何気なく視線を落とすとモンテのスーツの袖口に目を奪われた。

あろう事か、スーツの袖口の裏地部分が激しくほころび、生地がボロボロになって飛び出ていた。

営業をずっとやっていたと言うものの、コレはダメだろう。

まあ、最悪、見えない所ならいいかもしれないけどこれはアウト。

しかし、リストラにあったと言ってたがスーツを買う余裕も無いのかもしれない。

自分も無職のくせにだが、何だかモンテが少し可哀相に思えてきた。

年齢は恐らく40代前半、結婚指輪はしていない。

そんな考えを悟られたくなかったのか私は自然と言葉を発していた。

私 「他の人来ませんね」

モンテ 「今日、雨降るっていってたでしょ?だから来ないんじゃないかな」

Why?

え?

何故雨だと来ないんですか?
脳の中が?マークで一杯になる。

モンテ 「実は私も今日、雨だから来るの辞めようと思って。すごい迷ったんです。近くに来た時も、やっぱり帰ろうかなって、ホントに迷ったんです。だから他の人も来ないんじゃないかな」

何かモンテが好きになってきた…

私 「た、確かに、この時期ゲリラ豪雨とかありますから厄介ですよね…」

モンテ 「やっぱり来なきゃよかったかなあ」


雨で溶けちゃうとかないよね?


何故か異常に雨を気にするモンテ。
就職の方が大事じゃない?
ま、価値観は人それぞれだけど。

時計は既に面接開始時刻を5分近くオーバーしている。

再びモンテと雑談をしていると、一人の男性が入室してきた。


次回に続く


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