ブログネタ:うどん・そばには七味・一味かける?
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武蔵野うどん・・・この名がどの程度全国区なのかわかりませんが、江戸は蕎麦でも武蔵はうどん。
かっての武蔵国の西側、今の東京多摩地域と埼玉県入間の辺りは関東ローム層の関係であまり稲作に適しておらず、米より小麦の方が多く作られていた土地柄。
このため、うどんが多く食べられ、この地域では昔は家庭でうどんを打つ習慣があったのです。
天保銭の出自の半分は高幡不動の近く、多摩のお百姓ですので、子どもの頃は本家で集まりがあると、死んだ婆様の指揮の下、うどんは普通に作られておりました。
うどんといってもシンプルなもので、笊に盛られたうどんをつけ汁で食すだけで、せいぜい煮た野菜やきのこ、油揚げなんかがつくくらい。天ぷらや鴨肉なんぞは決して付かなかったような記憶が。
ただ、量だけは大量に出てきますので、やはり味が単調にならないように七味は必須。一味だと味が単調になるので、一味ではなく七味でしたね。
この七味も自家製で、七味と呼ばずに作った方の名前で呼ばれておりまして。
天保銭の本家では、近所の婆様の“お徳さん”が調合した七味が味が良いと評判で、専ら“お徳さん”がうどんの友。
子どもの頃の天保銭は、世の中に七味とは別に“お徳さん”という名の調味料が存在するのだと信じ込んでました。やはり、子どもの舌でも市販の七味とは味が違ったのですよ。
婆様が亡くなってからは、本家でもうどんを打つことはなくなってしまいまして、集まりがあっても出前を取るようになってしまいましたが。
武蔵野のどこの家庭でもこんな感じで、うどんを家で打つという習慣は無くなっていっているのでしょうが、そうなってくると「武蔵野うどん」を看板にするお店が出てきているようでして。
その中でも、シンプルに「武蔵野うどん」を店名にしてしまったのが府中にあるこちらのお店。
武蔵野うどんを看板にしている店の中では評判もよろしいようでしたので、先日、府中の友人を訪ねた際に寄ってみることにしました。
天保銭の個人的なイメージだと、武蔵野うどんというのは太目の麺に重いコシ!
コシは強いのですが、讃岐うどんなんかが“プリッ”とした弾む感じの食感なのに対し、“モチッ”とした重厚な感じ。
もっとも、本家のうどんがそうだっただけで、本来は違うのかも知れませんが・・・果たして店で出てくる武蔵野うどんがどのようなものか、期待が高まります。
やはり、店ともなると、天ぷらや鴨肉もちゃんとメニューになっていますので、とりあえず人気メニューらしい“肉汁うどん”を注文。
見ためは確かにこんな感じの太さだったような気がします。
食してみると、記憶よりやや軽いかなと思いましたが、しっかりとしたコシのある美味しいうどん。
お金さえ出せば、武蔵野うどんが食べられるようになったことを素直に喜びませんと。