルの人の人生相談動画を見た。

コメント欄には、「人の地獄は見えない」とあった。

ならば書いてみよう、と。

 

二年前に私は兄を失った。

ゲームが好きだった。勉強はできなかった。スマホでいつも将棋をしていた。なかなかイケメンだった。クリストファーノーランの映画が好きだった。犬をかわいがっていた。優しかった。

 

よく、「失ってから価値がわかる」なんて言葉があるけれど、私はまだ、その言葉を理解することができずにいる。その当時兄は一人暮らしをしていて、気づいたらいなくなって、今もたまたま長い間会っていないだけという感じに思える。たぶんそれは、私が兄の身体を、火葬されるまで一度も見ていないから。鮮やかすぎるくらいの色とりどりの花と白いベールに包まれて、あの狭くて真っ黒な空間に入っていくその瞬間まで。兄は煙となって空に消えていった。

 

このブログは衝動的に書き始めたものだけれど、23分経った今では立派な大義名分がある。私と同じように、特に若くして家族や大切な人を亡くした人に向けて、何か心の支えになるようなメッセージを送れたらと思う。兄を失ったときの私には、支えてくれるものは音楽くらいしかなかったから。しんどかった。辛かった。泣きたかった。でもできなかった。だからとにかくもがき続けた。でもどうにもできなかった。小説には「世界を支える柱が崩れるようだった」なんてあったけれど、まさしくその通りだと思う。今まで生きてきた私の世界が、音もなく崩れていく感覚だった。周りは普通に楽しそうにしているのに。私はただ、苦しみの対処方法が分からずに、自分の感情を押し殺す方法を選んだ。でも、ふと思う。もしあの時に、誰か、たった一人でいい、誰かがが寄り添っていてくれたら、もう少し苦しまずに済んだのではないのだろうか。その「誰か」にこのブログがなれればと思って、これから私の二年間を紐解いていこうと思う。