工場、配送場、さらには航空機の格納庫等、鉄骨造の屋根に使われるのが折板(せっぱん)です。


折板は幅が600程度でその長辺部分(ハゼと呼ばれる)をかみ合わせて敷き込んで行きます。


しかし、雨仕舞の関係で短辺方向のジョイントは作らないのが原則です。


そうすると、運搬車両に載らないほど(16m位が限度でしょうか)の長さのものはどうするのでしょうか。


大体折板を使うような建物は屋根の面積が大規模なので、たとえば切妻屋根としても棟から軒先までの長さが20mを超えるものが当たり前になります。


正解は、コイル状になった平板を現場に設置した成型機で折板に成型し、これをクレーンにて敷き込んで行く、です。

 

では、長さが100mあった場合はどうでしょうか。


とてもクレーンで吊上げることはできません。


実は、以前某配送センターの工事でこれを経験したことがあります。


折板の長さが約100m、折板の工事を見ることも初めてだった自分にとって、100mの1枚ものをどうやって施工するのか不思議でした。


その方法は、①折板のケラバ(長辺)側になる屋根の両端部にポストを立てる(たぶん4,5m間隔)、


②そのポストにワイヤーを張って、それに金車(滑車)をつけたホイストをその金車がワイヤー上を移動するように取り付ける、


③それぞれのホイストにナイロンスリングをかける、


④建物外に折板の敷き始めとなる位置に、屋根の高さに合わせた仮設ステージ上に成型機をその排出部分が屋根の軒先となるように設置する、


⑤コイル状の平板をクレーンで吊上げ、成型機に入れて行く、


⑥成型されて出て来た折板を順次手前からホイストにかけられたナイロンスリングに通して行く、


⑦成型が終了し、1枚の折板が全てのホイストにかかったら、15人ほどの作業員で所定の位置まで折板を押して移動する、


⑧ホイストを操作し、折板を降ろして敷きこむ、となります。

 

やはり、最終的には人の力なんだなぁとつくづく感じた次第です。



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