連載記事となっています。
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その後も、前妻との遠距離恋愛は続きました。
この頃の私は、急速に彼女の事を好きになって行きました。
思えば熱病のような、自分自身の心の高まりに酔っていただけだったのかも知れません。
又当時複数の友人が若くして結婚していた事も後押しし、私は付き合って半年と言う短さで、前妻の事を全く何も知らないままプロポーズをしてしまいました。
彼女も直ぐにそれに答え応じてくれました。
私達は婚約しました。
前妻との楽しい思い出は、この時が最高潮であり、後は地獄への道を下って行くだけになろうとは、この時の浮かれた私には想像も付かなかった事でしょう。
さて、私はその頃通常の仕事に加え、あるボランティア団体への参加もしていました。
私には一つの夢がありました。
それは自分の持っている資格を生かして、そのボランティア団体の支部で働くと言うものでした。
当時私と同じ資格を持っている人が支部では必要とされており、支部関係者からのお誘いもありました。
私は、婚約した前妻にこう言いました。
「俺、あそこの支部で働くのが夢なんだよね。だから悪いけど、3年程結婚を延期してくれないだろうか?3年支部で働いたら、戻って来て結婚しよう」
私がそう言うと、前妻は怒りと共に泣き出し、私をこう罵りました。
「付き合って直ぐに結婚とか言い出して、おかしいと思ってたんだよね。結局私の事を騙してたんだ?結婚詐欺だよね?」
「……ごめん。でも、結婚したいのは本当だよ。大好きだし。騙そうとなんてしてないし、結婚詐欺じゃないよ。だってもし結婚詐欺だったら金銭の要求とかするじゃん。俺、お前に金貸してなんて言った事も一度も無いでしょ」
私がそう言っても、それに関しては何一つ返答せず、更に泣きながらの罵倒は続きました。
「私の気持ちを弄んで、あなたは本当に酷い人だよ。私のバージンを奪っておいてさ、私を傷物にされた責任取れるの?」
バージンを奪ってしまって、彼女を傷物にした。
私はこの言葉に心底責任を感じました。
彼女の大切な物を奪ってしまった。
その責任を取らなければならない。
償わなければならない。
そう心に枷がかかりました。
いつか説明を加えようと思っていますが、モラハラをする人間の多くは、自己愛性人格障害と言うパーソナリティ障害を抱えている場合が多いのですが、恐らく彼女もそれなのでしょう。
自己愛性人格障害を抱えている者は、事ある毎に相手を攻撃(口撃)し、責任を負わせるような発言をしたり、相手に非がある事を強調する事により、相手をコントロールし、自分の思い通りに操れる下僕のように支配する事を好みます。
私はこの時から、彼女に心を乗っ取られ、操り始められます。
結局私は、支部で働くと言う夢を諦め、彼女と結婚します。
そう、地獄への第一章の始まりです。