明日の昼から高校の方で自身が創設した「物理同好会」の交流会が開かれ、ここで講演することになったのですが、テーマが「基礎物理とその論理構造(熱力学を例に)」のような感じなわけです。

いやまあ、そういうのをやるのが私の経歴と彼らに出した希望調査から見えてくるものなわけですが。

ただ、基礎物理っていうのは歴史的ないし、一般的な「科学」イメージでは埋没して、ある意味では数学として、実際のところ、物理学でもマイナーな、歴史の表に出てこない(しかし実は非常に重要な)理論研究を母体に持っているもので、ニュートン理論では解消不能だった「力」概念がある種の幾何的条件として理解する枠組みを与えられたのも、ラグランジュやハミルトンあたりの研究成果なわけですし、そういった研究なしには相対論も量子論もないのですが、今回私が話をしたいのは、そういう、直接的に現象に即したものではない、しかし、演繹的に組み直すことでより精密な議論ができる枠組みとして力学や熱力学を構築することができる、またその上で数学的、あるいは論理的な対象として、物理学が一つ自然科学の中で演繹的な構造を持って議論できる学問として発達した特別さを伝えるという意図を持っています。

http://sky.geocities.jp/bunkyo_kagaku/obkoryuhkai.pdfが資料のファイルとなっております。