入室してきた男性は机の端、議長席の辺りに立った。

面接官だと気付き、直ぐに立ち上がり挨拶をする自分。

自分が挨拶し終わった後に慌てて立ち上がり挨拶するモンテ…

遅いって…

そして面接スタート。

日焼けしており、何故かまたかよのイケメン。

年齢的に自分位か少し若い位だろうか。

入社四年目で課長らしい。
スゴイな。
ちょっと羨ましいのと、無職の自分が恥ずかしい。

けど、この方はメインの面接官ではなさそうで簡単に事業の内容を説明すると、「では、あとは次の者が詳しく説明いたしますので」と言い残し退室してしまった。

モンテ 「やっぱりダメかもなぁ」

私 「え?まだ殆ど説明受けて無いですよ」

モンテ 「やっぱり来ない方が良かったなぁ。いいトコっていったら繁華街が近いから会社帰りに遊べる位だしなぁ」

この人ホントに働く気あるんだろうか?


程無くして別の男性が入室してきた。
役職は分からないが先程の男性より役職は上なのだろう。

根拠?

態度が偉そうな感じだから…

あ、でも話し方は紳士的でいやらしさは全く無い。

とてもクールな雰囲気だが丁寧に業務内容などを説明してくれた。

面接官から質問が飛んだ。
先ずはモンテにだった。

面 「◯◯さんは××業界の経験は無い様ですが、××の業界に入りたいんですか?」

モンテ 「いや、仕事貰えれば何でもいいんです…」

(アカーンっ!って!何だよその回答?いやいやいや、ダメでしょ、ソレ…)

面接官が豆鉄砲を喰らった鳩みたいになったのを俺は見逃さなかった。

更に何かを話そうとするモンテだったが面接官の身体は既に私の方を向いていた。

面 「転職男さんは××業界の経験がおありで、今も志望されてるんですね?」

私 「はい、扱う金額も大きかったりしますし、やり甲斐を感じます」

面 「そうですか、分かりました」

一応、集団面接という事もあり個別に突っ込んだ質問はされず応募者からの質問に答えるという面接進行だった。

やがて質疑が終わり面接官は退室した。

モンテ 「やっぱりダメだな。来なきゃ良かった」

私 「そうですか…何か気になるところありました?」

モンテ 「何と無く体育会系は合わない」

(いや、特に体育会系のノリは無かったと思うんだけど…)

私 「ああ、そうですか…」


次回に続く


iPhoneからの投稿